スイーツフェアに行こう｜リアクション

スイーツフェアに行こう

【ありがとうの気持ちをこめて】

「冴来お嬢ちゃん、土産にこれを持って帰んな」
　鹿黒暖簾は花風冴来に、お菓子のたっぷりつまった袋を差し出した。
「お前さんの妹と、二人で食べりゃあいい」
「鹿黒様、ありがとう。とても嬉しいわ」
　暖簾の気持ちが嬉しくて、冴来の胸があたたかくなる。
（鹿黒様といると、まるで新しい家族ができたようで、私、しあわせだわ）
　少し照れくさいが、今日くらいはこう呼んでもいいだろうか。
（そう、ただの気まぐれだけれど。いいわよね？）
「ありがとう、私の、大切なお爺様……」
　暖簾の眉が片方上がる。
「ん？　お爺様か。ああ、腕がありゃあ抱き上げたいくらい嬉しいよ。ありがとうなァ」
　冴来を見つめかえす暖簾の眼差しは温かかった。
「私、今日は一緒に過ごせて、しあわせだったわ。またこうしてお出かけしましょうね」
「そうだな、また御供させておくんな」
　二人は微笑みを交わして、会場を後にした。

【にぎやかな出迎え】

「ただいま」
　八神修が帰宅すると、待ってましたとばかりに、犬のカーキーと猫のミルクたちが駆け寄ってきた。
「ああ、よしよし。お土産を買ってきたぞ」
　買ってきた大量のお菓子をテーブルに置き、その中から動物用のクッキーを取り出す。
　目ざとく見つけたカーキーたちが、修の手から袋を奪おうとするのを押しとどめ、器に少量のクッキーをよそってやった。
「嬉しいか、そうか。どうだ、おいしいだろう」
　見る間にクッキーは姿を消し、ミルクたちはテーブルの上をねらって、修の足をのぼってこようと前足をかける。
「こらこら、のぼってくるなよ。だめだったら」
　笑いながら修はミルクを抱き上げ、やわらかな背中をなでてやった。
「いい子にしてたら、また今度な」
　修も犬も猫たちも、とうぶんの間、おやつに困ることはなさそうだ。
　部屋に元気な鳴き声と笑い声、それと甘い香りが広がっていった。

END

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あとがき

担当マスター：瀬野とうこ
ファンレターはマスターページから！

こんにちは。
そしておつかれさまでした。

スイーツフェアには、並々ならぬ情熱とともに挑んでくださる方が多くて、
甘味には夢と幸せがつまっているんだなと再確認いたしました。

皆様たくさん食べてましたね！
穏やかで楽しい時間だったと感じていただけたなら、嬉しいです。

ご参加まことにありがとうございました！

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