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時を奏でよ、オルゴール
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【
エレノア・エインズワース
】
自死は少女の贖罪であり、日記帳は悔恨の吐露だ。今さらながらに、未央には彼女の気持ちが理解できた。
理解できたというのに……少女は壁を滑るように落下し、激突した室外機に緩やかな回転を与えられながらやがてコンクリートへ失墜し、柘榴めいて自らを解放する。幾度となく繰り返した、もはや営みとも呼べるルーティーンを再びなぞり、やがて時は巻き戻る。
振り出しへと引き戻され、未央は乾いた声で問うた。
「どうして、こんな……」
「どうして? どうしてって、ねえ。だって私は、貴方を助けるつもりなんてこれっぽっちもありませんし。何を勘違いされていたのか知りませんが、私は貴方の友だちではありませんよ?」
やはり。やはりか。未央は歯噛みした。
これが
エレノア・エインズワース
。そうなのだ。結局は。もっと早く確信へ至るべきだったのに。
「いやあ、アハハ。いえね、ループ中の記憶がうっかり戻ってしまいましたかね?」
白々しく言う。まだ演技を通すつもりか。いや、全て分かった上で、仕上げにかかるつもりなのだろう。
未央を折るために。
「さて! これは詰みではありませんか、犬飼君? だって私ですから。こういう時の私って、どうしても横やりを入れずにいられないんですよねえ。そう、何度繰り返したってね、さあどうしますか? 犬飼君? タイムリミットは10分間、その間に私を無力化して自殺を止めてみますか? まあ理解しているでしょうが、不可能ですけどね。私はそこまで無防備ではありません。とはいえ悲嘆に暮れる必要はありませんよ? なにせコンティニューは無限ですからね……ああ! こんな時にはそう、いいセリフがあるじゃないですか?」
未央の胸先へ指を突きつけ、可憐な少女の口角がぐいとねじ上がる。
「『捕まえた』ってね。何を呆けた顔をしているんですか? 貴方のキメゼリフじゃあないですか、ハハハ!」
今が人生最良の時とばかり、エレノアの嘲笑は終わらない。
白く血の気が引くまで、未央は拳を握り締める。
どうする。どうすべきだ。この囚われた時から脱するためには。
詰み? そうなのか。この手に改造釘打ち機はもはやないし、あったとして10分のうちに彼女を打ち倒すことができるのか?
そもそも。穿つのか? 目の前の彼女を? 彼女のどこを? 自らの意思で?
囚われたのは時間のみならず、思考までもがねじれた円環を成してゆく。無理なのか。どうあっても。この上はもう、負けを認め懇願するしかないのでは。プライドや自尊心はどこかに置いてきたように思う。そんな権利が自分にあるだろうか。幾人も傷つけた。その贖罪も十分では無かっただろう。
これはその、罰なのだろうか。
「……僕は」
その時。
傍らで、相棒が吼えた。
「おや、なるほど。そういやいましたね、犬。見えないんで失念してました、ハハハ」
ルクスの存在が離れたことはない、片時も。いつだって側にいてくれたし、支えてくれていた。今この瞬間もまた。
唇を結ぶ。はっきりと敵意が伝わるよう、真っすぐに見据えた。
「僕は……あきらめない。何度でも挑戦してみせる。あの子が救われるまで」
「そうですか、まあ無駄ですよ。とはいえ私もそろそろ飽きてきましたし、仕上げに入りましょうか」
未央をやり込めることが目的だったのだろう。目論みは外れたはずだが、エレノアが口惜しく顔を歪めることは無かった。
代わりに彼女は、階段を登る。そろそろ再び10分が過ぎる頃だ。少女もやがて屋上へ姿を現すだろう。
「ま、要するにね、自罰意識なんですよ。彼女は自分で自分を縛っているのに過ぎない」
「分かってる……」
「そうですか、へええ。ともかく少年の死が事故であったことは明白で、少女がひどく取り乱していたのもあり、誰もが彼女を裁こうとはしなかった。少年の遺族でさえもね。全く人格者というやつは、ハハハ!」
ひらりと、エレノアは先ほど見つけたらしい日記帳の最後の1ページを掲げて見せた。そこには少女の自意識が克明に刻み込まれている。
エレノアと未央には目もくれず、少女は階段の脇を登ってゆく。焦る必要はない。もう数分、彼女は身を投げるまでに逡巡するはずだから。
「思慮と優しさこそが、少女の幼い精神をずたずたに切り刻んだ。彼女の望みを誰も叶えようとはしなかった」
「あの子をよってたかってなじるべきだったというのかい? 周囲の人々が間違っていたのだと? 僕はそうは思わない」
「しかし現実として、少女は屋上から身を投げた」
オルゴールが鳴る。ルクスがおんと吼えた。少女は迷いを断ち切る。自らを罰することにかすかな安らぎを覚えながら落下してゆく。
その直前、最後の10秒間。エレノアは。
「ま、少し決断を遅らせるだけなら簡単です。外的要因で引き留めればいい。そのためのヒントは日記の中にありましたからね。ねえ貴方、……君の遺族の方が、貴方と話したいそうですよ?」
少女は見開いた目で振り返る。希望と絶望と、入り交じった複雑な感情に濁らせた瞳でエレノアを見、そして未央を見て。
ルクスが天へとひとつ吠え声を上げた時、オルゴールは歌い終えてカチリと鳴った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月26日
参加申し込みの期限
2020年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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