今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！｜リアクション

今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！

【全てが猫になる？】

　朝は大騒ぎだった校内も、生徒達の奮闘もあって、しばらく時間が立つ頃にはだいぶ落ち着いてきました。
　ユキと子猫達は夏朝さんと夏夜さんが持ち込んだケージに入り、おいしそうにカリカリを食べています。
　恵御納姉妹は、ケージやキャリーのみならず、トイレや猫砂、猫じゃらしからブラッシング用品まで一通り揃えてきてくれたので、ひとまず生まれてきた猫達の世話に困ることはありません。
　お祝いにやってきた野良猫達も、美野梨さんの校内放送や、他の生徒達の奮闘の甲斐もあり、大多数はお行儀良く列に並び、遠巻きにユキちゃんに挨拶をすると素直に帰っていきます。
　なかには、どうしてももう少し近くに行きたいという子もいますが――
『にゃあ（はい。こっちでちゃんと消毒してね）』
　その場合は、美野梨さんがろっこんを使って猫を説得し、消毒マットを経由させるので、母子への負担は最小限に抑えられています。
「あ、仙藤さん、そっちの子の口消毒してくれるー？」
「はい。わかりましたー」
　猫じゃらしで遊ぶ担当をしていた蒼さんは、ときおり美野梨さんに頼まれては、親子を舐めようとする野良猫の口を消毒したりもします。
「だいぶ落ち着いてきたね、夏夜ちゃん」
　と、ちょっと噛まれてしまった手の傷の具合を確かめながら夏朝さんが言えば、
「ああ。今なら少しぐらい写真を撮る余裕もありそうかな」
　と、写真撮影が趣味の夏夜さんは猫を驚かせないようにフラッシュをOFFにしつつ、パシャリとユキや子猫達を写真に収めていきます。
　そこに、休み時間を見計らって修くんもやってきました。
「子猫が生まれたそうだな。写真を撮らせてくれないか？」
　愛用のデジカメを手に微笑む修くんの隣には、廊下でばったり会った七夜あおいさんの姿もあります。
「わあ、可愛い♪」
　あおいさんは、そばに寄ってきた猫達を抱き上げて、愛おしそうに頬を緩めます。
「修君、写真撮ってくれる？」
「ああ、もちろん」
　そのために持ってきたんだとばかりにデジカメを取り出し、修くんは写真をパシャリ。
　もちろんあおいさんだけでなく、生まれてきた子猫達も怖がらせないように注意しつつ、一匹一匹丁寧にカメラに収めていきます。
　もちろん中にはまだ言うことを聞かない野良猫もいるのですが、そこには猫の姿の幸次くんが駆けつけて、
『そこのキミ、それ以上近づいたら駄目だからね。どうしても言うことを聞かないならこうだ！』
　ひょいと手足を伸ばして、いたずら猫を床に押さえつけて、そのまま外へ追い出します。
『おー、やるじゃん』
『だから、花遊も見てないで手伝って！』
　パチパチと肉球で拍手をする花遊くんに幸次くんが突っ込むと、その猫らしからぬ二匹の様子に注目が集まりますが……。
『『にゃ、にゃあ～～～！』』
　そこは、やはり仲良しの二人のこと、いかにも猫っぽい雰囲気を演出しながら頃合いを見てそそくさと校長室から退散していくのでした。