this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
春は芽吹く/a hazy mirage was end
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
外へ一歩出たところで真白は後じさった。
「すごいことになってる!」
白い息とともに声を出してしまった。
だって外は雪雪雪の雪だらけ、自分の名前ではないが『真白』なのだった。雪も風も継続中で、ちょっと除雪車の出動要請をしたくなるレベルである。
スマホで確認すれば案の定、大雪警報がでており電車も運行休止しているという。一部道路も閉鎖されているとか。
大ぶりの傘をひらいて真白は歩き出す。
バージンスノーを踏みしめる。道路の感触はなく雪を踏むぎしぎしとした音が鳴った。ブーツでよかった。でも慎重に行かないと転倒してしまうかもしれない。マンホールなど雪が積もっていない部分はつるつるのアイスバーンになっているのだ。
下手をすれば遭難だよこれ。
紅ちゃん、しっかり着込んでいったかな。
電話出ないし――。
何度コールしても無愛想な留守番サービスにつながるだけだった。電池が切れているのか、電源を切っているのか。
雪に立ち往生して飲料の自販機の陰に避難、両腕をさすりながら凍えそうになり泣いている紅美の姿を想像した。
無事だよね……無事でいて!
風が冷たい。
艱難辛苦といってもオーバーではない。普段の倍ほど時間をかけて、真白はなんとか『クラン=G』にたどり着いた。
その頃には雪もやんでいた。一方ですっかり暗くなってもいた。
だから店の灯がいっそう輝かしい。
よかった……やってて。
ここまでの道すがら、臨時閉店になっている店舗をいくつも目にしてきた。けれども『クラン=G』にはあかあかと電気が灯っていたのである。故事にならって「翼よ! あれが『クラン=G』の灯だ」と言ってみたくなる。新作ゲームやプラモを告知するおなじみA看板すら、雪をかぶりながらしっかり立っていた。
注意しいしい進んだものの、道中、紅美の姿はついぞ見かけなかった。だったら店内にいるはずだ。
マットに飛び乗るようにして自動ドアを開く。
真白は後ろに下がった。ついでに傘の雪をはたき落とす。
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしていまーす」
千絵の声に送られて、女性のお客さんが出て行くところだった。
手に袋を提げている。だけど形でわかる。あれは『煉瓦(れんが)』だ。別名『ブロック買い』、トレーディングカードの個包装パックが1ダース以上詰まった箱を箱ごと購入した姿である。箱の形状が煉瓦に似ていることからそう通称されている。資力とゲーム愛とを証明する買い方なのだ。(なお人気TCGではひとりあたりの購入制限がかけられていることが多く、煉瓦はできないことが多い)
会釈して去るお客さん(落合まゆら)に会釈を返して真白は店内に入った。
「千絵ちゃんこんにちはー」
「あ、真白さん、いらっしゃいませ!」
看板娘の千絵が、看板娘らしい極上のスマイルで迎えてくれた。
「思ってた以上に雪の勢いがすごくて大変だったけど何とかつけたよ」
「それはそれは、大変な状況でお疲れ様です」
コーヒー飲みます? と千絵は言った。
「カップ自販機のですけど。あ、店からのサービスです」
「ありがと」
でもそれより、と店内を見渡しながら真白は言う。
「紅ちゃん来てない?」
広い店内に千絵以外の姿は見当たらなかった。
「ああ、紅さんでしたら来店されましたが……」
千絵は簡単に事情を話した。アルバイト店員の七枷陣と出かけているのだという。
「七枷くんって、たしかちょっと前から働き始めた人だよね」
陣のことなら真白も知っている。やっているTCGがかぶらないのでデュエル的な意味で対決したことはないものの、ボードゲーム試遊で人数が足りないときにプレイヤーで入ってもらったことなら何度かあった。同じ寝子高生らしいがこの店以外での面識はない。
「どこに?」
千絵は首を振った。わからないのだという。
紅ちゃんと七枷くんが……。
なんだろう。こんな大雪の中で。
そういえば彼、前にカードの予約しに来たとき、紅ちゃんと仲良さそうにしてたっけ――。
そのとき紅美はわりと辛辣な言葉を浴びせていたが、陣は苦笑して受け流していたような記憶があった。
そういうことならまぁ、変なところに連れていったりはしないよね。
だったらここで帰ってくるのを待つべきだろう。
「あの……紅ちゃんを待たせてもらっていいかな」
「いいですよ。あ、ミルクと砂糖は入れます? コーヒーの」
カップのコーヒーで温まり、「他にお客さんいませんので」と千絵がもってきた対戦型ボードゲームをコチコチと進めながら話す。
「千絵ちゃんは」
「はい」
ドイツ製、幽霊をモチーフとした将銀のようなゲームだ。といっても将棋よりずっと単純で手軽である。にもかかわらず奥が深く楽しくて、コマを動かすだけで爽快感があった。
「紅ちゃんに何があったのかどこまで知ってる?」
「報道された程度は……」
「そっか」
「EAB、って言うんでしたよね。ああいう団体、私嫌いです。弱っている人を食いものにして、それを社会貢献だなんてうそぶいて。そもそも『引きこもりはなんの生産ももたさない。そんな人間はこの国に不要だ』だなんて」
日ごろおだやかな千絵にしては言葉が尖っていた。さらに言う。
「生産とか非生産とか、どういう基準で言ってるんですか。私は知っています。いわゆる引きこもりの人が生み出した名作ボードゲームがたくさんあることを。それに、何も生み出さなくたって、生きているだけでいいじゃないですか。ある人が世の中に不要かどうかなんて、一方的に決める権利は誰にもないんです……!」
コマを動かそうとして、はっとしたように千絵は手を止めた。
「ごめんなさい、私一人でまくしたてちゃって」
「だいじょうぶだよ。千絵ちゃんの言いたいこと、わかるから」
「すいません。ありがとうございます」
「それで、紅ちゃんだけど」
千絵はうなずいて先をうながす。真白は言った。
「今、私の家に泊まってるんだよ」
それは知りませんでした、と千絵は答えた。否定的な言い方ではなかった。いろいろと察するものがあったようだ。
「ご自宅に帰りたくない……んですね」
「千絵ちゃんも会ったならわかると思うんだけど、ちょっと大切な時期なんだと思うんだよね……紅ちゃんは」
「ですね。……これ本人には秘密にしてほしいんですけど」
「うん」
「私、紅さんのこと友達だと思ってます。顔を合わせるとつい意地悪したりしてケンカしちゃうんだけど、私、紅さんとああいうやりとりをするのが好きで……学校の友達や他のお客さんにはできないんですけど」
だから元の紅さんに戻ってほしい、と千絵はつぶやいた。
「たぶん紅ちゃんもそう思ってると思うよ」
大丈夫、と真白は言った。つづける。
「私にとっても紅ちゃんは大切な友達、私は」
真白はコマを倒した。ゲームは負けだ。
「ゆっくりでいいから紅ちゃんの望むほうに行けるようにしたいなって思ってる。早く元に戻ってほしいっていう思いもあるし、無理をさせて嫌な思いをさせて取り返しがつかなくなるのも怖いとも思うんだけどね。だから、千絵ちゃんもしばらくは見守っててくれないかな」
「はい!」
ところでもう一戦しませんか? と千絵は笑顔を真白に向けた。
「そうしよう。ふふ、今度は勝つからね」
二戦目が終わったとき店のドアが開いた。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
春は芽吹く/a hazy mirage was end
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ゲーム
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月11日
参加申し込みの期限
2020年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!