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【お花見】逢ひ見んことは命なりけり
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さっきのダンスのお姉さん(アリサ)、飛び入りなのにすごいパフォーマンスだった。手足が長くて自在に動いて、めくるめく動きで視線を集め、会場の熱をうんと高めてくれたように思う。
おかげでやりやすくなったけど、そのぶん無様な歌は披露できなくなりました――。
でも大丈夫、喜矢武あいおは自分に言い聞かせる。
姉さんが寝子島で偽名として使っていたこの名前、分離した僕がしっかり引き継いでみせます。
名を襲名した者として……意地悪く言うなら名を奪った者として、最高の舞台にしてみせます。
手慣れているように見せたい。聴かせたい。
僕が今までも、ずっと活動してきたかのように。
そんな風に振る舞うと、姉さんとふたりで決めたんですから。
いいかい? という目を寝子サンマが向けてきた。彼は全身かぶりもののゆるキャラ、当然まなざしが変化するはずはないのに、まちがいなくアイコンタクトできるのが不思議だ。
あいおはうなずく。
オーライ、とあいおにだけ分かるようにうなずくとサンマはマイクを取ったのである。
「さあ次は今人気急上昇中のMewTuber、喜矢武あいおの登場だぜっ!」
ためらいは無用だ。
照れだっていらない。ステージの上では邪魔なだけだ。
だからマイクのハウリングなんてかき消す勢いで、桜イメージの濃紺と緋色のステージ衣装をひるがえしあいおは駆け出した。
「キャンモーニン! 喜矢武あいおですわ!」
大きなな声だが決して耳ざわりではない。天に突き抜けるほど強力で、うっとりするほど甘い響きのハイトーン、動画配信でいつもやっていたあいさつだから、ごく自然に出すことができた。
「サンマさんご紹介ありがとうございますっ! 力いっぱい歌いますわ!」
と言って左手を水平に伸ばすと、あいおの登場を待っていたMewTubeファンだろうか、「あいおちゃーん!」「あいおー!」と少なくない声援があちこちから巻き起こった。
けれどもあいおが探すのは、たったひとりの姿だけだ。
すぐに見つかった。
真正面。
最前列だ。
姉さん――アイオがいる。
姉さんが見ていてくれてます。
これだけでもう、このステージは問題ないとあいおは瞬間的に思った。
けれど、
「……」
アイオのまなざしは沈んでいた。
笑顔を作っており、がんばって、と言っているのだろうとわかった。それでも悩んでいると直感的にあいおには理解できたのだった。
フルカラーの光景を前にしているはずなのに、アイオの座っている場所だけモノトーン映像のように見えた。
曲のイントロが流れ出す。
歌い出さないと。
惑う心を面には出さず、あいおはマイクを握り最初のフレーズを歌い始める。何百回となく歌ってきたおなじみのフレーズ、考えなくたって歌詞が口から出てくる。
でも。
これじゃない。
これじゃ足りない。
ワンフレーズ歌いこなすともうたまらなくなり、あいおはステージ階段を駆け下りていた。これもパフォーマンスだと思ったのか、客席の手拍子は勢いを増す。
大半の観客は知らなかった。このときあいおが笑顔ではなく、追い詰められたような表情をしていたことを。
ごめん、やっぱり僕が代わりにはなれない!
アイオとあいおは二人でいたい!
「姉さん、一緒に歌いましょう!」
マイクのスイッチを切って叫ぶ。あいおはアイオに手を伸ばした。
「あいおちゃん!?」
はっとなりアイオは顔を上げた。このときまでアイオは、あいおがすぐそばに来ていることに気がついていなかった。
「さあ」
あいおはアイオの手をつかむ。条件反射のようにアイオは握り返す。
あいおはアイオを強引に立たせ、走ってステージにひっぱりあげた。
「あいおちゃん!? でも」
アイオは首を振る。
「喜矢部あいおが二人になってたらマズイですわ! 人間とほしびとのアイオたちは姉妹じゃないし……」
早口で告げるもあいおは笑顔でうなずいた。わかってます、と言うかのように。
あいおは同じマイクをアイオにも握らせ、一本をわかちあうようにする。
「サビメロですよ」
あいおはそっとつぶやくと、マイクのスイッチを静かに入れた。
印象的なサビ、心に突き刺さるようなあのメロディだ。
するとどうしたことだろう。アイオの声帯も震えだし、あいおと同じ歌詞を口にしたのである。水晶のように美しく透き通った声で。
やっぱりアイオも歌が好きなのですわ。
この歌が。
どの歌も。
喜矢武あいおのすべての歌が!
唱和すると歌声は二倍だ。キャッチーで印象的なフレーズを歌い紡ぐ。
あいおはメインのまま、アイオはすばやく切り替えて下のキーで歌った。これがポップスの魔法、たちまちハーモニーはユニゾンとなり音楽は、これまでになく立体的な情景を描きだす。歌声が柱となり梁となって、輝く水晶の宮殿を組み上げた。
まさかの展開に観客は総立ちだ。つぎつぎと立ち上がってコーラスに加わる。
「ご紹介させていただきますわ!」
コーラスがやみ間奏に入ると、すぐにあいおは声を上げた。
「飛び入り参加したのは姉です!」
一番驚いたのはアイオだ。なにか言いかけるもあいおは遮るように、
「そういう事にしといて下さい!」
マイクを手早く切ってささやくとアイオの左手を右手で握った。左手は大きく空に向けて振り上げる。
「初披露となります! 二人あわせて」
ええと、と短く逡巡したもののすぐに名称が頭に浮かんだ。
「あいおシスターズですわ! この二人で今日から……今から、活動開始するのですわ!」
こうなったらアイオも合わせるしかない。
「そ、そうなんですわ! 今日は妹のデビューライブだったけど、姉も参戦しちゃったのですわ!」
言ってみると悪くないアイデアに思えた。
いや、悪くないなんてもんじゃありません。最高ですわ!
「これからもアイオとあいお」
「あいおシスターズを」
交互に台詞が出てくる。当然打ち合わせなんてしていないのに息はぴったりだ。リードするのはやはりアイオだ。アドリブなら得意だから。だてに生配信はやっていないのだ。
「よろしくお願いいたしますわ!!」
声を重ねて言い切る。勢いで宣言したようなものだが、これが自分のやりたかったことだと、アイオも、あいおも理解している。
二番のフレーズがはじまった。
歌いはじめはアイオ、これをあいおがリレーする。
うっかり勢いでやってしまったことかもしれない。でもあいおは後悔していない。
これでいいんですよ。
目で『姉』に語りかける。
アイオは受け取って、やはり目で『妹』にメッセージを返した。
これでいいんですわね。
かくしてアイオは、もうしばらく寝子島での生活、彼女いうところのネコジマライフを楽しむことに決めたのだった。引退? もちろん取り消した。
以下は少しだけ未来の話になる。
翌日早々Mew Tuber上の『あいおチャンネル』は『あいおシスターズチャンネル』へとリニューアルする。
姉がやっていたアカウントを妹が引き継いだということ、それを登録者に説明せず入れ替わろうとしていたことのお詫びと、今後はデュオとして活動することについてのメッセージもしたためられていた。
なお姉、つまりアイオのプロフィールはこの時点ではまだ『秘密』だらけである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月16日
参加申し込みの期限
2021年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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