「な、なんだこれは?!」
テオがきょとん、として辺りを見渡し、慌てた声で叫ぶ。
先ほどまでうとうとと寝子高の中庭で昼寝をしていた筈の彼は、激変していく世界に驚きを隠せないでいた。それでも嫌な予感を覚え、虚空に猫パンチ。世界は切り分けられることとなった。
まるでファンタジーな世界の光景がテオの眼前に広がる。絵本に出てくるような家々に、石造りの城。妖精らしきものが飛ぶ花壇に、竜が飛ぶ空。寝子高だってレンガ造りの屋敷に変わっている。
「え? なんで俺まで姿が変わってんだよ!」
テオに至っては二足歩行が可能な猫……いうなればケット・シーみたいな姿をしていた。ブーツにシャツにジャケット、羽根のついた帽子にサーベル……。テオは己が絵本の世界の住人になってしまったような気分になっていた。
その頃、一人違和感を覚えながら周囲を見渡す者がいた。
――
黒兎 都である。
(なんか見覚えがあるなって思ったら……SOCだの)
SOC:ソング・オブ・ケイオス
謎の不調が続き、現在は過疎化しつつあるオンラインゲームだった。ネット上の噂では『操作していたキャラクターが「バットステータス:封印」になった』とか『文字化けメールがたまに届く』などある。
製作会社は復活させるべく調査を続けているが、未だ解決には至っていない。
(たぶん、その原因は……、『界喰らいのグラトニエル』かもしれない)
都はいつの間にか自分もゲームの世界で作った己のアバターと似た姿になっていた。
「これって、ますますSOCらしくなってきたな。もしかして世界が合体しちゃった?」
不思議な事が起こっている。しかし、都はいくつもの任務を受けていたため動じない。
他に巻き込まれた人がいないか周りを見渡していると、ケット・シーみたいな姿になったテオが人々を集めていた。都は興味を持ち、そこへと足を運んだ。
「今回は、『神魂』の暴走じゃない」
テオは、都をはじめ集まった面々にそう言った。
テオ曰く、とてつもない大きな力が襲い掛かり、別の世界と寝子島が一部融合してしまった、らしい。都達に願うのは、調査である、と。
「急な変化で慌てている人を保護したり、うろつくモンスターを倒しながら、何が起こっているのか調べて欲しい」
テオの直感的に、夜明けまでは世界が分離しているらしい。その間に、調査を進めて欲しいと彼は言っていた。
だが、一部の者はどこからともなく聞こえる声に耳を傾ける。
聞こえますか? 私は、コズエル。極天使の一人です。
『界喰らいのグラトニエル』が、混霊界を食べようとして失敗し寝子島へ勢い余ってくっつけてしまいました。しかしこれを好機とし、『グラトニエル』との決着をつけるのにふさわしい舞台を選んでください。時が来たら、そこへ誘導し、決着をつけましょう。
「……え?」
その言葉に、都を含む『声を聴いた者』達の表情が固まった。
どうも、菊華です。
今回は、とてもお久しぶりの『ソング・オブ・ケイオス』ですが……リアルな寝子島がその世界に染まっています。というのも、どうやら混霊界と一体化してしまったようです。
黒兎 都さん、ガイド出演ありがとうございます。
参加する際はガイドに関係なく自由にアクションを書いてください!
◆イントロダクション:『ソング・オブ・ケイオス』シリーズとは?
オンラインゲームの1つで、時折レイド戦として、
『極天使』もしくは『魔侯爵』という強力な敵と戦うイベントがありました。
しかし、時折『ゲームの中に入り、実際に強力な敵と戦う』という現象が発生。
寝子島の住人や星幽塔の住人が巻き込まれてしまう(中には『極天使』や『魔侯爵』を操作する者も)。
次第に、『ソング・オブ・ケイオス』が混霊界と呼ばれる異世界とつながっている事、
『ソング・オブ・ケイオス』にバグを与えている可能性がある事、そして……
その世界を食べようとしている『界喰らいのグラトニエル』という女神がいる事を知りました。
※シリーズ未読でも、単発でも遊べます!!
◆今回のミッション:混霊界と一体化してしまった寝子島を調査せよ!!
