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春は芽吹く/a hazy mirage was end
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「ただいま。ごめん、長いこと空けちゃって」
顔を見せたのは陣だ。いくらか疲れてはいたが雪を肩から払い落としている。
「お帰りなさい」
千絵が答えた。
「ブランクの時間、時給から引いといてな」
「それはもちろんです」
このへんはきっちりしている店長代理である。でも笑顔だ。
「おかえり七枷くん」
と言ってから真白は付け足した。
「紅ちゃんは?」
「あ、いらっしゃいませ。ええと、紅は後から来るって」
少し家の前で待ってたけど出てこなかったから先に戻ったと陣は言い、これまでのことを説明した。
「そう……それは、お疲れ様だったね」
「どうも。まあ、お節介だったかもだけど」
三人ともそれ以上は何も口にしなかったが、紅美を待つ、ということで意見は一致したようだった。
千絵はノートPCを起動し分厚い帳簿を開いて通販の売り上げをチェックしている。
陣は棚を拭いたり梱包用段ボールをまとめて紐で縛ったりしていた。
そして真白はゲームテーブルに頬杖をついたまま、なんとなく買ったゲーム雑誌をぱらぱらとめくっていた。
実際のところそれほど長い時間ではなかった。
それでも、緑の流体がぽたぽたと落ちる形式のオイルタイマーをただ漫然と眺めるように、遅々として進まぬ沈黙の時間が過ぎたのち、ようやく店のドアは開いたのである。
「お待たせ。……っと、真白ちゃん?」
遅くなっちゃったかな、と気恥ずかしそうに紅美は告げた。デートの約束に遅刻して、電車が混んでて、と意味不明な言い訳をしているかのように。
真白は一も二もなく駆けつける。
紅美を見て真白はすぐに思った。
なんとなく、雰囲気が変わったかも。
変わったというか、戻った? EABの施設に行く前の紅ちゃんに。
「今日空いてるね、店。やっぱり雪のせいかな」
ふわっと微笑むと紅美はぺたぺたと歩いて店内に入った。
「いらっしゃいませ」
目隠しで歩くような様子で千絵が言った。
「うん」
「ご両親とちゃんと話したか?」
陣の問いかけにも紅美の返事は、
「うん」
だ。
「つかれたよ」
そうして、真白の荷物が置いてあるゲームテーブルの椅子についた。
「マジ疲れた」
繰り返した。さっきとはやや口調が異なる。
うん、やっぱり紅ちゃんっぽくなってる、以前の。
真白はその隣に座った。
「聞いたよ、今日のこと。その後のことを話してもらえる?」
事情が伝わっていることを真白の表情から悟ったのだろう、
「まあ……大変だったよ」
ハハハと紅は笑った。
「家族であれだけぶちまけあったのって、いつ以来かな。はじめてかも……だから疲れた。とっても」
大暴露大会になったらしい。錆びた刀で切りかかり、亀裂の入った盾で防ぐような壮絶な時間となったという。紅美は詳細を明かさなかったが、断片的な情報だけでもある程度想像はつく。紅美自身だけでなく、両親のための時間となったのかもしれない。
「でもすっきりした。全部言えたから」
「そっか、がんばったんだね」
「ほめてほしいな」
紅美の幼児の部分が顔を出したらしい。今の紅美の性格では、まっすぐ口に出せない言葉なのだろう。
うん、と真白は紅美を抱き寄せ、頭をなでた。
「えらいえらい」
母虎に甘える小虎のように、真白の胸に頭をすりつけて紅美は目を閉じた。
「……つかれたよ、ねむいな」
「眠ってもいいよ」
「……」
紅美はしばし、目を閉じたままだったがやおら開くと、
「やっぱ真白ちゃん巨乳だよね。でかい」
などと言ってけけけと笑った。もうすっかり紅の紅美だった。
「ちょ……いきなり何言うかなこの子は」
たぶんこういう反応が求められているのだろう、と即座に判断して真白は、普段こういうことはしないのだがあえて、胸を腕で隠すような仕草をした。
紅美と千絵が話している間に、真白はカウンターまで歩み寄った。
「加わらないの? 話に」
陣に問いかける。陣は閉店作業中だ。レジの入金を計上している。といっても本日の来店者は紅美と真白を入れてもわずか三名、あっという間に数え終わる程度の売り上げしかないのだが。
「なんていうか、男がいないほうがしやすい話ってのもあると思って」
陣は何度も数え直ししつつ言った。そうでもしないと間が持たないのかもしれない。
「……七枷くん、ありがとう」
「え?」
「紅ちゃんが向き合うきっかけをくれて。紅ちゃんの家まで行って色々してくれたんだよね……私がやれなかったことをしてくれてありがとう」
「いやそれを言うなら」
陣は後頭部をかきながら告げた。
「こっちこそお礼を言いたいよ。あいつに居場所を作ってくれたこと。家に泊めてくれてさ……僕もひとりぐらしだけど、まさか僕の部屋に住まわせるわけには行かないし」
紅は今日から自宅に戻るのだという。いいことだと思いたい。
「どうして?」
「いやほら……同棲ってことになっちゃわない? 実態がどうあれ世間的には……」
陣は視線をそらせる。遠くに風見鶏があって、その回転を眺めているような目をした。こういう話題は不得手なのだ。
「それなら」
真白は意味深に目を細めた。
「女同士だからって、安全とは言えないよ」
えっ! と陣は飛び上がりそうになった。
「それはどういう……!?」
しかし陣の言葉は続かない。
「七枷さん、レジ締め終わりました?」
「そろそろ終わりだよね」
千絵と紅美が戻ってきたからだ。
「なんの話してたの?」
紅美がたずねる。お天気の話程度の何気ない問いかけではあったが陣はたちまち言葉に窮した。これを見て回答したのは真白だ。
「別に大した話じゃないよ。七枷くんに、紅ちゃんと千絵ちゃん、どっちが本命なのか聞いてただけ」
「いやいやいや!」
それは『大した話』ってことにならないか! 陣は両手を振って否定した。
「そ、そんな話してなかったじゃないすか白さん!」
「そんな慌てなくても、ジョークよジョーク。あと、なんで敬語なの?」
こんなにピュアな反応が見られるとは思わなかった。
一方で千絵と紅美は無言で、短く視線を交わしあっただけだった。そのアイコンタクトにどんな意味が含まれていたか、それは当人同士でなければわからないだろう。
外はまだ雪だ。世界を雪で埋め尽くすかのように。
「あ、そうだ」
人差し指を立てて真白は言ったのである。
「せっかくだから四人でボードゲームやらない? この雪のなか帰るのも大変だし」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ゲーム
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月11日
参加申し込みの期限
2020年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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