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急に山脈 ~飛ばされてここはどこ~
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――冒頭に戻る。
(こんな時こそ、冷静に対処しなくては)
彼は目星をつけていた岩影を見つけると、サキリへ声をかける。
「大丈夫か?」
「まだ、大丈夫だ」
サキリは答えながら、内心で苦笑する。
(高山病は、初めてだな。中々きついね)
今まで様々な神魂現象と戦ってきたサキリ。だが、彼は……それらよりもこの時が一番過酷かもしれない、と考えた。
(水分を多めに取ろう。薬も飲んだ。どうにか……)
だが、体が鉛のように重く息苦しい。
「! 酸素ボンベありました!!」
何かないかと荷物を探っていた時子が2本の酸素ボンベを持ってくる。まゆにそれを与え、ゆっくり吸うように指導する。だが、吹雪は強くなっていく。
「岩壁は近い! ポーラスターの今いる方向にみんなで行こう!」
そういいながらも、彼は頂上をにらみつけた。
(もう少しで、手が届くんだ)
一度一塊になると、彼は先導する。
「もう休む場所は見つけてあるんだ。あとちょっとだぞ」
ゆっくりとだが、仲間たちが岩壁に進んでいく。その足音を耳に、一馬は傍らのサキリに問う。
「行けるか?」「ああ」
サキリは、しっかりと相槌を打つ。まゆは時子の力を借り、少しずつ先を行く。
(まさにこれは、大自然と人間の戦い……)
文明と切り離された極地で、肉体と精神を試されている、と実感する。
「こうして、今まで先人たちは自然に挑み続けてきたのだろうな」
「そうだろうな……」
サキリの言葉に一馬も同感なのか、しみじみと呟く。そして、吹雪に立ち向かいながらも、しっかりと岩壁の、チームメンバーが余裕を持って入れそうな壁にたどり着いた。だが……そこで二人足りないことに、気付いてしまった。
疲労の蓄積と寒さで、幸次は半ば雪に埋もれていた。白い世界の中、彼はにっこり笑っている。
「なんだ、帰らなくてもここに真っ白な布団があったんだ。何で……気付かなかったんだろぅ、ねぇ……」
風の音か、そのうねりの中に自分を呼ぶ声が聞こえてくる。
「おいっ! 何寝てんだ!! 死ぬぞ!!」
「おやすみ……。ねぇ、ルークも寝ようよ、あったかいよ」
「だから、これは雪なんだ!! 起きろ、幸次!!」
ルークが幸次の頬を強く叩く。何度も、何度も。そのうちに力は弱くなり……嗚咽に変わった。
「なんでこんな所で寝ちまうんだよ……」
幸次は、安らかな顔で、力尽きてしまった。
――そして、ふっ、と音を立てて消えてしまった。
涙を流すルークとともに。
そして、岩陰に来た一同にも変化があった。薬の効果もあり、サキリとまゆは徐々に回復し始めたのである。とくにまゆは登山の際使える小型の酸素ボンベのおかげで回復が早かった。
「サキリ君がくれた薬と時子ちゃんの酸素ボンベのお陰ね」
もちろん、助けてくれたみんなも、と礼を述べる。
猛吹雪は、その日一日続いた。だが、一同は漸く止んだ朝に気付く。山頂まであと少しであることに。
確かに、幸次とルークがここにいない。その現実が何を意味するのか、分かっている。だが、涙を流す時ではないのだ。
「あの2人の分の心、一緒にもっていくわよ」
蛇那伊の言葉が、重くしっかりと腹に響く。疲れの中、一同は気合を入れなおした。
『己の限界を超えて山頂にピッケルを刺すことができたら、感動も一際だろうね』
サキリの言葉が一馬の脳裏をよぎる。
「あと少し……いくぞ」
彼の言葉に、一同が頷き……最後のアタックが幕を開ける。
――標高2000m付近、山小屋。
「ふぅ~~~」
「ふぅ、じゃない」
リタイア判定となった幸次は炬燵でぬくぬくして一息つき、涙で目を真っ赤にしたルークは恥ずかしさも相まってハリセンで彼に一撃見舞っていた。
「夢見たかとおもったら、山小屋にもどったんだ。ちょっとびっくりだよね」
「俺の場合は、巻き込まれてなんだがな」
2人はそういいながらもいつの間にか用意された暖かいコーヒーとブラウニーを口にしつつテレビのモニターに目が釘付けになっていた。
映るは山頂付近。乙女ゲームの妄想フル回転モードの碧南が足を踏み外しかけるが、そこを偶然サキリに助けられて事なき終え、蛇那伊と肩を並べて尚輝と時子がすがすがしい顔で歩を進めていく。
「いよいよ、だね」
「そうだな……」
幸次とルークが見守る中、テレビのモニターの中で一馬がピッケルを見せる。
「いくぞ」
そう言って、彼はサキリにそれを手渡し、刺せ、と頷く。だが、彼は一馬にも手を添えるよう言った。まゆが、「ほら」と一馬に促す。
一馬とサキリは頷きあって、ともにピッケルを刺した。すると、山頂からまばゆい光があふれ、すべて白に染め上げる。
――あーあ、終わっちゃった。
そんな子供の声を最後に、彼らは……それぞれの寝床で目を覚ましたのだった。
目覚めた寝子島のもれいびたちは、寝子島の九夜山が元の大きさに戻ったことをテオの声で知った。もれいびを通じて聞いた一馬は、「そうか」と優しい声で頷いたのだった。
(終)
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あとがき
担当マスター:
菊華 伴
ファンレターはマスターページから!
菊華です。
少々お待たせして申し訳ありません ようやく完成しました。
このシナリオを考えた際、初めは
『「急に」山脈と化した九夜山にどう立ち向かうか!』
と熱くシリアスに、ストイックに山を攻めるものにしようかとも考えたのですが僕自身がそこまで詳しくない上にちょっと地味かな、と考えました。
色々考えた結果、『ノリと勢い』で押し切ろうとなり、こうなりました。
今回はみなさんにこちらの称号を送ります。
【急に登山家】
取得:登山グッズ一式(朝、目が覚めたらお部屋にありました。今回のシナリオ内で使用したもので、調べると一流アルピニストが認めた最新式です)
個別コメントもご確認ください。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
菊華 伴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月19日
参加申し込みの期限
2020年11月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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