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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
急に山脈 ～飛ばされてここはどこ～
結：ラストアタック ――最後の一撃は、――
白い世界の中、高峰 一馬は僅かに歯噛みした。
（山は、天候が変わりやすい）
近くでは、高山病になってしまった相原 まゆが苦しそうにしており、傍らでは健康面に気を配っていた御巫 時子が酸素マスクをまゆに与えている。傍らにいるサキリ・デイジーカッターもまた、ちょっと辛そうだ。もしかしたら、彼もまた高山病になっている可能性もある。
（くっ、何故見誤った……）
一馬はぐっ、とこぶしを握り締める。だが、悔やんでいる場合ではないのだ。誰かが頂上へ行かなければ、神魂のいたずらは終わらないのだから。
――数時間前――
キャンプを片付け、登る準備をしていた時の事。まゆが少しぼんやりした表情を浮かべていた。
「先生、どうしたんですか？」
心配になり羽生 碧南が声をかけるも、まゆは大丈夫、と首を振る。
「ちょっと夢見が悪かっただけ。健康面には問題ないわ」
「無茶はいけないけれど……」
と、尾鎌 蛇那伊も彼女を気遣う。
一方、空の様子をみていた一馬と五十嵐 尚輝は難しい顔をしていた。というのも、天候が微妙なところだったからである。
「吹雪く可能性は、ありますね……。ここ当たりの雪も新しい」
「無理しないほうがいいとは思う。けれど……」
数日吹雪いたら、それだけ体力が消耗してしまうかもしれない。それを思うと天候がいいうちに上ってしまいたい気持ちもある。
ここまで登ってくるまでに、一馬は常に全体の体調や歩調に気を配りつつ向かっていた。そのお陰で登山初心者だろう面々も誰一人かけることなく登れたのだ。
（けれど……少し不安だな）
ふと、うとうとする万条 幸次の姿を見て表情をやや険しくする。疲労が重なっており、なかなか目が覚めないようだ。時子が水分をとるようにと彼に促し、幸次は少しずつ飲んで目を覚まそうとしていた。
「……雲が晴れた。見てみろ」
ルーク・ポーラスターに呼ばれ、連れられるままに頂上を見やると……快晴だった。しかも風がない。
「絶好のチャンスが来たみたいだね」
サキリの言葉に、一同はしっかりと頷いた。
最初は、順調だった。
疲れから無口になりかけたものの、励ましあいながら登っていく。幸次は少しふらつく身体をそれなりにごまかしつつ、ルークや蛇那伊と話しながら歩いていく。その様子を、一馬とルークは気にかけながら登った。
そんな中、サキリはふと、コーヒーの香りを覚えた。キャンプで飲んだ残り香だろうか？
（キャンプのたびにみんなで飲んだコーヒーは格別だったな）
ミーティングしながら、あるいは、食事をしながら。または、ルークの冒険譚や仲間が遭遇した今までの神魂さわぎを聞きながら。笑ったり、考えたりして飲むコーヒーは、いつもと違って、そのたびに違う美味しさあったように思う。
「終わっても、俺たちは仲間だ。きっと登り終えて帰還した後のコーヒーもまた格別だろうさ」
ルークがそういい、サキリに笑いかける。
「そうだね。きっと格別だろう」
彼もにっこりと笑った。
異変に気付いたのは、だれだっただろうか？ 吹雪いてもいいように岩場などを探しながら登っていた一馬だったか、荘厳ともいえる雪と岩の風景に見とれた時子だったか。
――風が変わった。
その一言の後、空はみるみるうちに曇天となり、やがて……白い雪が渦を巻いて襲い掛かってくるようになった。
「吹雪なの……？！」
碧南が声を上げた横で、まゆが立ち止まった。彼女は息苦しそうに肩をゆらし、その場に膝をつく。それに気づきサキリは彼女に手を伸ばそうとした。……が、彼もまた眩暈を覚えた。
（へっ？！）
思わずそんな声が漏れる。目の前が、薄暗くなる。息苦しい。だが、とっさに水と薬を飲み、どうにかごまかそうと考えた。
（フツウを守る為に、こんな所で……）
膝をつくわけにはいかない。前進あるのみだ。サキリはしっかりとした眼差しでまゆへと歩み寄る。
「水、飲みますか？」
予備として用意していた水筒を開け、まゆに薬と水を飲ませる。小さな声で礼を述べた彼女は、それらをすぐに飲んで大きく息を吐いた。
「っ！ 大丈夫なの？」
「ぐっ……っ、も、もしかしたら……高山病かもしれない。今、サキリ君が薬をくれたから飲んではいるけれど……」
蛇那伊が声をかけ、碧南がまゆを支える。ルークと尚輝もまたはぐれないようにとメンバーを呼び寄せる。
「幸次、こっちだ！」
「うんっ！」
ルークは幸次の手を握り、ともに行こうと連れていく。
一馬は避難に適した岩壁を探そうと、周囲に視線を巡らせる。そして……視界の悪さに歯噛みした。
白い世界の中、高峰 一馬は僅かに歯噛みした。