行動方針としては、
1:混乱している一般人への対処
何人か巻き込まれました。テオのミスではなく、グラトニエルの力の所為です。
うまく言いくるめたりして安心させましょう。
建物の内部は安全なので、そこに避難してもらう方がよいかと思われます。
2:グラトニエルの影響を調べる
グラトニエルの影響で、黒い虚が出来ていたり、寝子島の建物が黒い物体の塊になっていたりします。
触ると痛みが走ります。虚に近づきすぎると吸い込まれますので注意。
もしかしたら『バットステータス:封印』となった人たちがいる場所に行くかもしれません。
「ひと」がここで調査をすると、より詳しく情報を得ることが出来ます。
3:最終決戦に使えそうな場所を見つける
極天使たちと魔侯爵たち曰く、グラトニエルが寝子島へ侵攻すると、
今回のように混霊界と混ざるようです(混霊界を経由してでないと寝子島に侵攻できないため)。
☆第一候補:海岸(現実の地図でいうと猫の喉あたり。G-11、H-10)
水晶の崖がある場所。退路を断つ結界を張るのにちょうどいい。
しかし、戦場にはちょっと狭く、海に何らかの方法で足場を作る必要性あり。
☆第二候補:大きなレンガの建物(現実の地図でいうと、寝子島高校。F-9)
周囲を森で囲まれており、退路を断つ結界を張るのに適している上、それなりに戦うスペースもある。
レンガの建物に避難すれば回復することも可能だが籠城不可。戦いが長引く可能性も。
☆第三候補:コロセウム跡(現実で言う寝子島スタジアム。L-8、F-8)
ここは魔法の石の囲いがあるため、周囲に被害を出さない上、退路を断つ結界を張るのに適している。
しかし、若干狭いので一度に戦える人数が限られる(石の囲いには乗る事が可能)。
下見をして、次回(対グラトニエル戦)の舞台を決められます。
情報を集めに行ってもいいですし、行かなくても大丈夫ですが調べたほうがちょっと有利になります。
※リアクション公開後、一週間の間シナリオのコメント欄にて希望を募ろうと思っております。
因みに投票が無い場合、ランダムになります。
◆独自ルール
皆さんはゲームのアバターと似た姿をしています。
ジョブについては下記の物を自由にお選びください。
迷った方はダイスを振っても構いません(その際は相談用掲示板のダイス機能、右側のダイスをご利用ください)。
選んだジョブの名前をアクションに記載してください。
①軽戦士:敏捷性に優れています。
正し、軽装なので防御力に難ありです。
盗賊や忍者なども該当します。
※おすすめ武器:片手剣、レイピア、ナイフ、弓、手裏剣など
②重戦士:防御力に優れ、体力も多めの戦士です。
反対に敏捷性は低めです。
攻撃力が高く、大きな武器を操ります。
※おすすめ武器:ウォーハンマー、大剣、両剣、戦斧など
③魔導士:攻撃系魔術と武器による攻撃が可能な戦士で、魔力が高めです。
正し、状態異常【怒り】に掛かりやすい特性があります。
あまり大きな武器や飛び道具は苦手気味ですが、派手な魔法でぶいぶい言わせたいならこれ。
※おすすめ武器:杖、短槍、両手剣、鉄扇、鞭など
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
④治癒士:治癒魔法を得意とします。
ですが攻撃方法は武器のみな上、体力が少なめです。
パーティーを影からサポートしたい人向けで、状態異常を解除できる術を持ちます。
※おすすめ武器:魔導書、巻物、杖
※治癒魔法には「傷を癒す」「状態異常を解除する」などがあります。
⑤拳闘士:器用度が高く、状態異常にも強めな戦士です。
武器の使用が制限されている上、防御力も少し少なめだったりします。
ですが、連続攻撃を決めやすいという強みがあります。
※使用可能武器:トンファー、ナックル、爪、ローラーブレード、棍
⑥歌楽士:魔導士の次に魔力が高く、状態異常や補助魔法を添付する力を持ちます。
正し、状態異常【眠り】に掛かりやすい特性があります。
サポート側に回りたい人向けです。こちらも武器の使用が制限されています。
※使用可能武器:マイク、楽器
※魔法は『火・水・風・土・木・雷・金』から属性を選びご自由に設定してください。
※使用武器が限られているジョブの方以外は、おすすめ武器以外の物も使うことが可能です。
今回、種族はリアルな寝子島に準じます。
もれいびはろっこんが使えますし、ほしびとも星の力(虹)が、あやかしもあやかし自身の力が使えます。
その代わり、ひとは暴食の女神による『侵蝕の痕』をはっきり見ることが出来ます。
それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。