ニセ校長、現る？！｜リアクション

ニセ校長、現る？！

〇ねこったーでの書き込み

「校長先生が同時多発出現？」
　これを知った水上桜の反応は実にシンプルだった。

（ま……まただ……またしても　フ　ツ　ウ　かぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ！！！）
　もちろん声に出して叫びはしない。
　さすがにもうそれをグッと堪えられた。
　というか、いちいち叫んでいては精神的に持たないし、アブナイ人扱いされるのは目に見えている。
　何とか叫びたい衝動を抑えると、調査に入ることにした。
「生徒会の一員として、これはさすがに看過できないわ」
　生徒会会計である桜は思う。
（まず同時多発的に出没する校長先生、これがそっくりさんなのか、双子の兄弟なのか、それとも神魂のなせる業なのか……というあたりを確かめる必要があるわね）
　聞けば目撃証言はねこったーに書き込まれているという。
「なら、ねこったーにはねこったーだわ」
　スマホを取り出した桜は、生徒会のアカウントでねこったーにログインした。

「なにこれ？」
声を上げた同級生に、１年の篠原翠響は反応した。
「どうしたの？」
「見てよ、ねこったーなんだけど、校内のあちこちで校長先生を見かけたって」
「それって……？」
　ＴＬを確認すると、確かに同じ時間帯に複数の場所で校長先生を見かけたという書き込みがある。
「これってきっと、校長先生の双子かそっくりさんを、校長先生が呼んできて生徒や先生にイタズラしてるんじゃないの？」
　などと翠響は推測する。
「えーっ？」
　同級生は疑わしそうな声を上げたが、翠響は無自覚もれいびなので、神魂現象のことを知らない。
　現実主義な彼女は、それくらいしかありえないだろうと考えたのだ。
「あの校長先生、実は結構変人じゃないかと思ってたけど……何しろ朝礼でシトラス・ガムダンネタとか言いまくるし、やっぱりそうか。そういうイタズラとか好きなんだね」
「でもいくらなんでもそっくりさんとか双子って……」　
　同級生の疑いの声に、翠響は決意した。
「なら、解決してみせるわ。校長先生たちを鉢合わせさせればいいのよ」
　そんなわけでスマホを取り出した翠響は、ＮＹＡＩＮＥやねこったーで仲間を募り始めた。
『校長先生同時出現の謎を解明する仲間、募集！』

このページにイラストを設定する