ニセ校長、現る？！｜リアクション

ニセ校長、現る？！

〇お昼休みの校長先生たち

　昼休み。
　２年の楡宮遠海はまずは購買でパン各種とおにぎり各種をカゴに入れた。
　飲み物もねこーひー牛乳（パン用）とペットボトルの緑茶（おにぎり用）を購入した時。
　ふと、背後に気配を感じた。
　振り向けば校長先生がいた。
　ニコニコしていているその顔を眺めながら、遠海は思う。
（校長先生も焼きそばパンとか好きなのかな？）
　特に気にせず、まずは軽い腹ごなしをするため屋上へ向かった。
　と言っても、お腹が空いていないわけではない。

「え……？」
　屋上の扉を開くと、もう校長先生が来ていた。
「ニャー」
「よしよし」
　屋上にいた猫と遊んでいる。
（屋上に上がるの、やたら早くない？）
　途中で追い抜かれたはずはないのに。
　首を傾げつつ、遠海は腰を下ろし、購入した大量のパンとおにぎりを食べ始める。
　がっつくこともなく綺麗に食べているのに、あっという間に大量のパンとおにぎりは遠海のお腹に収まっていく。
　欠片も残さず、綺麗に平らげた。
（これで腹ごなしは済んだ）
　遠海の思う腹ごなしは、普通の人とは違っているようだ。

　それからいつものように食堂に向かい、食券を全種類購入しておばちゃんに食券の束を渡す。
「お願いします」
「はいよ！」
　空いている席はあるかとテーブルを眺めると、なんとそこにも校長先生の姿があった。
　チュルチュル。
　たぬきうどんを美味しそうに食べている。
（……え？　私より早く降りてたぬきうどんを食べてる？）
　ますます妙な話だが……しかしその疑問も。
「お待たせ！」
「あっ、ありがとうございます！」
　料理が出来上がったことを告げるおばちゃんの声の前には些細なことだった。
　大量の定食やどんぶりや麺類等々。
　それをテーブルに持ち運びし、食べ始めると校長先生への疑問など雲散霧消した。
（今日も美味しい！　みんなどうしてあんなちょっとの量で我慢できるんだろう？）
　遠海にとってはそのほうがよほど不思議なのかもしれない。

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