今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！｜リアクション

今日はニャンの日？　猫の日フィーバー！

【お祝いは計画的に】

　神野美野梨さんは、ユキちゃん母娘の健康の心配をしていました。
「小さな子猫に野良猫たちが群がるって、衛生的にも母猫の精神的にも悪影響が大きいと思うわ」
　美野梨さんは、野良猫達には親猫子猫達に舐めたり触れたりさせないようにできないものか、と校長室前に集まったお友達に相談しました。
「せっかくきたのに追い返すのは可哀そうだし、かといってせっかく生まれた子猫達や母親に何かあったら大変だもの」
　そう言って、眼鏡のレンズ越しにちらりと猫達の様子を窺う美野梨さんの瞳には、猫を愛する慈愛の光に満ちています。
「うん。僕もそう思う」
「同感だね」
　と、応じたのは、同じく猫大好きな恵御納姉妹の夏朝さんと夏夜さん。
「ほのぼのした気持ちになる光景だけれど、まったりと眺めている場合じゃなさそうね……」
　蒼さんは、そうこうしている間にも、扉の隙間から飛び出そうとする猫をとっさにキャッチしてもう一度列に並ばせます。
「猫達一匹一匹に直接話しているとキリがないから、放送室の設備を借りられないかしら。ろっこんを使えば、猫達にもちゃんと親子に直接触れない理由を説明できると思う」
「あと猫さん達のお世話をする道具も必要だね」
「ああ。とはいえ、七匹か。おめでたいことではあるけれど、全てを校長室だけで育てられるかどうか…。里親探しを検討する必要もあるね」
「あと、煮干しとか猫じゃらしがあれば猫の気を引けるんじゃないかしら」
　一人より二人。二人より三人。そして三人より四人。
　みんなでアイデアを出し合えば、自ずとそれぞれのやるべきことは決まってきます。
「じゃあ、僕はケージやフードなどを調達してこよう」
　猫好きの夏夜さんは、猫達を今すぐに写真に撮りたい衝動をグッとこらえて、スマホに必要そうなものをメモします。
「あ、それなら野良猫達を消毒するグッズも買ってきてもらえるかしら。どうしてもお祝いしたいって子がいた場合も、消毒すればリスクは減ると思うし」
　美野梨さんの言葉にコクリと頷く夏夜さん。
「僕も行くよ、夏夜ちゃんだけに負担させるわけには……！」
　と、夏朝さんも一緒に用具の調達に向かうことにします。
「じゃあ私は放送室に向かうわ。校長先生、いいですよねー？」
「ほっほっほっほ」
　雨宮校長がOKサインを出すのを見て、美野梨さんは急いで放送室に向かいます。
「じゃあ、私はそれまでなんとか列を崩さないように頑張るわ」
　そして、蒼さんはさながら猫ならべゲームに挑戦するように、テキパキと猫達の整列・喧嘩の仲裁を続けていくのでした。

このページにイラストを設定する