らっかみ子供電話相談室！｜リアクション

らっかみ子供電話相談室！

　かくてあらゆる疑問は解決され、あるいは解決にいたらぬまでも一応の決着を見て、ひととおりの沈静を見た。
　
（いいすぎてしまったのかも知れないわね･･････）
　おのれの回答に、半ば幽体離脱しつつ密かに頭を抱える森本女史はさておき。
　此度のろっこん事件も、一応の解決を見た･･････。

　そのとき、一本の電話が入った。

「ＰＮ、看板娘！　子供なので、子供の電話相談に電話しました！」
　
　明るくはつらつとしたその声は、明らかに子供のものではない。
　だが、有無を言わさぬ気迫が電話口からも伝わってくる。

「独身の先生方に質問です！　恋人にしたい人って、どんな人ですか？
　好みのタイプなど詳しく教えてください！」

　電話の主、宮祀智瑜のハートは燃えていた。
　寝子高の先生方が、質問に答えてくれる！
　この機会をのがしてはならない。
（この前聞いたときははぐらかされたけど、子供の相談番組なら、しっかり答えてくれるはず）

　子供の振りをして質問し、ばっちり回答をゲットする。
　普段年相応に見られないことが悩みの種の彼女、ひょっとしたら子供に思ってもらえるかも！　ラジオだけど！
「曖昧なら、突っ込んで聞いちゃいます！」

　怒濤の質問ラッシュ。
「好みのタイプはどんな感じですか！」
「え、ええと･･････」口ごもる桐島先生。
「僕はミニスカ婦警さんとかかな」
「さらりと答えないでください黒崎先生」
「好きな人はいますか！　恋愛的な意味ですよ！」
「そ、そんな･･････」
「告白するほうですか？　それとも待っちゃうほうですか？」
「う、うう･･････」
「子供らしい純粋な疑問ですよ！
　職場とかに、好きなひとはいないんですか！」
　
　すっかりタジタジの桐島先生。
　ちなみに何事か流暢に答えている黒崎先生のマイクは切られている。

「そういえば寝子高って、意外と職場恋愛がないですね･･････近すぎて気づかないってこと？」
「久保田先生、職場恋愛とかってどうなんですか」
「アーハハッハッハッハハッッッハ！　ゲハハハッハハハッハハハ！　ヒャーハハッハッハ！　ショ、ショクバ･････ヒャハハッハハ！　ブヒャヒャヒヒャヒャ」
「･･････」
　なんだかツボに入ってしまった久保田先生を、悲しそうな目で見つめる男子先生方。
「先生同士じゃなくてもいいと思います！　先生と生徒っていうのもありだと思います！
　そこんところどうですか義弘先生」
「え、そ、それは、教師としての立場が･･･…」
　しどろもどろになる桐島先生。
「近すぎて気づかないってことですか？
　はっ、もしかして義弘先生、理想が高いってことですか？」
「仕事の責任が」
「ぶっちゃけどうなんですか、義弘先生！　生徒とかって！」

「ど、どうしたらいいでしょうか･･････」
　
　すがるような目で、相談を舞華嬢に向ける桐島先生。

「目を背けるな！　質問と向き合え！」

　回答するというより、もはや突き放した状態の舞華。

「コミュニケーションができないとダメって、人生相談のネコちゃんも言ってました！
　さあ、耳をそろえて答えてください！」

　ろっこんの影響からか、熱量のすさまじい智瑜。

「はっきり言ったほうがいいよ」

　ごく無責任に言い放つ森本。

「伝えること、広めることが愛です！」

　胸を張る小萩。

「ううう･･････えっと･･････家庭的な人かな･･････」
「他にタイプは！　胸の大きさとか！」
「ええと･･････一見大きくなくて、着痩せするけど実は、みたいな･･････」

　以後数十分にわたり、寝子高講師の性癖がひたすら暴かれるという放送事故同然の事態が、人生相談において出来したのだ。
　以後、この番組は「悩み事を増やす相談室」として、一部カルトな人気を博す番組となる。

「『先日は素敵なお返事ありがとうございます。
　マイカさんに言ってもらった通り、勇気を出して告白しようと思ったのですが、やっぱりその場になると、体がすくんでしまいます･･････。
　でも、私がなにをしなくちゃいけないかはわかりました。明日こそ頑張ります！』

　というお返事を頂きました。

　――都合のいい解決なんて、この世にはないということなのかもしれません･･････。

　舞華はしずかにそう告げると、リスナーの方に向き直った。

「悩み事をなくそうとすれば、悩み事が増えていく。
　そう考えれば、悩むことこそが、生きることなのかもしれません。
　皆さんも、悩みを恐れず、人生に邁進していってください。
　

　明日って今さ！」

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！
相変わらずの変化球のガイドでしたが、それぞれの持ち味が出たリアクションになったと思います。
また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします！

「質問：ＰＢＷがもっとメジャーな趣味になるにはどうしたらいいでしょうか？」

「ＰＢＷが好きな方はゲームや読者しながら世界を妄想できる方だと思います。ライトノベルやゲームブックから勧めてみては？　オススメはリプレイ集でしょう」
「すいません檜扇様、マスターが冗談で入れた質問にまじめに答えてもらって･･････。らっかみ！のいろんなリアクションを電子書籍で読めたりするとかいいですよね･･････難しいのかな？　星幽塔シリーズとか一気読みできたら楽しいかもしれないですね･･････」
「ぐだぐだうるせーな、お前が頑張ればいいのよ」
「クリエイティブを志す人間は、休んではいけないのです！」
「ところでこのリアクション、結局私答えをもらっていない気がします！」
「皆さんもアドリブの参加、ありがとうございます･･････マスターの質問に答えてもらって、すみません。
　でもそのおかげで『作者とキャラクターが後書きで会話するあとがき』という、いつかやってみたかったスタイルができて幸せです」
　
　では、

「皆さん、ありがとうございました･･････って、なんでマスター君が！？」

　本当に終わり。
（マスター大満足です）

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