（山は、天候が変わりやすい）
近くでは、高山病になってしまった相原 まゆが苦しそうにしており、傍らでは健康面に気を配っていた御巫 時子が酸素マスクをまゆに与えている。傍らにいるサキリ・デイジーカッターもまた、ちょっと辛そうだ。もしかしたら、彼もまた高山病になっている可能性もある。
（くっ、何故見誤った……）
一馬はぐっ、とこぶしを握り締める。だが、悔やんでいる場合ではないのだ。誰かが頂上へ行かなければ、神魂のいたずらは終わらないのだから。
――数時間前――
キャンプを片付け、登る準備をしていた時の事。まゆが少しぼんやりした表情を浮かべていた。
「先生、どうしたんですか？」
心配になり羽生 碧南が声をかけるも、まゆは大丈夫、と首を振る。
「ちょっと夢見が悪かっただけ。健康面には問題ないわ」
「無茶はいけないけれど……」
と、尾鎌 蛇那伊も彼女を気遣う。
一方、空の様子をみていた一馬と五十嵐 尚輝は難しい顔をしていた。というのも、天候が微妙なところだったからである。
「吹雪く可能性は、ありますね……。ここ当たりの雪も新しい」
「無理しないほうがいいとは思う。けれど……」
数日吹雪いたら、それだけ体力が消耗してしまうかもしれない。それを思うと天候がいいうちに上ってしまいたい気持ちもある。
ここまで登ってくるまでに、一馬は常に全体の体調や歩調に気を配りつつ向かっていた。そのお陰で登山初心者だろう面々も誰一人かけることなく登れたのだ。
（けれど……少し不安だな）
ふと、うとうとする万条 幸次の姿を見て表情をやや険しくする。疲労が重なっており、なかなか目が覚めないようだ。時子が水分をとるようにと彼に促し、幸次は少しずつ飲んで目を覚まそうとしていた。
「……雲が晴れた。見てみろ」
ルーク・ポーラスターに呼ばれ、連れられるままに頂上を見やると……快晴だった。しかも風がない。
「絶好のチャンスが来たみたいだね」
サキリの言葉に、一同はしっかりと頷いた。
最初は、順調だった。
疲れから無口になりかけたものの、励ましあいながら登っていく。幸次は少しふらつく身体をそれなりにごまかしつつ、ルークや蛇那伊と話しながら歩いていく。その様子を、一馬とルークは気にかけながら登った。
そんな中、サキリはふと、コーヒーの香りを覚えた。キャンプで飲んだ残り香だろうか？
（キャンプのたびにみんなで飲んだコーヒーは格別だったな）
ミーティングしながら、あるいは、食事をしながら。または、ルークの冒険譚や仲間が遭遇した今までの神魂さわぎを聞きながら。笑ったり、考えたりして飲むコーヒーは、いつもと違って、そのたびに違う美味しさあったように思う。
「終わっても、俺たちは仲間だ。きっと登り終えて帰還した後のコーヒーもまた格別だろうさ」
ルークがそういい、サキリに笑いかける。
「そうだね。きっと格別だろう」
彼もにっこりと笑った。
異変に気付いたのは、だれだっただろうか？ 吹雪いてもいいように岩場などを探しながら登っていた一馬だったか、荘厳ともいえる雪と岩の風景に見とれた時子だったか。
――風が変わった。
その一言の後、空はみるみるうちに曇天となり、やがて……白い雪が渦を巻いて襲い掛かってくるようになった。
「吹雪なの……？！」
碧南が声を上げた横で、まゆが立ち止まった。彼女は息苦しそうに肩をゆらし、その場に膝をつく。それに気づきサキリは彼女に手を伸ばそうとした。……が、彼もまた眩暈を覚えた。
（へっ？！）
思わずそんな声が漏れる。目の前が、薄暗くなる。息苦しい。だが、とっさに水と薬を飲み、どうにかごまかそうと考えた。
（フツウを守る為に、こんな所で……）
膝をつくわけにはいかない。前進あるのみだ。サキリはしっかりとした眼差しでまゆへと歩み寄る。
「水、飲みますか？」
予備として用意していた水筒を開け、まゆに薬と水を飲ませる。小さな声で礼を述べた彼女は、それらをすぐに飲んで大きく息を吐いた。
「っ！ 大丈夫なの？」
「ぐっ……っ、も、もしかしたら……高山病かもしれない。今、サキリ君が薬をくれたから飲んではいるけれど……」
蛇那伊が声をかけ、碧南がまゆを支える。ルークと尚輝もまたはぐれないようにとメンバーを呼び寄せる。
「幸次、こっちだ！」
「うんっ！」
ルークは幸次の手を握り、ともに行こうと連れていく。
一馬は避難に適した岩壁を探そうと、周囲に視線を巡らせる。そして……視界の悪さに歯噛みした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年11月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年11月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年11月26日 11時00分
