this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
怪物
<< もどる
1
…
32
33
34
35
36
つぎへ >>
たとえるならばバレンタインデー、のばしきった両腕の先にリボンをかけた紙包みをつかみ廊下を走りこむ少女のようだ。
問題は、めざす相手が憧れのセンパイではないことであり、手にあるのもチョコレートの包みではなく王珠ということであり、そもそも走者がネズミの頭部をもつ筋骨隆々たる巨漢であるということであろうか。
「お嬢様! もう、なんにも言わずに受け取ってください!」
だがそれはかなわない。
さっと香住の正面にまわりこんだ姿があった。
志波武道だった。
何度か赤いチカチカが脳内を襲ったが、そのたび武道は王珠が原因であることを思い出し、この短い時間に三度もくりかえされた不完全な平行世界の創造、そのすべての記憶を頭に刻みこんでいる。
――樹形図からつかみとれる未来はひとつだけ!
武道は手刀をマウスの手首に叩きこんだ。
怪物は大声をあげて転倒する。武道の『ろっこん』だ。手首は麻痺したにちがいない。
あまりにマウスの勢いが強かったので、局部麻酔は一瞬しか効果がなかったと武道は直感的に理解している。
だがそれで十分だ。
王珠は転がり落ちたのである。香住の足元で止まる。
香住は、魅入られたように赤い珠をひろいあげた。黙って見つめている。
すぐにでも投げ捨てることを武道は期待した。しかし、
「……やり直せるの?」
香住は王珠に語りかけていた。眼鏡のレンズが赤い光に染まっていた。
「もっと前から? 私が銃をひろう前から? あの朝の電車に乗る前から……?」
まさか。
武道は腹の底が冷えるような思いを味わった。
おそらく王珠は誘惑しているのだ。香住さえ望めば、またいくらでも現実をねじ曲げ、やり直しをさせると。力のつかいかたを学べば、もっと時間をさかのぼってのやり直しも可能だと……!
マウスは起きあがった。
首をめぐらせ位置関係を確認する。
金属バットの少女(智依子)はまだ起き上がれない。
ナターシャも同様だ。
武道が香住を止めようとしている。させてはならない。
陽太がメリーゴーランドから飛び降りたが、自分のほうが先にたどりつけるだろう。
武道を妨害すべくマウスは踏みだすも、あえなくさえぎられた。
「また会ったな」
老人だ。かなりの高齢である。ただし枯れ木ではなく、撚(よ)って束ねた鋼線のような肉体をしていた。
「あんただろ? うちの教え子を可愛がってくれたのは」
伊織紘之助は唇をゆがめ、歯を見せた。
「すんでのところで間に合った、って感じなんでな。事情はわかんねぇ。だが、俺がすべきことはわかってる」
紘之助は首元から分銅を、袖口から鉄串をとりだした。
「邪魔しに来たぜ」
吐前のかたき討ちのような口調で言うが、悲壮な気持ちは紘之助にはない。
この喧嘩は、俺のためのモンだ。
死ねねえ理由がある今は、昔と違って恐怖も持ち合わせている。
俺の中の「怪物」とどうケリつけるか、どう付き合っていきゃァいいのか見当もつかねえ……。
確かめるためにも――。
「俺の喧嘩に付き合ってってもらおうか!」
左手で分銅を投じマウスの首を狙う。巨漢は反射的にこれを叩き落とすや一気に距離を詰め女の胴ほどもある右腕で紘之助の頬を狙う。
間一髪。
紘之助は顔を引いて避けた。
しかしマウスの打撃は頬をかすめていた。ものすごい圧だ。かすっただけなのに焼けつくように痛んだ。血も飛び散っている。あと一センチでも深く喰らっていたら首が前後逆になっていたかもしれない。
こぶしの間合いは鉄串の間合いでもある。
撲つ。しなる鉄串を叩きつける。
マウスはとっさに頭をかばう。
これが紘之助の狙いだった。
右足で地を蹴り左脚で、マウスのあごを砕く一撃を放ったのである。
巨躯が浮いた。
大の字になってのびた怪物は、もう起き上がってこなかった。
武道は香住と会うのが今夜がはじめてだ。マウスが乗り込んでくる寸前、短い時間でナターシャに簡単に紹介されたにすぎない。
でも知っている。香住は意志の強い子だと。
だから武道は、香住が王珠を拾いあげるのをさまたげなかった。
王珠を見つめる香住に手をふれることもしない。
ただ一言、こう呼びかけただけだ。
「善悪を決めるのは自分自身。だからこそ悔いのないように行動してほしい」
(世界は……)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
<< もどる
1
…
32
33
34
35
36
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
怪物
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!