今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！｜リアクション

今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！

【猫まみれの日】

　その日、声優専門学校の授業を終えた帰り道、落合まゆらさんはふらりとキャットロードに立ち寄りました。
「あ、またネコ」
　そこにならぶ大量の猫グッズに、まゆらさんは思わずそう呟きます。
　また、というのは、理由があります。
　声優学校に通うまゆらさんは、毎朝早起きして寝子ヶ浜海岸へと向かい、学院に向かう前のボイストレーニングを行うことを日課としていました。
　しかし、その日は、朝からやたらと猫が多く、しかもその猫達が「遊ぼうよー」とばかりにまゆらさんにまとわりついてきたために、トレーニングを中止せざるを得なかったのでした。
　そんなこんなで、今朝、海岸でのボイストレーニングをネコたちに妨害されたかと思えば、キャットロードではまたまた店頭に並ぶ大量のネコグッズ。
　そこで、ようやくまゆらさんは気づきます。
　そういえば、今日は『猫の日』だったのです。
「さすが寝子島って感じよねぇ」
　本土でもネコの日といえば、それなりにネコを取り上げるのでしょうが、寝子島のそれは気合の入り方が違っていました。
「お嬢ちゃん、ネコ好きかい？　なら、うちのネコ焼き食っていかないかい？」
「ネコ焼き……ですって……？」
　物騒な響きに一瞬ドン引くも、それはなんてことないネコのかたちをした「たい焼き」でした。
　せっかくなので一つ貰いつつ、まゆらさんはお気に入りのアパレルショップを物色。
「あ、スマホケースがセールしてる」
　ちょうど買い替えたかったところなので、ネコのスマホケースと『へべれけにゃんこ』のTシャツを買って、さらにニャレッジヴァンガードにも突入します。
「あら、また『へべれけにゃんこ』。流行ってるのかしらね」
　絵本にぬいぐるみ、レターセットとグッズの種類はまさに千差万別。
「ふぅ。ちょっと買いすぎたかしら」
　結局、まゆらさんは日めくりカレンダーを購入。
　こうして、まゆらさんは猫にまみれた午後を過ごします。