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四月の蒼青(あお)い空の半分欠けた月を見て彼女は笑ってる。
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キャバクラ『プロムナード』の舞台裏、いわゆるバックヤードの面積は同業種の店舗に比べれば広いほうだろう。待機室、つまり休憩室のスペースもさることながら、メイクルームもドアを挟んだ別室にあるのだから。
星太郎は九鬼姫の背を押すようにして、メイクルームの鏡の前に腰掛けさせた。
こういうとき九鬼姫は素直で、ちょこんと座って鏡に向かう。
「今日は九鬼姫ちゃんひさびさの出勤だもの! しっかりメイクさせてもらうからね~!」
「任せる」
やる気満点とばかりに指の骨をポキポキと鳴らす星太郎に、アーナンドが優しげな視線を向けていた。子どもたちが遊ぶのを見守る父親の目に近い。
「って、アーナンドちゃん?!」
気づくや電磁鞭で打たれたような顔になり星太郎は振り向いた。
「やだアタシ顔に出てる!? 露骨に贔屓してる? 人前でいちゃついてはいないわよね!?」
「そんなこと言ってないですよー」
アーナンドは首を振った。しかし星太郎は自分のなかで折り合いがつけられず、鏡の前に九鬼姫を残してアーナンドのもとにとってかえした。
声のトーンを落として言う。
「やっぱり変!?」
「変ということはないと思いますがー」
アーナンドは言葉を選ぶようにゆっくりと返したのである。
「星太さん、九鬼姫ちゃんに対しては、特にエネルギーというか、気合いを入れているように思うです。もしかして……」
言いかけて中断し、それが悪いというわけじゃないですけど、と締めくくった。
「……やだバカ、カマかけんじゃないわよ」
軽く息をついて星太郎は言った。さらに声を落としてつづける。
「たしかにアタシは九鬼姫ちゃんが好きよ、守ってあげたいわ。でも、四十超えのオッサンよ、体力も腕力も不安要素があるわ。コネとカネだけで彼女を守れるのか……正直言って不安なのよん」
「星太さん、それSeriously……真剣な考えなんですか?」
「自分では、あまりこの手の冗談はできない性質(たち)だと思ってるわ」
アーナンドが息を吸う音が聞こえた気がする。しかし彼は否定的な返答をしなかった。
「わかりました。ワタシはこれ以上言いませんよ。あとは星太さんにお任せします」
アーナンドは微笑していた。星太郎も微笑を返す。
「ふぅ、アーナンドちゃんに相談してスッキリしたわ。持つべきものは話し相手よね、同い年くらいの!」
実際のところアーナンドと星太郎は、生年月日にして二歳くらいしか差がない。
「つまりオッサン同士ということね! ザ・加齢臭!」
「加齢臭ときましたかー。娘にも言われたことないですよ」
アーナンドは苦笑いしたが、嫌がっている風ではなかった。
「うふふん、さっきカマかけたお返しよ」
さぁて! と星太郎はきびすを消す。バレリーナのごとき跳躍で九鬼姫のもとに戻った。ここからはスタイリストとしての出番が待っている。
「はぁいん、お待たせ九鬼姫ちゃん! 従者がお迎えに参りましたわよん。徹底して綺麗にしてあげるからねん」
九鬼姫には、星太郎とアーナンドとの会話は聞こえていなかったようだ。
「ほう、従者とな?」
軽く眉を上げたがすぐに表情を戻した。顔は鏡に向いたままだ。
「そう名乗ることを許す。自由にするがよい」
「任せて! 復帰祝いよ! これまででいっちばんキレイにしてあげるからね!」
九鬼姫の髪に手を入れるのは久しぶりだ。星太郎は念入りに櫛をかける。
「ちょっと髪の水気が落ちてるわ~。メンテナンスさぼってたでしょ?」
「知らぬ! ……と言いたいが、実際そうかもしれんな。色々あったゆえ」
「でしょう? プロにはお見通しなんだから」
「わかった。わかったゆえさっさと仕上げよ。いずれあんなたちが来るぞ」
「うけたまわりましたーん♪」
九鬼姫はストレートヘアが好みだ。実際、アップにしたりウェーブをかけるよりもそのほうが客受けもいい。
軽く星太郎は振り返った。気を利かせたのかアーナンドは姿を消している。メイクルームは星太郎と九鬼姫のふたりきりだ。
「今夜から復帰、って話だけどできそう?」
「できるかできないではない。わらわには、ここの仕事しかないからな」
「無理はしなくていいのよ」
「無理なぞしているつもりはないぞ」
「でも」
「どうせわらわは不人気キャバ嬢じゃ」
九鬼姫はからからと笑った。赤ちゃん用のガラガラを振っているような笑い声だった。
「指名客なんぞほぼないし、フリー客要員なら楽なものじゃて」
「……それでも、アタシは九鬼姫ちゃんが好きよ。輝いてると思うわ」
「物好きなやつじゃな。蓼(たで)食う虫とはお主のような者を言うのじゃろう」
虫であっても構わない。星太郎は意を決して告げた。
「あの、あのね九鬼姫ちゃん……もしね、もし九鬼姫ちゃんが平気なら、よ」
「なんじゃ藪から棒に?」
「今夜、店がカンバンになったらアタシは送っていくつもりだけど……そのまま元のところに戻らないで……アタシの店の二階に来て、住まない?」
九鬼姫は振り返った。
「どういう意味じゃ?」
「アタシね、とても不安だったの、九鬼姫ちゃんがいなくなったって聞いたとき」
九鬼姫は返事をしなかった。星太郎は続ける。
「もう失うのがイヤっていう、オジサンのアタシのワガママなんだけどね……アタシと一緒に、住んで」
星太郎は静かに息を吸い、吐いた。それくらいの時間があった。
「プロポーズと思われても構わないわ、だって好きなんだもの」
「星太郎」
九鬼姫は目を細めていた。しばしば十代の少女のような表情を見せる彼女だが、このときは落ち着いた、少なくとも二十代前半とわかる顔つきをしていた。
「気持ちは嬉しい。じゃが、わらわのことなら心配はいらん。恋々と同居しておるからな」
にこと九鬼姫は相好を崩した。プロポーズという言葉の意味を、どこまで理解しているのかはわからなかった。
「あの夜、黙って出て行ったときは恋々にずいぶん怒られた。実際、人さらいに遭ってしまったゆえ申し開きの言葉もないわけじゃが……ゆえに今のところ、恋々のもとを離れる考えはわらわにはない」
でも――と出かけた言葉を星太郎は飲み込んだ。はっきりとした表現ではないものの、少なくともこれは拒絶はない。かといって承諾でもないのだけれど。
「ゴメンね、変なこと言って」
「変とは思っておらんぞ」
九鬼姫の髪を丁寧に仕上げて星太郎は彼女から離れた。
「さぁて、キネ婆ちゃん所の子どもたち迎えて寝かしつけして来るわ。すぐ戻るから!」
くるりと振り返って声を上げる。黒服店員によく聞こえるように。
「ゴンちゃん! ロドちゃん! 田仲ちゃん! 今晩もきっちり頑張りましょ!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年05月15日
参加申し込みの期限
2021年05月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年05月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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