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【終業式】夏休みを賭けた、ザ・ゲーム
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【続・Epilogue】
そして、終業式は再開された。
「よかった。やっぱり足手まといになるぐらいなら、参加しなくて正解だったわね」
理事長の話を聞き流しながら、絢は小さく安堵の息を吐き、自分の判断が正しかったことを知る。
(ただでさえ校長先生の話が長いのに、理事長まで悪乗りするのはやめてほしいわね。そもそも、シトラス・ガムダン(?)って実在するのかしら?)
などとぼんやり考えているうちに、ようやく……本当にようやく長い話が終わった。
ブーイングはなりやまず、絢も声には出さないものの、無言でそれらに同意する。
「では、ここからは生徒によるスピーチに移ります」
ああ、そうか。そんなのもあったなぁ、と溜め息が漏れる。
その声が聞こえてしまったのだろうか。
「では、3年8組の
青山 絢
さん、お願いします!」
「え?」
驚く間も、断る間もなく、強引にマイクを渡される。
生徒達はさっさと終わって欲しそうにこちらを見ているので、不毛な押し問答を続けるのは申し訳ない。
「ええと、それでは先日、僭越ながら私が出演した映画のディスク版が発売されたので、そのお話を……」
我ながら何がどう「それでは」なのかわからなかったが、生徒達は別段驚く様子もなく、むしろ「おお」と好意的な視線を向けている。
(我ながら随分と図太くなったものね)
話ながら、この三年間のことを思い出している。色々なことがあり、色々な変化があった。それもあと少しで終わるのだと思うと、少し寂しい気がしなくもない。
その後、絢は教室で樋口先生から通知表を受け取ることになる。
評価はほとんど4と5。
そうして、綾の夏休みが始まる。
梓 智依子
は夏休みの存続が決定したときに「よかった」と深く安堵の息を吐いた。
彼女はゲームが苦手で試験は受けなかったが、何もしないでいることもできず、同級生を誘って会場に応援にやってきていた。
「良かったね、梓さん! 応援に来たかいがあったね」
隣で一緒に応援していたいた同級生がそう微笑みかけてきたので、智依子も「ええ」と穏やかに頷く。
会場は試験に合格したヒーローへのエールで沸き、同級生達もみな思い思いの夏休みの予定について語りあっていた。
しかし、智依子が描いていた自身の夏休みの光景は、おそらく彼らの誰とも異なっていただろうと思う。
(本当に良かった。夏休みは娘と一緒に長くいられる数少ない時間だったから……)
智依子は高校生であると当時に4歳の娘を持つ一児の母――いわゆるシングルマザーであった。
そのような特殊な境遇から、智依子は当初高校進学を予定していなかった。
育児は大変だったし、まだ本土にいた頃は周囲からも悲しい扱いをうけて、正直、高校進学など考える予定はなかったからだ。
そんな彼女に転機が訪れたのは寝子島で暮らしていた祖父母が本土から自分を島に呼び寄せてくれたからだった。
心優しい祖父母は特殊な境遇にあった智依子を優しく受け入れてくれた。
そんな祖父母の恩に報いるために、智依子は昼は学校、放課後はバイト、それ以外は育児と凄まじく忙しい日常を送っていた。
高校に通わずに働いてもおかしくない状況で、なお二年も遅れて智依子が寝子高に入学したのは、そんな祖父母のたっての願いであったからだ。
だから、智依子にとって娘と一緒に長い時間を過ごせるのは、夏休みなどの長期休暇期間しかなかったのである。
「さあ、教室に帰りましょう。通知表を持って、家に帰らないと」
智依子が促すと、同級生達は揃って教室に戻った。
HRが始まり、智依子は少し緊張しながら通知表を開いた。
数字は4と5が並び、智依子はホッとする。
これなら、きっと祖父母も喜んでくれるはずだ――。
篠原 翠響
は理事長の演説と夏休みの廃止宣言を聞いて、ただただ呆れていた。
「こういうの独善って言うんだけど、理事長は学校で習わなかったのかしら?」
ぽつりと呟いた言葉に、周囲の生徒達がうんうんと頷いている。
だから、夏休みの廃止の廃止――つまり夏休みの存続が決定したとき、彼らの喜びようと言ったらそれはもう言葉では言い表せないほどのものだった。
もちろん翠響にとってもそれは同じだった。
「……よかった」
と、胸を撫で下ろした彼女の言葉は本心だ。
それだけに安心したところで、理事長の横暴にだんだんと腹が立ってくる。
だから、普段ならあまり嬉しくない生徒による恒例のスピーチでお鉢がまわってきたも、ある意味でチャンスと思うことができた。
(皆が言いたくても言えないこと、あたしが理事長にビシっと言ってあげるわ)
口元に笑みを浮かべてマイクを受け取れば、周囲の生徒達が期待の目を向けているのがわかる。
パチンと無言でウインクして視線に応じれば、すぅっと息を大きく吸って一気にマイクにまくしたてる。
「独り善がりと適当な思い付きでいきなり夏休み廃止宣言とか、なかなかウケること言いますね、理事長先生。それだけ教育熱心で生徒思いなんでしょうけど、熱意が強すぎて受け止める側はかえって白けちゃいますよ。では」
あまりの言いように茫然と突っ立っている司会役の生徒にマイクを突き返して、クラスメイトのもとに意気揚々と翠響は戻ったものだった。
後のホ-ムルームで担任の高野先生からお小言を頂く羽目になったが、むしろ小言で済んだのは幸いかもしれない。
それから、HRで通知表を受け取る。成績表は全科目5。
