文房具まつりがやってきた！｜リアクション

文房具まつりがやってきた！

　高級マンションに帰った真瞭は、さっそく何人かに宛てて手紙を書くことにした。
　レターセットを広げ、ガラスペンが壊れないよう引き出しに定位置を作ってから、そっと取り出す。
「みんなどうしているかな……」
　目を閉じて、送る相手を想う。
　星ヶ丘の夜は静かに更けていった。

　真優理と絢は、自宅で夕食を摂った後、お茶を飲みながらテーブルに文房具を広げていた。
「このノート、薄緑の紙が目に優しくて安らぐわ。絢ちゃんみたい」
「ありがと、真優理さん。プレゼント、大切に使うね。スタンプも可愛いし、日記を始めようかな」
「ふふっ、そう言ってもらえると贈ったかいがあったわ」
　絢の笑顔に心が踊る真優理だったが、彼女に『焚書官かく語りき』を布教することも忘れてはいなかった。

　千恵と別れて桜花寮に戻ったタルトは、買った画材と絵はがきを眺めた。
「うーん、どんな物が売れそうかなー。寝子島の猫たちを撮った写真絵はがきか、クレヨンか、水彩色鉛筆か……」
　椅子に寄りかかって目をつぶり、『ブラック・リキッド亭』の客層や品揃えを考える。
　ベッドに入っても、ワクワクが抑えきれないタルトだった。

　海は桜花寮に帰り、試し書きを楽しんだ後、戦利品をしまうのに四苦八苦していた。
　新しいスケッチブックは使いやすいように立ててしまい、色鉛筆も空き瓶に立てて入れる。クレヨンは折れないように注意して引き出しに、筆ペンはペン立てに入れて、メモ帳とマスキングテープは引き出しの中へ。
　何とかしまい終えて、ベッドに潜り込んで体を伸ばす。

（はぁ～、何を描こうか、考えるだけで幸せだなぁ）

　そう思いながら、海は眠りに落ちていった。

「あの絵はがきのお店、どれもこれも可愛くて悩んじゃったなぁ」
　夕食後に入浴し、すっきりした千恵は部屋で絵はがきを眺めていた。日記を買った後、手持ちのお金は２０００円を切ってしまったので、慎重に選び抜いた猫絵はがき１０枚セットである。
　猫たちが扇風機に吹かれ、スイカを割り、お祭りでかき氷や金魚すくいを楽しんだりする、夏真っ盛りのイラストが盛りだくさんだ。
「そうだ！　早速今日のこと書こうーっと。新しい日記帳とペンってだけでいいよね」
　日記を取り出し、別の店で買った紫色のペンと共に机の上に置く。ドキドキしながら鍵を開け、ペンを紙の上で滑らせた。
「えっと……今日は文房具祭りというイベントに行った。そこで……」
　書くのが一段落ついた所で、親からの「もう寝なさーい」という声に「はーい」と返事。
　日記を閉じて鍵をかけ、机上の灯りを消す。
　千恵はベッドに潜り込み、目を閉じた。

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あとがき

担当マスター：陣杏里
ファンレターはマスターページから！

皆様こんにちは。
文房具のイベントに参加したくてうずうずしている、陣　杏里です。

ご参加下さいました方々、わたくしのお店案内にノリノリでアクションをして下さって
ありがとうございました！
書いていて楽しかったです！

では、皆様によい文房具との出会いがあることをお祈りしております。
参加して下さった方、お読み下さった方、どうもありがとうございました。
失礼します。

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