猫鳴館へいらっしゃい！｜リアクション

猫鳴館へいらっしゃい！

☆帰る前に

「さて、最後に地下の温泉を案内しようか」
　簾の言葉に、新入生たちが興味津々という顔つきになった。して
「くれぐれも気をつけてくれよ」
　簾は新入生にヘルメットを渡し、先頭に立ってはしごを下りていく。
「え……洞窟？」
「元防空壕につながってるんです」
　加代が説明する。
　その言葉通り、かなり広い空間が広がっていた。
　不思議な世界に迷い込んだようで、圧倒されている新入生たち。
「こっちだ。裏寝子温泉へようこそ」
　簾は新入生たちを手招きした。
「水着着用で混浴になってる。女子更衣室もちゃんとあるぜ」　
　カッポーン。
　湯気の向こうで鹿脅しの音が響く。
「すごい……」
「秘湯ですね。マニアが喜びそう」　
　当初に比べ湯量は増えているから、十分に温泉として楽しめる。

　やがて地下から戻った新入生たちに、まうは尋ねる。
「どう……？　住む気になった？」
　まうの質問に、新入生たちは顔を見合わせた。
「もし帰るのなら……無理強いはしない。どの寮等に入るか・住むかが自由なのも寝子高の良さだから。猫鳴館で一緒に過ごせないのは残念だけど、寝子高生が他の所に住みつつ寝子高の生活を楽しむのならまうはそれでもいい」
　なんと返事をしようか迷っている様子の新入生たちに、まうは続ける。
「ただ……帰る前に大切なお願いを１つだけ」
　まうの言葉に、新入生だけでなく加代や美野梨も視線を向ける。
「ここの事……壊そうとだけは、しないで。お願い」
　猫鳴館を寮と認めていない学校からは、これまでにも取り壊しをしようと働きかけがあった。
「館に住む人には、館の事が大好きな人も多い。まうも……猫鳴館が気に入ってるから、住んでる。誰かが館を壊そうとするなら、まうはその誰かを許せない。だから……このお願いだけは覚えて帰って、ね」
　真剣に話すまうに、新入生たちは頷き、答えた。
「約束します」
「ここを壊すの、もったいないもんね……」
　簾は、明るい笑顔で新入生たちに告げる。
「ま、困ったことがあったら何でも力になるぜ。考えてみてくれよな」
「よかったらチラシ、ほかの人にも渡してください」
　加代も残ったチラシを手渡すのだった。

　にぎやかに帰っていく新入生たちを見送りながら、簾は思う。
（たくさん仲間が増えるといいな）　
　愛すべき猫鳴館は、どんな寮生もどんな不思議も受け入れ、皆を一つにしてくれる家だ。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：天村花海
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございました。
今回見学側のアクションがなかったので、ＮＰＣのみの見学となっていますが、皆さんの猫鳴館への愛情はしっかり伝わっていることでしょう。

猫鳴館は書ききれないほどの不思議や冒険が詰まっていますので、サードシーズンから新一年生キャラとして楽しまれるのもお勧めです。
現寮生主体で動きたい場合、Ｘキャラを作る手もありますね。

それでは、またご縁がありましたらご参加お待ちしています。

↑ページトップに戻る