this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
春の声聞く、『somnium』ストロベリーフェア。
1
2
3
つぎへ >>
◆Sat. 10:00 a.m.
さてその日、
御巫 時子
がsomniumを訪れたのはちょうど、朝の空気が気持ちの良い頃合いだった。お目当てはもちろん、この土日に開催するストロベリーフェアである。
いつもその日の仕入れなどによって微妙に品ぞろえの変わるsomniumだが、春先のこの時期は特にその種類が増える、と時子は思う。ましてフェアとなれば果たしてどれほどのスイーツが並んでいるのか、想像するだけで楽しみだ。
ゆえに弾むような足取りでsomniumの店先へとやって来た時子は、からん、と古風なベルの鳴る扉を慣れた仕草で開いた。
「おはようございます」
「あら、いらっしゃい」
そうして、いつものように挨拶しながら店に入った時子に、ショーケースのカウンターの向こうに立っていた伊都子さんがにっこり微笑んだ。それに軽く頭を下げると、ふわ、といちごの香りが鼻腔をくすぐる。
お店に入ってすぐに感じた、甘酸っぱくて柔らかな香り――それを胸いっぱいに吸い込むと自然、時子の顔がほっこり綻んだ。そうして笑顔のままでガラスケースを覗き込み、さて今日は何を頼もうか、と考える。
せっかくストロベリーフェアに来たのだから、やはりいちごのスイーツは外せない。けれどもガラスケースに並ぶスイーツは定番のショートケーキはもちろん、いちごのシフォンやピスタチオをあしらった春色のストロベリードーム、或いはいちご寒天にいちごプリンと、思った以上に種類も豊富で何を頼むか悩ましい。
しばらくうんうん悩んで時子は、苺たっぷりのタルトとストロベリージュースを注文する事にした。ふんふんと注文を聞いた伊都子さんが、タルトの乗ったトレイを渡しながら「ジュースは後でお持ちするわね」と微笑むのに頷く。
そうして、まだ空席の目立つカフェスペースに足を踏み入れた時子は、少し考えてから窓際の日差しの暖かな席に腰を落ち着けた。春の柔らかな彩の美しい景色を眺めていると、程なく伊都子さんがストロベリージュースを持って来てくれる。
「ごゆっくりしてらしてね」
「ありがとうございます」
にっこり微笑んだ伊都子さんにお礼を言って、時子はさっそく、ストロベリージュースに口をつけた。見るからに濃厚そうに見えたそれは、こく、と一口含めば想像以上の甘みと酸味、そうして潰された果肉の舌触りが心地良く、喉へと通り抜けていく。
後味は、それでいて爽やか。瑞々しい苺の味と香りが、まるで身体の中を一涼の風となって吹き抜けていくかのよう。
(これは……生ジュース、でしょうか……?)
その甘く爽やかな感覚に、時子は胸の中で問いかけるように考えた。シロップやエッセンスを使ったのではない、苺そのものを潰して仕立て上げたのだろうジュースは、とても新鮮で美味しい。
ふふ、とほっこり微笑んでから、時子はフォークを取り上げた。それを、つやつやの苺がたっぷり乗った宝石のようなタルトにそっと差し込んで、一切れ口へと運ぶ。
うん、と軽く目を見張った。たっぷりと乗せられた甘酸っぱい苺は春のような爽やかさで、それが土台となるクリームと驚くほどマッチしている。
それらを支える器となっているタルト生地は、しっとりしつつもサクサクとした軽やかな食感で口の中で解け、つよく自己主張をしないながらも確かな存在感で全ての味をまとめ上げていた。美味しい、の一言に尽きる。
文字通り『口福(こうふく)』なひと時を噛み締めながら、タルトを味わってはストロベリージュースを飲み、交互に口中に訪れる幸せに目を細めていた時子は、ふとその手と口を止めて軽く手を挙げた。
「理子さん」
「はい! ……あ、時子さん」
そうして声をかけた時子に、声をかけられた理子は手にしていたトレイを胸に抱えて、ぺこん、と頭を下げる。今日もお店のお手伝い中なのだろう、彼女は休みの日にはほぼ毎日、こうして祖父母のお手伝いをしているから。
パタパタと軽い足音で近づいてきた、彼女にまずは「おはようございます」と微笑んだ。そうしてそっと、心持ち声を潜めて尋ねたのは、実は理子に次に会ったら聞きたいなとずっと楽しみに思っていた事。
「――バレンタイン渡せたんですか? 気になってたんです……」
「……!!」
その後の結果が、と小声で付け加えると理子の表情が、パッと嬉しそうに輝いた。これは、聞くまでもなく良い結果だったようだ。
ゆえに、こくりと首を傾げて微笑みながら待っていた時子の前で、ようやく言葉をまとめたらしい理子が「えぇと」と口を開く。
「渡せました! あの、本番もちゃんと上手く作れて……その、ほんと渡しただけなんですけど……ただのクラスメイトだし……あっ、お返しにクッキー貰ったんですけど!」
「良かったです。私も、好きな人にチョコテリーヌを食べてもらったんですよ……ホワイトデーにお返しも貰って……」
「!! 時子さん、凄いです!」
自分の話となると照れくさいのか恥ずかしいのか、しどろもどろだった理子はけれども、時子の『戦果』を聞くと途端に目を輝かかせて、トレイを握る手にぐっと力を込めた。何を貰ったんですか? と尋ねる彼女に手作りの小鳥の飴を、と告げると理子の顔が、すごーい、と少女らしい好奇心に輝く。
幸いまだそれほどお客様も居なかったせいか、伊都子さんがそんな孫娘に「りっちゃん、少し休憩なさいね」と声をかけ、理子の手からトレイを取り上げて行った。それに顔を見合わせると、
「はーい、おばあちゃん」
「ありがとうございます、伊都子さん」
それぞれに頭を下げるとまた、のんびりとガールズトークに花を咲かせ始めて。
そんな風に過ごすうち、気付けばテーブルの上のスイーツは、すっかり姿を消していた。どちらからともなく「じゃあ……」と終わりを切り出して、理子はテーブルの上の空いた食器を下げがてら、お店の手伝いへと戻っていく。
その姿を見送って、時子も静かに席を立った。食後のデザートを買って行こうと、再びガラスケースの前に立って少し悩んでから、いちごのショートケーキを購入する事にする。
(――帰ってから食後まで、このケーキの誘惑に勝てるでしょうか?)
つやつやとした苺が美味しそうなショートケーキは、見ているだけでも実に魅力的で、タルトを食べ終えたばかりだというのにともすれば、するっとお腹に収めてしまえそうな心地がする。いけない、とショートケーキから目を逸らし、時子がもう1つ購入したのは、苺の焼き菓子セットだった。
と言ってもこのお菓子は、時子自身のために購入したのではない。コーヒーに合わせるお菓子として、彼女の好きな人に食べて貰おうと思っている。
(喜んで頂けると良いのですけど……)
五十嵐 尚輝
先生の顔を想い浮かべて、時子はほっこりと微笑んだ。そうして2つのお土産を大切に手に持って、家路へとついたのだった。
1
2
3
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
春の声聞く、『somnium』ストロベリーフェア。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月10日
参加申し込みの期限
2021年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!