ネコジマ・イン・カオス！　―ゲームの世界と溶け合いました―｜リアクション

ネコジマ・イン・カオス！　―ゲームの世界と溶け合いました―

＞コロセウム跡にて
　少しだけ時間を巻き戻し、コロセウム跡。
「ここか……」
　重戦士……響蒼留人は不思議な雰囲気が漂うコロセウムを見渡しながら静かに考える。
（たしかに、少し前まではわけが分からなくて混乱したが……慣れてくると案外しっくりくるものかもな）
　ゲームに詳しくない蒼留人は、突然の異変に当初混乱していた。しかし、周りの人間が冷静に対処し始めた事と、テオやコズエルの説明のおかげもあり「戦いのために準備しろってことだよな？」と大体の目的を理解できたのは大きい。
　それから、彼は町の異変に驚きながらも得物で魔物を倒しながら調査を行っていた。
「石の囲いに乗れば高さを利用して攻撃できるんじゃないか？　ここに敵を誘い込めば高い所から矢が放てるな……。魔法で一斉攻撃もいいかもしれない」
　幸い、結界を張るシステムのような物も起動できることを確認できた。蒼留人はほかにも工夫できないか調査を続ける。
　とそこへ単独で行動していた都が合流。
「ここに調査に来ている人もいるよね。　っと、なにか分かったかい？」
「今の所は……」
　蒼留人は作戦で使えそうな物を説明すると、都は「確かにそうだねぇ」と真面目な表情で囲いを見た。囲いには廊下があり、そこからなら遠距離攻撃が出来そうだ。
「見た所、老朽化していない。頑丈そうだから敵の攻撃を耐える事も出来そうだな」
　蒼留人の目が囲いだけでなく壁に向く。間近で見ても罅一つなく、滑ることなく戦えそうだ。しかし、彼の目にはこうも映る。
「ただ、下に降りて戦うには、ちょっと狭いかもしれない……？」
「言われてみれば、だね」
　二人はコロセウムの中央を見た。白い砂が引き詰められた戦場は動きやすそうではある。だが、少々狭く見えるのだ。
「海は凍らせる事で、戦場を広げることができた。だけど、ここは……。回廊も使えば少しはいいかもしれないが……」
　ちらり、と全部で３階まである囲いを見、蒼留人は目を細める。敵の大きさによっては、ここで戦うのは難しいのではないか、という考えが頭をよぎった。
「ん？」
　ここで都は奇妙なレバーを見つけた。不思議に思いそれを引っ張ると……、鈍い音が辺り一帯にいくつも響きわたる。よく見ればコロセウムの中心部分が広がったようだ。
「これで問題は解決したな」
　蒼留人は静かに頷き、都は予想外なことに少しだけ目を丸くしたのだった。

※最終決戦時、『コロセウム』を舞台にした場合、回廊からの攻撃も可能。中央の闘技場の広さが変わったので戦えるスペースが広がった。

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