昨日の時点で決まっていた数字だろうけれど、スピーチが成績に影響しないことに少しホッとした翠響なのだった。
月原 想花
は、じつは夏休みなんてなくなってしまえばいいと思っていた。
(だから、一瞬、理事長グッジョブ!とか思っちゃったけど……)
けれど、それを口に出さずに心にとどめておく程度の理性はむろん想花にはあった。
(夏休みが廃止になれば、実家に帰省せずにすむ。お盆に親戚一同が集まる実家に行かずに済むのに……)
想花は、常に優秀な弟と比べられてしまう盆休みで過ごす実家に、いつも居心地の悪さをおぼえていた。
実家に戻らなくて済むなら、いっそ夏休みなんてなくなってしまえばいいと思ったのはそのためだ。そもそも成績不振の想花には、すでに補習が決まっていたりするから余計にだ。
だから、想花は試験にこそ参加しなかったけれど、他の多くの生徒達とは違った理由でそわそわと結果を待っていた。
しかし、
(……ああ。やっぱり駄目だったか)
夏休みの存続の結果を受け、想花は深く嘆息する羽目になった。
もちろん、他の多くの同級生とは違った意味で。
(ほかの皆は理事長のことを悪く言ってたたけど、夏休みがなくなって本当に嬉しい生徒だっていると思うんだけどな……)
それが少数派であることはわかっていたが、そう思わずにはいられない想花だった。
だから、先のスピーチで何人かに苦言を呈された理事長を少し気の毒に思っていたりもする。
もちろん、友人達のほとんどが楽しみにしている夏休みを奪う権利など誰にもあるはずはなかったのだけど。
それから、憂鬱な気持ちを抱えつつ、想花は教室に戻った。
通知表の結果は3ばかりで、ところどころ4と2がある程度だった。
「はぁ……。弟はきっとはオール5なんだろうな……」
口に出すと余計に情けない気持ちになり、想花は一人教室の机に突っ伏した。
………。
そして、HR後。
「はぁっ……。なんとか夏休みの存続が決まってよかったけど、みんなからブーイングが来たときヒヤヒヤしたよ」
「てへぺろっ」
舌をだしてごまかす幽霊の隣で、理事長は机の上に突っ伏していた。
と、そこにコンコンとノックの音が響く。
「おや、誰だろう? どなたかな」
「――生徒会役員会計の水上です。理事長と少しお話がしたいですが」
「……話? 僕に?」
首を傾げつつ、理事長は入室を促す。
一礼し、部屋に入ってきた桜は開口一番、理事長に本題を突きつけた。
「お話とは夏休み廃止のことです」
「え……?」
理事長がギクリとし、思わず急用を思い出そうとしたが、それを桜は許さない。
「ええ。生徒のことを思って夏休み廃止を提案したというのは判ります。しかし、生徒にとって夏休みは大切なものなんです。そりゃあ、長い休みですからどうしたもだらけたり遊び呆けたりする子もいるでしょう」
まず理事長の意を汲み、一定の理解を示したうえで(それは桜にとっても本心であった)、そのうえできちんと論理立てて意見を述べていく。
「でも長い休みの中で何かに打ち込んだり、自分を見つめ直したり、熱い夏のゆったりした時間に身をゆだねたりすることで得られるものもあるんです。高校生にとって、夏休みはたったの3回、たったの3回しかないんです」
「う、うう……。ごめんなさい」
よほど懲りたのか、理事長はしゅんと小さくなって項垂れた。
(……ちょっと言い過ぎたかしら?)
桜はそこで、最後に一言、付け加える。
「1か月以上学校を離れたからって、それでこの学校から心が離れたりはしませんよ。そこは生徒を信じてほしいですね」
「……そ、そうだよね。ありがとう。ありがとうっ!」
パァっと顔を明るくして立ち直る理事長に、しかし、桜は最後の釘を刺しておくことも忘れない。
「ですから、今後は、夏休みを廃止とかバカなことを言い出さないようんしてくださいね?」
「は、はい」
こうして、桜の生徒会役員としてのひとまずの責務は終わった。
かくして、彼ら・彼女らの夏休みが始まる。
【了】
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あとがき
担当マスター:
水月 鏡花
ファンレターはマスターページから!
このたびはリアクションの執筆がいつもより遅くなってしまい、大変申し訳ありません。MSの水月鏡花です。
今回は、水月が大好きなゲームが題材ということで、とても楽しく・面白く執筆させて頂きました。
プレイヤさんにもゲームに詳しい方がおられて、にんまりとしながら執筆していたのはここだけのヒミツです。
なお、ねこモンやアニマルの森のバージョンが妙に古いのは、ロートルゲーマーである水月のやることですから、どうか気づかないふりをしてあげてくださいね。
さて、今回もだいたいそんな感じ。
それでは、最後になりましたが、本作にご参加頂いたPCさん、「らっかみ!」に関わる全ての方々に深い感謝を。
それでは、また次のシナリオでお会いできることを祈って。
水月鏡花
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担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
ゲーム
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月17日
参加申し込みの期限
2022年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月24日 11時00分
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