this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
怪物
<< もどる
1
…
32
33
34
35
36
つぎへ >>
警備員ふたりはあっさりと絞め落とせた。
ドアノブをひねったところ加減をまちがえたかねじ切れてしまった。苦笑してドアを蹴破ると、マウスは閉店後の『おもちゃのハローニャック』に押し入ったのである。
「……はいはい、わかってます。ここですよね」
マウスはひとりごとを言ったのではない。話しかけた相手は、上着のポケットの中にいる。
わずかにともる薄明かりが照らし出すのはマウスの顔だ。ネズミそっくりの頭部、それが人間大なのだから悪い冗談のようである。
しかし、冗談ではない。
ネズミそっくりとはいえ夜目がきくわけではないようだ。マウスは無人の店内、玩具が整然とならぶ虚空にむかって声をあげた。
「聞こえますかお嬢様ぁ? そこにいらっしゃるんでしょう、脇坂香住お嬢様ぁ」
普段はにぎやかな店内だけに、墓場のように静まりかえっていると時間が停止したかのようである。マウスは裸足で奥へとむかう。新作ゲームソフトの立て看板、子ども服売り場の靴や水着、キャラクターグッズが作品ごとに陳列された棚、いずれにも目をとめない。
「だいたいの位置はね、王珠がつかんでいるのです。ここまで近いともう、ぷんぷん匂うということですよ。だからお嬢様、あきらめて出てきてくださいよう。私はなんにもしやしません。天地神明に誓ってあなたを傷つけません。渡すだけです、この『力』を、真の所有者にねえ」
店の中央には、人工芝が敷かれ簡易テーブルのならぶ休憩コーナーがある。それより目立つのは、ハローニャックの象徴たるメリーゴーランドだ。
メリーゴーランドを背にして彼女は立っていた。
脇坂香住だ。たったひとりだ。
唇を真一文字にむすんでいる。両手もきつく握りしめていた。
それでも香住は、マウスを正面から見すえている。
「お嬢様、ようやく……」
マウスは上着のポケットに手をつっこみ、王珠を取り出した。
つぎの瞬間マウスの背後から梓智依子が飛び出した、金属バットをふりかざして王珠を狙った。
「それくらい読めないとでも思ったんですか?」
マウスはにたりとした。
(世界は、不完全ながら枝分かれした)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
マウスは上着のポケットに手をつっこみ、王珠を取り出した。
つぎの瞬間マウスの背後から智依子が飛び出した。
マウスは冷静に左腕を伸ばした。智依子が振り抜いたバットはマウスの腕にはじかれた。智依子は勢いあまって人工芝に転がる。
しかしマウスはバランスを崩す。すぐ右手の棚に隠れていたナターシャ・カンディンスキーが稲妻のようにすべり込んできたのだ。
「これはたまげた! あなたがここにいたとはね……!」
(世界は、不完全ながら枝分かれした)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
マウスは上着のポケットに手をつっこみ、王珠を取り出した。
智依子の襲撃は妨げられた。マウスは軽く跳躍してナターシャのスライディングをかわした。マウスの着地先はナターシャの腹部だ。ナターシャはうめいて這いつくばった。
それでもマウスは香住のもとにたどりつけない。
「根積さん!」
メリーゴーランドの白馬の影から、呉井陽太が姿を見せたからだ。非常口を示す緑の光を浴びている。
「オレです! 話を聞いてください!」
桜の季節にナターシャと出会った陽太は、彼女と連絡先を交換していた。武道と落ち合ってすぐ、陽太は『何かあったら電話してください』とナターシャにメールを入れている。その電話が、『高松』を名乗る彼女の第二人格ではなくナターシャ本体から入るとは思ってもみなかったが。
メリーゴーランドから飛び降り、陽太は根積に歩みよる。できるだけ落ち着いた口調で、ゆっくりと言い聞かせた。
「……根積さん、オレもだいたいの事情はわかっているつもりです。根積さんには目的があり、いまは王珠の命令に従ってるだけの状態ってこと、理解してます」
マウスは王珠をつかんだまま両手を顔に当てた。ナターシャをまたぎ、智依子にも当たらないよう大股で後退する。
「呉井さん……私ね、いえ、私の本体である根積宏一郎はね、あなたに弱いんですよ。暴力をふるってくる相手なんて平気だ。侮蔑の視線、見下すような眼差しや態度だってウェルカムです。無関心もね。路傍の石みたいにあつかわれればあつかわれるほど、『マウス』は強くなるんですから」
でもね、というマウスの声は悲鳴にちかい。痛々しいほどだ。
「呉井さんみたいに……優しくされるのは苦手です。気持ちがゆらいでしまうからです。……堪忍してください。
堪忍してくださいっ!
やっと根積宏一郎はマウスと別れられそうなんです。王珠が、根積紘一郎とマウスを別々の世界に送りこんでくれるんです……!」
「根積さん。王珠はあなたが思ってるような素晴らしいものじゃありません。オレは以前に、別の王珠と深くかかわった人を知っています。その人は王珠に運命を狂わされ、おそらくは、愛していた女性と心を通わせることもできないまま逝ってしまった……」
うずくまっていたナターシャが、ぴくりと動いた。だが誰ひとり気がつかなかった。
陽太はマウスの目の前に立つ。
マウスは陽太に手出しをしなかった。最初からその意思がいないのだろう。叱られた犬みたいにうなだれている。
「王珠は解決になりません。だからその危険なものをオレに渡してください。お願いします」
陽太は手を伸ばした。
マウスは、王珠を手渡そうとした。
(
世
界は、
強
引にひき
裂か
れ分
岐した
!
)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞
「オレです! 話を聞いてください!」
陽太がメリーゴーランドから飛び降りるより先に、マウスは耳をふさいで走り出した。
「……堪忍してください。堪忍してくださいっ!」
突進する。
香住にむかって。
<< もどる
1
…
32
33
34
35
36
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
怪物
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!