ハッピーバースデー！　４月☆｜リアクション

ハッピーバースデー！　４月☆

☆１日　先生の誕生日

　春休みの星ヶ丘を、恵御納夏朝は歩いていた。
　用事がなければ訪れることのない町で、夏朝は一人の女性を探して目を凝らす。
（何とか星ヶ丘で見つけられるといいけど）
　最近できたという苺スイーツの店に狙いをつけ、向かってみると。
　果たして黒ずくめのファッションの四十九院鸞先生を見つけた。
「こんにちは」
「あら、夏朝ちゃん、こんにちわぁ～」
　屈託ない笑顔を向けてくれる四十九院先生に、夏朝は用意していたプレゼントを差し出す。
「四十九院先生、お誕生日おめでとう！」
　先生が驚いた表情になり、それからとびきりの笑顔になった。
「ありがとう！　もらっていいのかしらぁ？」
「もちろんです」
　去年初めて出会ったときは、クローネと似た外見に警戒し疑った。
　けれど信じてみたら、四十九院先生は四十九院先生だった。
　夏朝が先生に贈ったのは、大人の女性に似合うイチゴモチーフのネックレス。
　魔除けの意味も込めて小さな水晶入りだった。
「素敵！　嬉しいわ」
　目を輝かせて、さっそくネックレスをつけた四十九院先生は言った。
「ねえ夏朝ちゃん、一緒にお茶を飲みましょうよ」
「えっ？」
　星ヶ丘のお店って高いんじゃないかな、と躊躇する夏朝。
　その気持ちを読んだように四十九院先生は微笑む。
「私に出させて。こんな素敵なプレゼントをいただいたんだもの」

　

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