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【修学旅行】アッツイ、タイに行きたいッ!
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●二日目:バンコク三大寺院・その1
「タイは信仰篤い仏教国で、寺院が沢山あるんだよ。首都バンコクは日本で言えば、東京のような近代的大都会と、京都のような歴史や文化を共存させている都市なんだって」
パンフレットから目を上げると、
佐藤 英二
はバスで隣になった
野々 ののこ
にそう話した。
タイに着いた翌日は首都バンコク見学。ホテルでの朝食を終えた寝子高生たちは、オリエンテーションのあとバスに分乗して市街地へと出発したのだ。バスと並走してトゥクトゥクと呼ばれる三輪タクシーが走っている。こちらが修学旅行だと気づいたのか、トゥクトゥクに乗っている観光客らしき日本人のお姉さんが手を振ってくれている。カメラマンらしき人と一緒だから何かの撮影だろうか。それに手を振り返し、ののこは呑気に首を傾げた。
「今日はどこを回るんだっけ?」
「今日は有名なバンコク三大寺院を見るよ。エメラルド寺院とも呼ばれる
ワット・プラケオ
、寝釈迦仏が有名な
ワット・ポー
、三島由紀夫の小説『暁の寺』の題材になったという
ワット・アルン
を順に巡るんだって」
パンフレットやネットからの付け焼刃な情報だし、三島由紀夫もほとんど読んだことはないけれど。
調べてしまうのは、ただ見るだけより、どんな建物なのかや辿って来た歴史などを知ったうえで見るとより面白いに違いない、と思うからだ。そしてそれを人と共有できることが喜びでもあるからだ。実際、自分の話でののこの瞳がきらきらと見開かれていく、そのことに頬が緩む。
「――楽しみだな。勿論、タイは初めてだしどんな旅行になるのかワクワクするよ!」
◇
日本と違って他国と陸続きのこの国には、隣国との戦や侵略が、日本で言えば戦国時代と同じくらい身近な歴史としてある。1700年代にビルマに侵略されたこの国は、その後タークシンという将軍により新たな王朝が開かれた。ところがその王朝は一代しか続かず、その後将軍が王朝を開いた土地からチャオプラヤー川を挟んだ対岸に現王朝を開いたのがラーマI世。現国王はラーマ10世となる。
はじめに訪れたのは、空港にあった写真の主である国王が住まう王宮に隣接したワット・プラケオはまさに、バンコク発祥の地といえた。
肩や太腿の見えない服装で、サンダルは仏様の前では失礼に当たるからちゃんとした靴で、と念入りに忠告されて訪れた寺院は、南国の太陽の下、屋根は金色、壁は純白、窓や扉は緑色に輝いていた。
「音に聞こゆるエメラルド寺院……本当にエメラルドで出来ているの?」
豪奢な本堂に祀られたエメラルド色の仏像を前に、
羽生 碧南
は無性にありがたい気持ちになって手を合わせる。参拝を終えたあとにパンフレットを読んでそれが翡翠だったと知っても、ありがたさに変わりはない。
もっとも、鮮やかな翠色の仏像を見て「これいくらするんだろう?」などと俗物的なことを考えてしまうのが庶民の悲しい性でもある。呪文を唱えればお金や金が流れてくると聞き、早速呪文を唱えてしまう即物さを、ブッタは許してくれるだろうか。
◇
黄金の城のような台座。天井から下がるシャンデリアのような佛天蓋。壁には、仏教の三界を表すという物語性を感じさせる壁画が色鮮やかに描かれている。
「呪文を唱えればお金やゴールドが流れてくる、ね……」
金の冠と金の胸飾りが眩しいエメラルド仏の間で、
椎井 莉鳥
は乾いた目を中空へ向ける。
「そんな言い伝えを知ったらアイツは絶対必死になって祈ってただろうな……」
アイツ。京都の大学へ進学した元カレの幼馴染の腐れ縁のアイツだ。
(何であんな奴のこと思い出すんだろう)
脳裏に浮かんだ彼の能天気な顔を消したくて、莉鳥はぶんぶんとかぶりを振る。
「どうかした?」
思いがけぬ仕草に驚いた同級生が小声で問うてきた。
莉鳥はそれに無表情で答える。
「何でもない」
