Escape！｜リアクション

Escape！

「はぁ……はぁ。もう大丈夫そう？」
「っ……！とりあえずはな」
「二人共、大丈夫？」

サキリは心配そうに二人を気遣い、エレノアは手持ちのボトルを開けて水を撒いて、ろっこんで水を入り口天井まで浮かせた。無言で作業をするエレノアを不思議そうに三人は眺めていると鬼の気配がした。

鬼が部屋に侵入してくると同時にエレノアはろっこんを発動させて水を浴びせた。そしてすかさず粘着剤化して拘束すると首元をしめて、飛び散っていたガラス片を首へ突きつけた。

「トドメを刺しましょう。ほら銃を出して？」

ミドリに視線を向けた、エレノア。
鬼の女の子は、ミドリから視線を外さない。

「嫌よ」
「ははは！言うと思いましたよ。でも貴方がこのガキを殺さないと私がこいつをメッタ刺しにしますよ」
エレノアは持っていたガラス片を軽く押すと血が滲んだ。

「なら、私は最初にあんたの眉間に一発入れるわよ」
ミドリは銃を構えた。
「それはジョークですか？ガキを助ける仕事をしたいからって協力した私を殺す？笑えますね？早く！このガキを！殺せよ！」
エレノアが激高したの瞬間に、ミドリは迷いなく銃を放った。
銃弾は、エレノアの肩を掠めたのと同時にミドリはエレノアの頭目掛けて飛び蹴りすると彼女はその場に倒れた。

「サキリ！女の子を拘束して！」
「わかった！」
鬼である女の子はサキリが再び拘束して、気を失わせる。

「えーっと……。どういう状況？」
「私の人選ミスね。―――とんでもない子に助けを求めちゃったわ」

蹴られて、うずくまったエレノアだがすぐに立ち上がる。

「呪いをかけてあげましょう。ミドリさん、貴方はこの先、絶対子供を殺してしまう。必ずね」
「私ってサイコにモテるのかしら？」
ミドリの発言に、エレノアが肩を竦めてその場から去ってしまう。

（こんな平和な街でもあんな子っているのね）

「本物のサイコだな」
「引きが良いのかしら？」
「……それは違うよ、ミドリ」

三人が真剣に話していると、その場に着信音が鳴る。
それはミドリを狙った女の子のポケットに入っているスマートフォンだった。
真琴は、無言で通話ボタンをタップしてスピーカにする。

『愛しい息子の真琴？たった今ゲームが終了した。お前達の勝ちだよ』

『やり過ぎなんだよ、クソ親父』

『ははは。遊びにも手を抜かないのが大人なんだ』

『この街をぶっ壊した責任とれよ』

『それは依頼主が負担する契約だから』

『慶介は？そこにいるの？』

『君とは話したくないって』

『あっそ』

『愛は複雑だね』

『殺意はシンプルなんだけど』

『恐い女だ』

『は！じゃーな。―――とっととくたばれ』

もう一度、画面をタップした真琴。
慶介により提案された規格外の「鬼ごっご」はこうして幕を閉じたのである。

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あとがき

担当マスター：星野千景
ファンレターはマスターページから！

初めまして、星野千景と申します。
この度は、本シナリオ『Escape!』に参加して頂きましてありがとうございます！

シナリオのテーマは「ぶっとんでいて、爽快で面白く」と「抗う人」をテーマにしていました。
わちゃわちゃと、時には喧嘩もしながら、コメディな部分も多く取り入れてみましたがいかがでしたでしょうか…？
無事、ミドリと真琴は各々の未来に進むことができたのではないかなぁと思っています。
「誰の言いなりにもならない！」と婚約者や親に抗う二人の様に
こういう人って案外、多くいるのでは？と考えていました。
（巻き込まれる方はかなり大変ですが…）

また今回は、どういう風にリアクションを執筆するのか迷った部分もありましたが
運営スタッフ様の助言を得まして、前回と同様に楽しく執筆することができました★
いつも、本当にありがとうございます！

最後となりますが、本作に参加して頂いたユーザー様
本作をご覧頂いた方、運営スタッフ様に改めて感謝を申し上げます。

感想等、ありましたら是非お待ちしております^^

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