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今年もばっひゅ~ん! 笑っちゃう?
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【いつのひか】
今日のメニューは、きゅうりとちくわのしそ和え。ごぼうとれんこんのきんぴら。ネギ入り出し巻き卵に、具材たっぷりな煮物。菜の花のお浸し。なんてヘルシー!
丹精込めてこしらえたそれらを、お弁当箱にひとつひとつ収めていきます。もちろん愛情のトッピングもたっぷりです。
箱が埋まるたび、
御巫 時子
の胸にも満ちる充足感。美味しそうに食べる彼の顔を想像するだけで、思わずほっこりしちゃいます。
「……あら」
開け放った窓からひゅうん、と吹き込む風。桃色をしたそれを眺めて時子はほわり、微笑みます。
「春ですね……」
できあがったお弁当を鶏柄の巾着にそうっと入れたら、準備万端。
「ヨタカさん、雷鶏さん。行ってきますね……」
同居鳥たちは今日も元気にちちち、コケー! と鳴いて、時子を送り出してくれました。
澄み渡る青い空と鳥たちの声。それだけで足取りは軽くなって、ピンクの風はひゅうと吹いて時子の髪を揺らしました。
お昼休みに
尚輝先生
へお弁当を届けにいくのが時子の日課であり、至福の時間です。
「ああ、これは春らしいですね」
ぱかっと蓋を開ければ、散りばめられた春の趣き。尚輝先生のお顔も華やぎます。
「煮物の人参さんは、桜の形にしてみたんです……菜の花のお浸しと、先生の好きな出汁巻き卵も入ってますよ……」
「本当だ。嬉しいな。それじゃ、いただきます」
ぱくり、桜型のにんじんをひと口。いつもこのひと口めが、時子にはどうしてもどきどきしてしまいますけれど。
「うん、美味しいです」
「良かった……」
ピンクの風は渦巻いて、小さくぽわ、ぽわっと、まるで花咲くようにいくつもいくつも。尚輝先生がお弁当に舌鼓を打つたび、他愛のない会話にふたり笑むたび、ぽわ、ぽわわ。
先生がお弁当をつまむかたわら手をやり、コーヒーを飲むビーカーの形をしたカップは、時子がクリスマスにプレゼントしたものです。先生が口をつけるたび、なんだか意味もなく胸が高鳴って、ぽわぽわわん。
「いつも美味しいお弁当をありがとうございます」
「いえ……食べてもらえるのが、嬉しいから」
「そういえば、新しいクラスはどうですか?」
ふと尋ねたその声色は何気なくも、ちょっぴり心配そうな響きもあって、時子は目をぱちくり。
今年から、なんと尚輝先生は時子のクラス担任なのです。毎朝教壇に立つ尚輝先生を見られるのは、眼福です。
ただ後列窓際の席から教壇までは少々遠く、まだ名前を覚えられないクラスメートたちの並びが、立ちはだかる壁のように思えてしまったりもします。
「早く、皆さんとも……仲良くなりたいですけれど……」
「大丈夫ですよ、御巫さんなら」
これまた何気ないお言葉。けれどそれだけで、
「……はい♪」
胸が軽くなってしまうから不思議です。桃色の風もほわほわほわわ!
「そういえば……教室の窓辺に、シジュウカラが来るんです。先生は、見えましたか……?」
「へえ、気がつきませんでした。このあたりに巣があるのかな」
「そうかもしれません。シジュウカラは木のうろや、家の換気口などの人工的な穴にも、巣を作ってしまいますから……」
「なるほど。それじゃ今度やってきたら、僕にも教えてください」
言われて、時子ははたと首を傾げます。愛らしい小鳥がやってくるのはたいていホームルーム中か、授業中なものでして。
今の席と先生のいる教壇は離れているのに、どう教えてあげたものでしょうか?
「……それじゃあ……今度、あの子がやってきたら」
想像したらちょっぴり、頬が熱くなってしまいますけれど。
「目で、合図します……」
「目で?」
「はい……目で」
授業中に、秘密のアイ・コンタクト。ふたりだけの秘密の合図。
「……よ、よろしくお願い、します……」
前髪に隠れた瞳が慌てて泳ぐのを想像して、時子はくすり。
と、そんな動揺が、手を震わせたのでしょうか?
「お、と、と……ああっ」
「あぶない……!」
ビーカー型マグカップが尚輝先生の手のひらをぽん、ぽんっと跳ねて、空中へ。
大切なプレゼントです。思わず、ふたり、同時に手を出して……はっし!
「……あっ」
「あ……」
ひとつのカップに、ふたつの手。もつれた指が、まるで恋人つなぎのように絡まって。
ぴたり真正面。見つめ合うふたり。
「……私……」
「時子……さん?」
思わず胸から、こぼれ落ちました。
「好きです……」
しまった、と時子は思いました。
押さえきれなかった。思わず漏れてしまった。退き返せない線を越えてしまった。お腹の奥がきゅうと締め付けられて、全身が凍り付いてゆくような感覚。
言ってしまった。ついに、言ってしまった。
伝えてしまった。尚輝先生に。はっきりと、正面から。
けれど、こうなったら……このまま……留め置くには大きくなりすぎてしまったこの気持ちを、今ここで……。
「……鳥さんが」
「え。あ。え? あ!」
震える指で窓枠を差せば、ホウホケキョ! シジュウカラではなく、ウグイスでした。
「あ、ああ! 鳥が。鳥ですよね。ははは、そうですよね」
「そ、そうです。鳥なんです……」
鳥も、なんです。ついつい足したくなってしまいましたけれど、今度はこらえました。
尚輝先生のお顔があんまりにも赤いもので、時子はなんだか、かえって冷静になることができました。
「……ふふ。今は、それで」
「そう……ですね。おっと」
ウグイスはひょいと窓枠から跳んで、尚輝先生の頭の上にとすん。
まんぞくげにくつろぐ愛らしい姿と春の陽気を、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴るまで、ふたりで楽しみました。
いつの日か、その時が来たら。
時子の胸に、春陽めいて、想いはやわらかく。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
『笑おう!』シナリオ、第二回目のリアクションをお届けいたします~。
とにかくとことん、手を尽くして皆さまに幸せになっていただこうというシナリオですけれど、今回はどちらかといえば日常的なシーン寄りにまとめてみました。
壮大で美しい異世界で目にも鮮やかな風景を覗くのも良いけれど、気がつけば隣りにあるような、ちょっとした幸せもまた良いものですよね。
そんな、ささやかだけど染み入るような幸せなワンシーンを、楽しんでいただけましたら幸いです。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました。
また次のシナリオでお会いできますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年02月17日
参加申し込みの期限
2021年02月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年02月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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