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2月、春に向けて
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春の声聞く、『somnium』ストロベリーフェア。
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◆Sun. 20:30 p.m.
「今日も一日お疲れさま」
そんな言葉と共に
志鷹 若菜
が弟の元を訪れたのは、忙しかった1日が終わろうという頃だった。
「佑都。今からお夕飯食べに行かない?」
「いいね」
そうして姉の告げた誘いを、
志鷹 佑都
は快諾する。こまごまとした後片付けを終えて、仲良く向かった先は姉弟の馴染みのお店、『somnium』だ。
日曜日、しかも夜とあってか店内には、ちらほらと思い思いの席に座る客が見えるだけだった。そんな中で、少しも疲れた様子の見えない老夫婦は、訪れた姉弟の姿に常と変わらぬ、穏やかな微笑を浮かべる。
「いらっしゃい」
「こんばんは」
「お邪魔します」
柔らかく紡がれた挨拶に、若菜と佑都はいつものように挨拶を返した。それから、そうだ、と若菜は高明さんに向き直り、先日はありがとうございました、と頭を下げる。
先日――バレンタインの少し前に、彼女は高明さんにチョコ作りの相談をした。そのアドバイスのお陰で無事、バレンタインに美味しいブラウニーができ、弟と大切な方に喜んでもらえた、その報告とお礼を言いたかったのだ。
そう語る若菜の話を聞いて、それは良かった、と高明さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。そんな姉の傍らで、佑都は伊都子さんから受け取ったお品書きを開き、本日のメニューを確認する。
ストロベリーフェアと銘打っているだけあって、目の前のガラスケースに残っているスイーツはもちろん、カフェメニューも苺尽くしだ。それらに一通り目を通して、うん、と1つ頷き佑都は若菜に声をかけた。
「苺のパンケーキが美味しそうだね。今日はこれにしようか」
その言葉に、どれどれ、とお品書きに目を走らせた若菜もまた、にっこりと笑んで頷く。そんな姉に微笑み返し、佑都は伊都子さんに向き直るとパンケーキを2つと、自分用にコーヒーを注文した。
若菜さんはどうなさる? と柔らかに尋ねる伊都子さんに、ぱらぱらとドリンクメニューを見た若菜はフレーバーティーを注文する。
出来たらお持ちするから座ってらして、という言葉に頷いていつもの席へ移動し、少し待つとパンケーキと飲み物がやって来た。それに礼を言うと共に手を合わせ、「いただきます」とまずは飲み物に手を伸ばし。
コーヒーの馥郁とした香りを楽しんでいた佑都は、ふと向かいで上品に紅茶を頂く若菜の姿を見つめ、しみじみと思う。
(……綺麗になったな)
以前よりふとした仕草が婀娜やかに見えるのは、佑都の気のせいだろうか? そんな佑都の眼差しに、だが気付かず若菜は喉を通る紅茶の味に、満足に目を細めた。
疲れた心身に文字通り染み渡っていくかのような味わいに、日々の苦労も嫌なことも、全て溶けてゆくような心地がする。ふぅ、と息を吐いてティーカップをソーサーへと戻し、次に手を伸ばしたのはパンケーキだ。
苺のピューレが入ったピンク色のふわふわの生地の、可愛らしさに顔を綻ばせながら一切れ、そっと口に運んでまた、その味わいに目を細めた。そこでようやく弟の視線に気付いた若菜は、おや、と小さく首を傾げる。
「――どうしたの?」
「……綺麗になったなって思って」
「……!」
そうして尋ねた彼女の言葉に、思いがけず真っ直ぐに向けられた称賛を聞いて、若菜は思わず頬を染めて視線を逸らした。その照れる姿も可愛いらしくて、佑都はそっと目を細める。
――元々、若菜は美人だと思う。そうして佑都の知る限り、髪や肌、仕草を大切にしていた。
だが、だから――という以上に今の若菜は、とても綺麗になったと感じられたのだ。これが恋の力、なのだろうか……?
