【お花見】逢ひ見んことは命なりけり｜リアクション

【お花見】逢ひ見んことは命なりけり

　翌朝。
　本当に狭いベッドだった。
　少女趣味の内装も気に入らない。アニメのポスターとか、これみよがしに貼ってあるところにも辟易した。
　おまけに部屋は煙草くさかった。しかもメンソール系、うんざりする。
　けれど。
　Maliceは身を起こした。猫のように音もなくベッドから滑り降りた。
　眠る裸の女ふたりを見おろす。なお、全裸なのは自分も同じだ。
　――けれど、いつになく燃えてしまった。
　悪くなかった。いや、正直、かなり良かったといっていい。さゆるにあんなに乱れたところを見せたのはたぶん初めてだ。
　思い出すだけで自分の敏感な部分が疼（うず）いてくる。
　手早く服を着ると、Maliceはじゅんの部屋を後にした。振り返り見上げたが、やはり表札は入っていなかった。

　電車の中でMaliceはメールを打った。
　宛先はさゆるだ。着信音で目覚めればいい。
『私からさゆるを奪うじゅんを殺す殺す殺す絶対殺す！！』
　ふたりでこの文面を読めばいい。

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