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異類恋愛譚
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彼と出会ったのは、とある月夜の事だった。
全てが月明かりの下時を止めたような夜の底。森の精霊だけがその白い手足を伸ばし、気儘な散歩をする事が出来る。
三宅 葉月
の夜の逍遥は、そんな描写が相応しい。彼女は今夜も独り街を歩いていた。しかし。
突如静けさは、荒々しい怒号によって破られた。バタバタと乱れたたくさんの足音が聞こえる。気配を感じた葉月は物陰に潜み、様子を窺った。明らかに、暴力的な匂い。何かが起きている。
足音はやがて小さくなり、また静けさが戻った。しかし、葉月はすくりと立つと、路地から出ずに、逆に奥にと進み始めた。
(何かが……いる)
猛々しいのに消えてしまいそうな気配。葉月は慎重に暗い路地を歩く。するとその先に、それはいた。
(……獣人?)
葉月は暗闇の中、じっと目を凝らした。体格のいい青年が、息を荒くして座り込んでいる。血だらけの体。灰色の髪。しかしその頭には灰色の毛に覆われた、立派な三角の獣耳が覗いていた。よくよく見ればふさふさの大きな尻尾もある。
「あなた、どうしたの?」
葉月は恐れもせずに獣人の前にしゃがみ込んだ。なぜだろう。怖くはなかった。
獣人は薄く目を開け葉月を見たが、またそれを閉じ息を荒くするだけだ。葉月はその血の付いた体にそっと触れ言った。
「歩けるかしら……家に来て」
葉月の言葉に獣人は暫く呼吸を荒げるだけだったが、やがてよたりと立ち上がった。
また静けさの戻った月明かりの街を、葉月は獣人に寄り添いながら歩き出した。
*
獣人は、ロウと言った。
葉月は彼との意思の疎通が出来ると思っていなかったので、怪我の手当てをしている時に「……ありがとう」と言われ、思わず手を止め、目をぱちくりしたのだ。
その怪我はだいぶ酷いものだったが、彼は1日熱を発しただけで、あっという間に回復していった。それと同時にまあよく食べたので、葉月の家の冷蔵庫は、食料でみるみるうちにいっぱいになった。
こうして、少女と獣人の奇妙な同居生活が始まった。
少女も無口であったし、獣人もまた無口であった。
必要最低限なコミュニケート。それでも、彼らには十分であった。
お互いがお互いを認めている安心感が、そこにはあった。
なんとはなしに、葉月はロウをモデルに絵を描き始めた。
ロウは、何時間でも葉月に付き合ってくれた。そしてぽつりぽつりと己の事を話し始めた。
彼は九夜山に棲む獣人の最後の生き残りだという事。前に彼を襲ったのは獣人を捕獲して闇に売りさばくブローカーだという事。
(遥か昔に異世界と寝子島が繋がった事があったのかもしれない。そして彼の先祖は取り残された……)
葉月は少し筆を止め、考える。そしてぽつりと言った。
「大変、ね」
それまで横顔を見せていたロウが、葉月の声に真っすぐこちらを向いた。
「ああ。でもいい。こうして葉月と過ごせている」
その飾り気のない視線に葉月はちょっと息を呑む。「……それなら、よかった」と言いながら葉月はまた筆を走らせ始めたが、どうしてだろう。頬が熱かった。
あなたと食べるご飯は美味しかった。
あなたが笑うと嬉しかった。
あなたが横にいる何気ない日常が幸せだった。
だから、ずっと続いて欲しかったのに。
彼らの生活は、突然終わりを迎える。葉月の家が、襲撃者に見つかったのだ。
初めて、葉月はロウが狼に変身するところを見た。大きく美しい狼が月明かりの下、人間を相手に立ち向かう。
周囲に静けさが戻り、戦いが終わった。襲撃者達はもういなかった。返り血を浴びながら獣人の姿に戻るロウ。彼は葉月を一瞥すると、
「すまなかった」
と一言言う。そして葉月に背を向け歩き出した。
(行ってしまう)
直感した葉月は走り出していた。
「待って」
彼女の声が届いたのとロウが振り向いたのは同時だった。その彼の唇に、葉月は唇を重ねる。
「これでもう、離れられないわ」
ロウは、目の前で己を見つめる少女を抱きしめていいか躊躇しているようだった。
「―――ついて、行くから」
葉月ははっきりと告げた。ロウ。もうあなたを一人にはしない。
ロウは葉月の瞳を見つめ、静かに彼女を抱きしめる。そして二人は白銀の光の下、歩き出した。
―――世界の果てでも次元の狭間でもいい。安息の地へ行こう。二人で。
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担当ゲームマスター
KAN
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年05月20日
参加申し込みの期限
2021年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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