this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【新年度】夢に向かって、羽ばたいて
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
【秘されしは】
あの頃夜毎に貪っていた快楽がまるで児戯に思えるような。いいえもちろん夜の作法や駆け引きについての講釈ではありませんし、ましてや人体の限界を追究するなどという下世話なテーマを掲げているわけでもありません。
朝鳥 さゆる
を巡るストーリーとはつまるところ、『愛』にまつわる物語です。陳腐に聞こえるでしょうか? けれど彼女にとってはそれが全て。そうと自覚するにしろ、せぬにしろ。
愛を求め、愛に溺れ、愛に裏切られ、愛に翻弄され。それがさゆるのストーリー。
古今東西の物語を紐解けば、その輝きを支えるものは常に生と死、愛と憎です。不死身のヒーローが悪を挫く活劇であろうと、恐るべき災害を逃げ惑うパニックスリラーであろうと、物語とは等しくそれら枢要によって成り立ちます。生死愛憎を欠くシナリオは薄味で艶もキメもないケーキのごとく、決して傑作たりえません。無論それらを主題に据えたとて、必ずしも素晴らしくなるわけではありませんけれど。
さておき。さゆるはどうしようもなく愛情を求めながらに、いざそれが与えられようとすれば受け止め方に惑い拒絶する、そんな少女です。大人びていても17才の女の子だし、経験豊富な美女然としていても、純粋なのです。
ともかくも……その時さゆるの脳裏に浮かんだのは、年下の女の子のような年上の女性。目下さゆるにとってもっとも身近な大人であろう、彼女のあけっぴろげな笑みでした。
寄るな、でもなくウザイでもなく、ただただ憎悪に満ちた平手打ち。小気味よく鳴った頬を押さえたまま、
葉利沢 倫理子
、正しくはMaliceはしばし呆けてさゆるの背中を見送ります。
なぜだろう。こんなにも愛情を注いでいるのに。疑いの余地もないほど伝わっているはずなのに。
(あの女のせい?)
さゆるとの夜毎の絡み合いも今はお預け。彼女は今、あのナントカいう女の家に転がり込んでいるようです。まみ子だったか、じゅんだったか。そんなありきたりな名前の女のところに。あの女のことは以前にずいぶんと調べたはずだったけれど、詳しくはすっかり記憶から抜け落ちてしまって思い出せません。知っている、その事実をさゆるへ伝えたことで、もう役割を終えたと思っていたので。その程度のつまらない女だと思い込んでいたので。
喧噪あふるる往来であることも忘れ、Maliceは嫉妬に焦がれ狂います。やっぱり本当に、あの女を『そうする』べきだった? さゆるはなんだかんだと弱いから、支えを失えば簡単に折れるに違いない。けれど無気力なさゆるを抱く味気無さを思えば、Maliceといえどいくらか胸が痛みました。
(なによ。さゆる。いつもみたいに貴女と過ごしたかっただけなのに)
寄り添い合って街を歩いて、アパレルショップに並ぶトレンドカラーなど物色し、ステッラ・デッラ・コリーナあたりでディナーをいただいてから、ふたりだけのスイートへ。夜も朝もと絡み合い、貪り合うつもりだったのに。ただそれだけなのに。
自分がそう多くを望んでいるとは思いません。あくまで自分にとっての幸福を追求しているだけ、それが他者にどう映ろうと。
だってそれさえ手に入らないのなら、自分はなぜ生まれてきたのだろう? Maliceとは何者だというのだろう?
倫理子には手に入らないからこそ、自分は澱みより浮かび上がったはずなのに。
「……ち」
よほどに険しい顔をしていたのでしょう。Maliceの美貌と目に見えるその怒りを今まさに天秤にかけようとしていたらしいナンパ男へ、訝しげに見守る衆目へ、Maliceは文字どおりに唾を吐きかけます。
「こっち見んなゴキブリども、見世物じゃねえぞ! 夢見てんじゃねえ、おい、てめえごときクソ虫に手に入る女と思ったか? あ?」
ついでのようにナンパ男の金的へ一撃加えてやったのは、つまらない思索に耽って何秒か、さゆるを追いかけるのを忘れた自分への怒りの転嫁です。くずおれた男の後頭部をヒールに敷いて、
「身の程知りな、チンピラが。底辺カス男にも手の届く安い女を探すのね」
蹴り飛ばし。
次の瞬間にはそんな行いも意識の外へこぼれ落ちて、ひたすら彼女を求めます。まだそう遠くへは行っていないはず。
「私、鬼ごっこは得意なんだよ? 愛しい子」
あの白い手のひらに張られた頬が今さらながらに熱を帯びてMaliceを苛みましたけれど、その本当の意味に気づくのは、今はまだ。
「ん・ふ・ふ♪」
人生、つまりストーリー。そんなものを語らせたら、
胡乱路 秘子
の右に出る者はいないかもしれません。
「いらっしゃいませ、朝鳥さん。ずうっとずうっと、お待ちしていたんですよ」
「……? あなた、誰」
もっともさゆるは、秘子をよく覚えておりませんでしたけれど。
ふと目について……というよりMaliceから逃げるように訪れたのは、とある女性下着のお店。市販品からオーダーメードまで扱い、手の届かないほど高級ではなくさりとてスーパーのバーゲン品ではおよびもつかない、そんなお手頃価格が魅力のランジェリーショップでした。