ふうん、と同級生の彼女はかすかに相槌を打っただけで、それ以上は聞かずにエメラルド仏に手を合わせている。その気遣いが有難かった。事情を知っている彼女には、自分の心中はバレていることだろう。敢えて知らんぷりしてくれる友情に莉鳥は感謝した。
「……、……」
口の中で呪文を唱えて祈る。
もっとも莉鳥の祈りはそれは自分の望みはお金や金(ゴールド)ではない。
(私の心の中にまだ住み着いているアイツのことを忘れ去らせてください)
それが今の、切なる願いだ。
◇
「この色とか建物、ありえるか? すっげーよなあ!」
経典を収めたプラ・モンドップと呼ばれる建物は、金と緑のモザイクが美しい。ヤックと呼ばれる鬼と、ナーガと呼ばれる蛇神の金の像が、騎士よろしく剣を前にして守護している。
「異国情緒すっげー……遠くまで来たんだな」
桜井 ラッセル
は呟いて、それから先を行くクラスメイトのほうを見遣った。
(団体行動って楽しいけど息が詰まるんだよな……)
大人しくしている、というのが性に合わないのだ。
寺院を囲む石畳を感じたくて、トントンと足を踏み鳴らす。回廊にはラーマキエンと呼ばれるタイの神話が色鮮やかに描かれている。海、戦い、そして緑や赤の巨人たちの物語だ。
そこには日本とは違う色のリズムがある。
異国の息吹を感じ、このままどこかに行きたくなってしまう。
(こんなに綺麗なものをみせられたら、)
魅入っているうち、すっかり最後尾だ。ラッセルは胸から下げた金の鍵を握り、空を見上げた。
――鳥になって飛んでいきたいと思っても仕方ないだろう?
◇
恵御納 夏朝
と
恵御納 夏夜
にとっては、ふたりに分離してはじめての修学旅行である。ふたりで一緒に楽しめることが嬉しかったし、沢山楽しむと心に誓ってもいた。
「タイ、暑い……」
「暑い、ね……夏夜は僕の体質を引き継いじゃったんだね」
趣味や性格は違いがあるのだが、体質は近いままだという事実に、夏朝と夏夜は互いに視線を交わし合う。首に冷やしたタオルを巻き、出来るだけ日焼けしないよう帽子もかぶり、対策は万全だからきっと大丈夫だろう。
「タイの観光地、色々気になるから見てみたいし、それに……」
夏朝は視線をあたりに彷徨わせる。
夏夜には相方が猫を探しているのだろうということがすぐに分かった。
(夏朝は……観光地も楽しむけど、猫も目当てだろうね。僕も猫いると嬉しいけど)
タイの猫といえば思い浮かべるのはシャム猫だ。この地は20世紀前半までシャムという国だった。白っぽい短毛で、鼻から目にかけてと耳、手足、尾が黒いシャム猫は、その優美さで500年以上前からこの国の王室で愛されてきたと言われている。
(今はタイって猫さんもいるんだっけ……?)
もちろんいる。
シャムではなかったが、黒猫と茶トラの猫が、日陰の石畳に寝そべって涼を取っている。
夏朝が近づいても逃げることはない。
観光客が多い寺院に暮らす猫たちは、ふてぶてしいほどに人慣れしているようだ。
「とにかく猫さんは可愛い!」
夏朝はメモ帳を開きスケッチを始める。
「写真、撮ってもいいかな?」
夏夜が問いかける。猫たちが答えることはなかったが、平然としているところを見ると大丈夫なのだろう。夏夜はくつろぐ猫たちの邪魔にならぬようそっとシャッターを切った。
ラッセルがいない、と引率の先生たちが慌ただしい声が聞こえてきた。
時同じくして、金の鳥が羽音賑やかに隅の木陰に舞い降りたのが見えた。
そちらの方から猫の声がしたので夏朝が近寄っていくと、木陰に金髪の三つ編みが見えた。
「桜井君。異国で行方知れずになったらだめだよ。いちおう、修学旅行なんだからさ……」
「だよな。わかってんだけど、団体行動苦手でつい、さ」
「気持ちは分からないでもないけど」
夏夜が彼の申し訳なさそうな笑みに、苦笑を返した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月24日
参加申し込みの期限
2021年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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