今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！｜リアクション

今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！

【epilogue】

　それは猫神さまのお導きでしょうか。
　日中は学校で猫達のお世話をしていた寝子生達や、キャットロードで買い物をしていた落合まゆらさんも、いつの間にか全員が神社に集まって、宴会に参加していました。
「ユキちゃん達、元気そうでよかったね」
「ええ。恵御納さん達がすぐに必要なものを揃えてくれて助かったわ」
　夏朝さんと美野梨さんは、ジュースで乾杯しながら、お互いの苦労を労っています。
「あれ？　今気づいたけど、今日の授業ってどうなるの？」
　はたと我に返ったように気づいたのは蒼さん。
「ああ。後で確認したけど、猫の世話をしていれば出席扱いになるみたいだよ」
「そ、そうなんだ！　よかったー！」
　猫から元に戻って宴に参加していた幸次くんの言葉に、蒼さんはホッと胸をなでおろすと安心したようにお三夜さまも毛を撫で始めます。
　その隣では八割れ模様の花遊が「うまい！　うまい！」とツナフレークの残りをむしゃむしゃ食べています。
「お三夜さま、毛並みツヤツヤで羨ましいです～。狛さん達もフクフクしい。やはりブラッシングにコツが？」
　そう聞いたのはまだ酔い気味のシオさん。
　自分の髪の毛をいじりながら、ちょっとジェラシー気味な彼女に宝さんはくすくす笑い、
「美しい毛並みの秘訣はよく食べ、よく寝て、よく遊ぶことだそうだ」
　と、ろっこんで猫達の言葉を翻訳してくれます。
「さて、出席はともかく、抜けた授業の穴埋めはしないとな」
「必要なら、ノートを貸すよ。今日の授業の要点はまとめてある」
　夏夜さんと修くんは、撮った写真を確認しながら、明日以降の授業について語っています。
　二人の写真を覗き込むのは、まゆらさんと綾花さん、珪先生、そしてあおいさんの４人。
「へー。可愛いわね」
　今日買ったばかりの「へべれけにゃんこ」にちょっと似ている猫の写真にまゆらさんは思わずクスリとほほえみます。
「よく撮れているね」
「はい。とっても可愛いです」
　綾花さんと珪先生も、学校での騒動に参加していなかったぶん、写真で猫達の可愛さを満喫しているようです。
「ああ、そうだ。修君、猫の名前、一緒に考えたんだよね」
　と、そこで思い出したように、あおいさんが修くんにニコリと微笑みかけます。
　そう。昼間、修くんは、生まれてきた子猫達の温もりと命の大切さについて話し合いながら、あおいさんと猫の名前について話合っていたのです。
　と、そこで『猫の名前』という言葉にみんなの視線が一斉に集まります。
　なにしろ、ここ寝子島。
　猫好きは多く、猫の名前をつけたいという人は多かったのです。
　だから――
「ああ。昼間、俺とあおいでいくつか名前を考えたんだ。みんなの意見も聞かせてほしい」
　修くんは、みんなの視線をまとめるようにそう言って、プリントアウトした写真を並べます。
　かくして、今日の宴の総決算として、子猫の名前会議が始まります。

　そう。猫の日の長い夜は、まだ始まったばかりなのです。

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