そのお店『somnium(ソムニウム)』は、シーサイドタウン駅から少し離れた、ちょっと裏路地のような、けれどもどこか洒落た雰囲気を持つ通りの一角にある。
取り扱っているのは色んな雑貨や、アクセサリー。それから店主夫婦が毎日心を込めて焼いている、焼き菓子やケーキの類。
雑貨類は店主夫婦が気に入ったものだけを取り寄せたり、時には手作りをして売っているとかで、素朴だけれども優しい雰囲気のものが多い。それはともすれば、売り物ではなくそれ自体が店を彩る装飾にも感じられる。
ガラスケースに並んだケーキや焼き菓子も、それは同じ印象で。並んでいる種類は多くないけれども、1つ1つ丁寧に作られたお菓子はとても優しげな趣きで、お店の雰囲気にしっくりと馴染んでいる。
3月も半ばになると、まだまだ寒い空気の中にも春の訪れを予感させる、暖かな日差しが確かに感じられるようになってきた。かと思えばいきなり白いものが舞うような寒さに支配される日もあるのだけれど、それもまた季節の移り変わりの醍醐味。
幸いにして、この週末はぽかぽかと暖かな日和が続くと天気予報で話していた。そのせいか、店内のお客さまは心なしか、いつもよりものんびりしているようにも、心浮き立っているようにも見える。
そっとカフェスペースへ耳を澄ませてみれば、聞こえてくるのは密やかにざわめく笑い声や本のページをめくる音、それから――あれは寝息?
「あらあら、お風邪を召されなければ良いのだけど……」
「理子、膝掛を持って行って差し上げなさい。――はい奥さん、ケーキの追加だよ」
心配そうに呟いた
木原 伊都子(きはら・いつこ)さんの言葉に、ご主人で店主の
木原 高明(きはら・たかあき)さんが穏やかな微笑と共にそう言った。あら、と微笑んでプレートに並べられた様々なイチゴのスイーツを見る伊都子さんの横で、孫の木原 理子(きはら・りこ)が「はーい」と膝掛を手に寝息の元へ向かう。
そんな孫に「りっちゃん、静かにね」と声をかけてから、伊都子さんはいそいそと受け取ったスイーツをガラスのケースに並べ始めた。
本日のスイーツは、そろそろ旬を迎えたイチゴを使った、イチゴ尽くしのストロベリーフェア。この週末の土日はいつ来ても、たっぷりのイチゴを使ったスイーツがお客様を可愛らしく待っている。
ストロベリーケーキにイチゴゼリー、イチゴの焼き菓子にストロベリージュース。あとは苺大福や苺入りの牛乳寒天、とにもかくにもイチゴづくし。
思いつく限りのイチゴスイーツを作るパティシエの高明さんの顔は、いつもと変わらないように見えるけれども実は、活き活きと輝いている。そんな高明さんが実は苺が大好きだという事は、理子すら知らない伊都子さんだけの秘密なのだった。
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
季節はすっかり冬に突入してしまったような気がする今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、気付けばちょっと久しぶりな気もします、『somnium』というカフェ兼ケーキ屋さん兼雑貨屋さんでのんびり過ごしませんか、なシナリオです。
おひとりで、またはどなたかとご一緒に過ごす、お休みのひと時。
のんびり、と言いつつもちろんおしゃべりに花が咲いても、あるいは物思いにふけっても、はたまたひたすらスイーツを堪能しても、どのような過ごし方でも大歓迎です。
『somnium』のケーキや焼き菓子は、カフェスペースで食べていくことも、そのままお持ち帰りすることも可能です。
カフェスペースをご利用の場合は、先にお席を確保してからガラスケースの所で頼んで頂く事も、お席までご注文をお伺いに行くことも出来ます。
飲み物もセットで頼んだり、もしくは飲み物だけのご注文でも問題ありません。
ケーキや焼き菓子、飲み物のメニューは、一般的なカフェにあるものはたいていあるとお考え下さい。
一般的ではない場合でも、店主夫妻にご相談いただければお出し出来る場合もあります。
その辺りはどうぞお気軽にお声がけください。
雑貨コーナーではこの季節、春めいた小物やアクセサリーなどをご用意しております。
こちらのご用命がある方も、ぜひ。
アクション頂く際は、お手数ですがご来店の曜日と時間帯をご指定頂きますと、水無月が大変助かります。
曜日は土曜か日曜、営業時間は9:30~21:30(21:00ラストオーダー)となります。
また、個別描写(ご参加のPCまたはGA参加の方のみでの描写)をご希望の場合は、アクション内に【S】とご記載下さい。
※ご記載のない場合でもご来店のお時間帯によっては個別描写となってしまう場合があります。ご了承ください。
【登場NPCについて】
木原 高明(きはら・たかあき)さん&木原 伊都子(いつこ)さん
『somnium』の店主夫婦。
ご主人が定年を迎えた後に夫婦揃って寝子島に移り住み、趣味を一杯に詰め込んだお店を開いたという。
歳を重ねた今も、海外や国内各地に旅行に赴いては、あちらこちらで仕入れてきた雑貨なんかをお店に並べていたりします。
髪に混じった白いものも目立つお年頃ですが、どこか可愛らしいような、優しい雰囲気が親しみやすい、とご近所では評判だとか。
皆様との関係は無理のない範囲で、常連客など、ご自由に設定して頂いて構いません。
木原 理子(きはら・りこ)
寝子島高校普通科1年3組。
出身は西の方なのだけれど、祖父母が大好きなあまり、一緒に暮らすために寝子校に通っている。
学校生活は順調な様子。
休みの日は『somnium』でお店のお手伝いをしている事が多い。
皆様との関係は無理のない範囲で、クラスメイト、常連客など、ご自由に設定して頂いて構いません。
【過去の『somnium』シナリオについて】
過去の『somnium』シナリオも知りたい、という方はこちらをご覧ください。
もちろん、ご覧にならなくても問題なくお楽しみ頂けます。
『somnium』へようこそ!
『somnium』で紙ねんどスイーツを。
『somnium』のチャイナな一日。
『somnium』に灯すエッグキャンドル。
『somnium』でのクリスマス。(準備編)
Good Day!!~『somnium』~
冬と、蜜柑と、『somnium』。
『somnium』に揺れるキーホルダー。
甘いお菓子を貴方のために。~『somnium』
それではお気が向かれましたら、どなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願い致します(深々と