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【期末テスト】満点？留年？？早春、四日間の死線＜物語編＞
☆４日目
最終日は国語と美術の試験だった。
２年９組の教室。羽生 碧南は問題に向かっていた。
（これで一応、進級のかかった期末テストは終了）
全くプレッシャーがかからないわけではなかったが、テストが始まってみたらそんなことは忘れていた。
『頑張れ、碧南』
『君ならできるよ』
過去に攻略した、あるいはこれから攻略予定の乙女ゲーのイケメンたちが碧南を励ましに来てくれた。
（蒼くん……翔先輩も来てくれたの？）
もちろん脳内の妄想なのだが、碧南にとってはそれで十分だった。
『ああ、五段活用だね……ここは間違えやすいんだね』
それどころか、テストの答えまで教えてくれた！
碧南は楽勝、とまではいかないが、苦戦することなく問題を解き終えた。
（ありがとうございます！ 幸せ……全問正解しちゃっていいのかしら。先生驚くかも）
あくまで、全問正解した気分、であって実際そうだという保証はないのだが、碧南は幸せいっぱいだった。
キーンコーンカーンコーン。
「終了だ。テストを回収する」
チャイムと浅井 幸太先生の声に現実に引き戻されたところで、テストは無事に終わった。
（終わった……でもちょっと寂しいな）
テストが終わったら、脳内のイケメンたちとお別れになってしまうから。
さすがに碧南といえども、普段から自由自在に妄想でイケメンたちと会話するのは難しい。
（……でもまあ、これで一応は追試とか補習授業は回避できるよね？）
なんかもう負けた気はしない。そう思うと。
（あ、なんかお腹空いてきた）
空腹に気づいた碧南は学食へ向かった。
学食も、今日は肩の荷を下ろしたように明るい表情の生徒たちで賑わっていた。
今日のランチメニューを見ると、Ａ定食が豚の生姜焼き、Ｂ定食が鮭のムニエルだった。
「うーん、Ａ定食ください」
席について食べ始めると、試験が終わっただけあって、いつもよりなんかおいしく感じられた。
（これ食べたら、テストも終わったし、久しぶりの部活ね）
バスケット部でも心置きなく頑張れそうだ。
そんなことを思っていると、何やら視界に山ほどの料理が入ってきた。
（ああ、そういえば……）
碧南の脳裏に大食い少女の噂が浮かんだ。
（確か、生徒会の……）
そこには、噂の主である巫部 紫苑が優雅に微笑んでいた。
しばらく前の２年１組の教室。
「ふぅ……今日でテストも終わりましたね……なんだかすごくお腹空いちゃいました」
テストを終えた紫苑はほっと一息ついた。
（テスト期間は何時もよりお腹空く気がしますねぇ……最終日は特にそんな気がします）
最後の美術が苦手科目だったせいもあるだろうか。
あまり出来は良くなかったが赤点レベルではないと思われるので、紫苑はもう気にしていなった。
「それじゃ、今日も学食でいっぱい食べちゃいましょう♪」
そんなわけで紫苑は今日も学食へやって来たのだった。
紫苑の姿を見るなり、学食のおばちゃんたちの間に緊張が走り、臨戦態勢に入る。
しかし本人はのほほんとメニューを眺めて、楽しそうに注文していく。
「え～っと、今日はどうしましょうか？ とりあえず日替わり定食のＡとＢと……うどんにコロッケと唐揚げとてんぷらを乗せて……それからそれから♪」
そのまま紫苑は5，6人分の料理を注文していった。
おばちゃんがすごいスピードで復唱しながらメモを取り、別のおばちゃんが片っ端から配膳していく。
「いただきます♪」
出来上がったそばからテーブルに運んだ紫苑は、行儀よく手を合わせる。
「う～ん、ここの料理は何時も美味しいですけど、テストが終わったからか一段と美味しく感じます♪」
頼んだ料理を端から順番に物凄いスピードで、けれどお嬢様の様に優雅に綺麗に食べていった。
（すごい……）
その様子を碧南は、あっけにとられながら眺めていた。
「ふふ♪今日も美味しかったですね……ご馳走様でした♪」
料理と追加で頼んだデザートも全て食べ終えて、紫苑は学食のおばちゃんに優雅に一礼して退席した。
そのまま帰るのかと思いきや。
「さて、と……美味しいものも食べたし、これから夕飯の買い出しですね」
紫苑は商店街に買い出しに向かった。
（テスト中はあまり料理できなかったから、今日は色々作りますよ～♪）
テスト期間中に考えていた食べたいものを思い浮かべながら、紫苑はどんどんカゴに食材を放り込んでいった。
「毎度ありがとうございます」
レジに向かうと、常連であり上客である紫苑にスーパーの店員さんが深々と頭を下げるのだった。
紫苑は満面の笑顔で満杯のマイバッグを両脇に抱えた姿で帰宅した。
最終日は国語と美術の試験だった。
２年９組の教室。羽生 碧南は問題に向かっていた。
