【期末テスト】満点？留年？？早春、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】満点？留年？？早春、四日間の死線＜物語編＞

☆学年末テスト、スタート！

　学年末テスト当日。
「それでは始めます」
　２年７組担任の瓜山メイ先生がテストの開始を告げ、青山絢は問題に向かった。
（前回みたいに寒くなくてよかった）
　幸いそう寒くも暑くもなく、普通の環境でのテストとなった。
　最初の試験は数学だった。
　絢は意志の強さで自分を律し、従姉妹に気を遣われながらそれなりに勉強してきた。
（そう難しい問題はないわ）
　特に数学が苦手というわけでもなかったので、淡々と解いた。
（多分大丈夫だと思うけど）
　ケアレスミスに気づいていないかもしれないから油断はできないが、見直しはしている。

　次に音楽。
（これもそんなに難しくないわ）
　いつもひっかけなどなく、基本用語や作者名など、普通に勉強していれば解ける問題だ。
　余裕をもって解答を終えた。

　しかし最後の社会科は、あまり自信がなかった。
（それでも暗記問題はなんとか解けるけど……やっかいなのは記述式の問題）
　一応、書いては見たけれど。
（これが正解かどうか……迷うわ）
　何度か消しては書き直したりするけれど、その都度「これちょっと違うかも」と思い悩んだりして。
　結局何度も何度も書き直しているうちに消しゴムの痕で結構汚れてしまった。
（いけない、もう決めなきゃ）
　どうにか最終的に（これでいいかもしれない）という記述を書き終えた。
「終了です」
　途端にメイ先生がテスト終了を宣告して、答案用紙が回収された。

（一応、全部の欄は埋めきったけど……、精々60点取れればいいほうかも）
　自己採点してそんなふうに思い、少し気が滅入る。
（なんか調子狂うな……残りのテストもこの調子かな……）
　そんな風に思ってしまう。
（でも、終わったものは仕方がない。とりあえず割り切ったほうがいいかもしれない）
　気を取り直して、明日のテストに備えることにした。
（テストが終われば、こないだケーキを買ってきてもらえるかも。……期待し過ぎかしら）

　ちなみに、蓋を開けてみると散々迷って書き直したその記述は正解をとり、予想外に社会科の成績が良かったので驚くことになったのだった。