今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！｜リアクション

今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！

【ユキちゃんと7匹の子猫】

　さて、校長室の扉の前には、噂を聞きつけたたくさんの寝子高生達でにぎわっていました。
「ユキちゃんの子猫さん達……可愛い……！」
　恵御納夏朝さんは、扉の隙間から、そっと中の子猫達の様子を窺いながら言いました。
　七匹の子猫は遠目に見ても母親似のとっても可愛い子猫達。
「校長室の猫……、僕が会うのは初めてだね。写真も撮りたいけど、まずは島の猫達をなんとかしないと」
　恵御納夏夜さんは双子の妹の夏朝さんと頷き合うと、列を外れた猫の整列や、喧嘩を始めた猫達の仲裁を始めます。
「まさか、本当に島中の猫がお祝いにくるなんて……ねぇ？」
　仙藤蒼さんは猫の行列を見たときに冗談まじりに考えた行列の理由がよもやの的中をしていたことに苦笑いを隠せない様子。
　と、そのとき列を抜け出して校長室に入ろうとした猫がいたので、蒼さんはとっさにその背中を捕まえてきちんと列に並ばせます。
　猫達の整列を指揮するのは、何も人間ばかりではありません。
『ほら、そこのキミ、ちゃんと列に並ばないと。あ、そっちのキミも！』
　猫ながらに他の猫を整列させる、お行儀の良いその猫の正体は、ろっこんの力で猫に変身した、万条幸次くんでした。
　人間よりもすばしっこく動ける幸次くんは、喧嘩の仲裁や抜け駆けする猫の制止に大忙し。
　なにしろ島中の猫がお祝いにやってきているのですから、とてもではありませんが、一匹では手がたりません。
　そこで――
『――ほら、花遊も見てないで手伝って！』
　と、白羽の矢は立てられたのが、幸次くんの飼い猫である猫の花遊でした。
『えー、オレも？』
　ちょっぴりイヤそうな顔をする花遊。
　それは神魂の導きでしょうか、この日「なんとなく来たくなった」という理由で寝子高にナンパにやってきた彼でしたが……。
『……まあ弟の頼みなら聞いてやるか！』
　可愛い弟分の幸次くんにそう頼まれては、むげにはできなかったようです。
『はいはい、ちゃんと並ぼうなー。あ、そこのお前、喧嘩は禁止だ！』
　かくして、八割れ模様の身体を喧嘩猫の間に滑り込ませ、花遊もまた大混雑の寝子高の猫達の整列にあたり始めるのでした。

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