（これで一応、進級のかかった期末テストは終了）
全くプレッシャーがかからないわけではなかったが、テストが始まってみたらそんなことは忘れていた。
『頑張れ、碧南』
『君ならできるよ』
過去に攻略した、あるいはこれから攻略予定の乙女ゲーのイケメンたちが碧南を励ましに来てくれた。
（蒼くん……翔先輩も来てくれたの？）
もちろん脳内の妄想なのだが、碧南にとってはそれで十分だった。
『ああ、五段活用だね……ここは間違えやすいんだね』
それどころか、テストの答えまで教えてくれた！
碧南は楽勝、とまではいかないが、苦戦することなく問題を解き終えた。
（ありがとうございます！ 幸せ……全問正解しちゃっていいのかしら。先生驚くかも）
あくまで、全問正解した気分、であって実際そうだという保証はないのだが、碧南は幸せいっぱいだった。
キーンコーンカーンコーン。
「終了だ。テストを回収する」
チャイムと浅井 幸太先生の声に現実に引き戻されたところで、テストは無事に終わった。
（終わった……でもちょっと寂しいな）
テストが終わったら、脳内のイケメンたちとお別れになってしまうから。
さすがに碧南といえども、普段から自由自在に妄想でイケメンたちと会話するのは難しい。
（……でもまあ、これで一応は追試とか補習授業は回避できるよね？）
なんかもう負けた気はしない。そう思うと。
（あ、なんかお腹空いてきた）
空腹に気づいた碧南は学食へ向かった。
学食も、今日は肩の荷を下ろしたように明るい表情の生徒たちで賑わっていた。
今日のランチメニューを見ると、Ａ定食が豚の生姜焼き、Ｂ定食が鮭のムニエルだった。
「うーん、Ａ定食ください」
席について食べ始めると、試験が終わっただけあって、いつもよりなんかおいしく感じられた。
（これ食べたら、テストも終わったし、久しぶりの部活ね）
バスケット部でも心置きなく頑張れそうだ。
そんなことを思っていると、何やら視界に山ほどの料理が入ってきた。
（ああ、そういえば……）
碧南の脳裏に大食い少女の噂が浮かんだ。
（確か、生徒会の……）
そこには、噂の主である巫部 紫苑が優雅に微笑んでいた。
しばらく前の２年１組の教室。
「ふぅ……今日でテストも終わりましたね……なんだかすごくお腹空いちゃいました」
テストを終えた紫苑はほっと一息ついた。
（テスト期間は何時もよりお腹空く気がしますねぇ……最終日は特にそんな気がします）
最後の美術が苦手科目だったせいもあるだろうか。
あまり出来は良くなかったが赤点レベルではないと思われるので、紫苑はもう気にしていなった。
「それじゃ、今日も学食でいっぱい食べちゃいましょう♪」
そんなわけで紫苑は今日も学食へやって来たのだった。
紫苑の姿を見るなり、学食のおばちゃんたちの間に緊張が走り、臨戦態勢に入る。
しかし本人はのほほんとメニューを眺めて、楽しそうに注文していく。
「え～っと、今日はどうしましょうか？ とりあえず日替わり定食のＡとＢと……うどんにコロッケと唐揚げとてんぷらを乗せて……それからそれから♪」
そのまま紫苑は5，6人分の料理を注文していった。
おばちゃんがすごいスピードで復唱しながらメモを取り、別のおばちゃんが片っ端から配膳していく。
「いただきます♪」
出来上がったそばからテーブルに運んだ紫苑は、行儀よく手を合わせる。
「う～ん、ここの料理は何時も美味しいですけど、テストが終わったからか一段と美味しく感じます♪」
頼んだ料理を端から順番に物凄いスピードで、けれどお嬢様の様に優雅に綺麗に食べていった。
（すごい……）
その様子を碧南は、あっけにとられながら眺めていた。
「ふふ♪今日も美味しかったですね……ご馳走様でした♪」
料理と追加で頼んだデザートも全て食べ終えて、紫苑は学食のおばちゃんに優雅に一礼して退席した。
そのまま帰るのかと思いきや。
「さて、と……美味しいものも食べたし、これから夕飯の買い出しですね」
紫苑は商店街に買い出しに向かった。
（テスト中はあまり料理できなかったから、今日は色々作りますよ～♪）
テスト期間中に考えていた食べたいものを思い浮かべながら、紫苑はどんどんカゴに食材を放り込んでいった。
「毎度ありがとうございます」
レジに向かうと、常連であり上客である紫苑にスーパーの店員さんが深々と頭を下げるのだった。
紫苑は満面の笑顔で満杯のマイバッグを両脇に抱えた姿で帰宅した。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年10月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年10月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2020年10月26日 11時00分