店員であろう制服を着た女性、なんだか変わった名前の彼女はにたり、客を出迎えるにはいささか胡乱な笑みを浮かべて、さゆるを店内へ導きます。
「夢を見たことがおありでは? 時に鮮烈、時に甘やか。時に切なく、時に人の本性を鋭く抉り出す。不思議で素敵な……朝鳥さん、あなたは素晴らしいアクターさまでしたから。わたくしずうっと、お待ちしていたんです」
「よく分からないけど。ともかく、少しかくまって。厄介な女に追われているから」
「まあ、それは怖いですね。んふふふふ」
そう、奇妙な深夜番組と、そのストーリーテラー。さゆるはそのさなかに巻き込まれ、淡々と番組の提供する奇怪なあれこれをやりこなし、時に彼女の過去を追ったこともありました。
いつか、思い出すでしょうか。
「では朝鳥さん、奥へどうぞ。さてさて、朝鳥さんにお似合いの下着は~っと」
「ちょっと……少しいさせてほしいだけで、買うつもりはないんだけど」
「あら、ここは下着屋さんですよ。そしてわたくし、店員さんです。さ、どれからお試しになりますか? んふふふ♪」
いそいそと楽しそうに、秘子はさゆるの身体へ赤やら青やら、シックなものやフリルがひらひらなのやらを合わせ始めます。聞く耳持たずといった接客態度に、さゆるは眉をひそめましたけれど。
「ただお待ちになるのもつまらないでしょう? 人生には時に、『無駄な時間』だって必要なものです。特に朝鳥さん、あなたには。そうは思いませんか?」
「……知ったふうに言うのね」
非難するような響きにも、にーんまり。
とはいえ確かに、今すぐに出ていって、またMaliceに捕まるのも面倒です。さゆるは肩をすくめて、秘子の採寸に身を任せます。
これまで考えたこともありませんでした。
なぜこうまでさゆるに執着するのだろう、と。あの子のなにがこうまで自分を狂おしく惹きつけるのだろうと。
倫理子として抑圧された欲求の具象化たるMaliceなのだから、この偏執はMalice自身によるものなのでしょう。
ならば、その対象がさゆるでなければならないのは? その理由は? なぜ?
「……さゆる?」
このおそるべき直感もまた、執着心がゆえに……なんて、きっと単なる偶然でしょうけれど。
「ち。もう来たの」
「さゆる、その格好……」
刹那にMaliceは、呑まれてしまいました。美しさに。艶めかしさに。この完璧さときたらどうだろう。
繊細な刺繍が施されたレースの上下は透け感たっぷりで実にセクシー。控え目に主張する各所の小さなリボンと純白は、さゆるの持つ危うさとあどけなさの同居をつぶさに表現しているようにも思えます。程よい露出はMaliceを煽情するばかりではありません。さゆる本来の魅力を損なわず、あたかも包み込み凝縮したかのように、彼女の立ち姿はMaliceをとらえて離しません。
なんて……なんてこの子は、きれいなんだろう。
「ふ……ふふ。さゆる。探したんだから」
「探さなくていい」
「つれないのね。そこがまた可愛いのだけど。ねえ、店員さん?」
Maliceの視線には、こんなに素晴らしいさゆるの姿をひとりじめしていた店員への嫉妬や羨望も少なからず含まれておりましたけれど、秘子はにたりと笑って意に介さず。
「んふふ。いらっしゃいませ、葉利沢さん……ではないのでしたっけ? あら? お久しぶりですものね」
「さあ、どうだったかしら。それより楽しそうね、私も混ぜてくれない?」
憮然としたさゆるを奪い去るように抱き寄せ、Maliceは秘子にコーディネートを請いました。
テーマは、
「私たち、夜毎に愛し合う仲なの。だから……ね?」
「まあ素敵。んふふ……それでは、おふたりの気分を高めるようなものを、いくつかお選びしましょう。楽しいですね♪」
なるべく布面積の少ない、透け感もましましなセクシーランジェリーをいくつも着たり着せたり、着せ合ったり。ひとしきり楽しんだ後、結局ふたりはそれぞれに輝くブラックカードを提示して、その全てを購入したのでした。
今夜はきっと溶けるほどに熱く、激しく、眠れないことでしょう。
傑出した物語とは常に生と死、愛と憎によって成立し得るもの。
なんのことはなくて、Maliceの理由は単純明快なのでした。なにしろさゆるという少女が記す物語は、常にそれらの全てを孕んでいるのですから。
虚ろな存在に過ぎないMaliceは、かけがえのない存在を認識するでしょうか。
さゆるはこれからも物語を紡ぐでしょう。人として当たり前の欲望を、渇望を、彼女は何者に求めるのでしょうか。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【新年度】夢に向かって、羽ばたいて
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年02月05日
参加申し込みの期限
2021年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年02月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!