そう思いを巡らせる佑都の眼差しの先で、若菜は逸らした視線の行く先を定めかねたまま、ほぅ、と小さな息を吐いた。それは恥じらいと――喜びの色が強い。
――恋人と出逢ってから、自分の身体をもっと大切にするようになった。美容液は髪や肌に優しいものを意識するようになったし、服や下着、メイクはたとえ会えなくても、彼を意識して選ぶようになって。
それに何より――
(生まれたままの姿を『綺麗だ』なんて言われたら……)
知らず、ほんのりと頬を染めながら甘い物思いに耽る。佑都の言うように自分が綺麗になったのだとしたら、そうしてくれたのは間違いなく、恋人の愛だ。
彼がくれる甘い刺激が嬉しくて、みだれる姿ですら美しく在りたいと、思う。彼の瞳に映るどんな自分も、彼にとって最高に美しい、特別な自分であって欲しい。
そう――思いを巡らせていた若菜の瞳が、ふと翳った。ちくりと痛む心を、胸の上からそっと押さえる。
己が幸いを噛み締めるたび、若菜は弟への『自分だけ満たされている』という罪悪感をも意識せずには居れなかった。それは常に心の片隅に在って、こうして彼女を苛むのだ。
先日、涙ながらに恋人の傷の深さを弟に伝えた時には、佑都はただ黙って若菜の身体と心の傷を、暖かな両腕で包み続けてくれた。それなのに――そんな思いに苛まれている、若菜の胸の内をその表情から悟って佑都は――微笑んだ。
「若菜。俺のために、自分の幸せを我慢する必要はないよ」
そうして穏やかに、確かな言葉で伝えたのは、己が胸にある偽りない想い。だって佑都は心から、若菜達に幸せで――笑顔でいて欲しいと思っているのだから。
これ以上彼女が、自分を気遣って苦しむことがないように。どうか暖かに幸せに、曇りのない笑顔で居てくれますように。
「……恋人のこと教えてくれて、すごく嬉しかった」
そう、衒いなく微笑む弟が本心からそう言ってくれているのが、解って若菜はその思いやりにまた、涙が零れそうになるのをぐっと堪えた。佑都に今返すべきなのは、涙でもなければ謝罪でもないのだと、理解(わか)った。
だから若菜はまなじりに滲んだ雫をそっとぬぐい、「ありがとう」と精一杯に微笑んだ。
「ありがとう、私と彼を大切に思ってくれて。……優しいあなたと生まれてくることができてよかった」
そんな、姉の笑顔に佑都は静かに瞳を細め、こちらこそ、と微笑みを返す。――その気持ちはもしかしたら、佑都も同じだったのかも知れない。
長女として育った姉が、上手く両親や弟妹に甘えることができずに居た事を、佑都はずっと感じていた。だからせめて恋人には、その分もたくさん甘えて、お互いにとってお互いが心安らぐ居場所であってくれれば良いと、願う。
それが、佑都の幸せ。彼女が幸せになってくれる事が――辛い過去と傷を抱えた姉の恋人と、そんな恋人に寄り添う若菜の大好きな眩しい笑顔が、ずっと続いてくれることが、自分自身の何よりの幸せだと、思う。
だから。
「私……幸せになるね」
そんな言葉と共に微笑む若菜の言葉に、佑都はただ微笑みを返し続けたのだった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
そして、水無月の不調によりリアクションのお返しが大変遅くなってしまいましたこと、本当に申し訳ございませんでした……
春先の苺尽くしを楽しむ物語、いかがでしたでしょうか。
皆さまのイメージされた穏やかな時間と甘いスイーツの優しさが、少しでもリアルに感じて頂けたらと、頑張って執筆させて頂きました。
大変お待たせしてしまいましたせいで、季節もちょうど苺と桜が楽しい頃合いとなりまして、4歳息子が6粒1000円の(水無月家にとっては)超高級苺を購入してきた時には『これを決して無駄にはすまい』と心に誓ったものです(何
皆さま、楽しそうなひと時のアクション、本当にありがとうございました。
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月10日
参加申し込みの期限
2021年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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