【マラソン大会】着ぐるみで仲良く走ろう♪　～妨害旅情編～｜リアクション

【マラソン大会】着ぐるみで仲良く走ろう♪　～妨害旅情編～

　八神修と七夜あおいはマラソン大会に出る為に、それぞれ着ぐるみを用意して着た、のだが――

「なぁ、あおい」
「ん、何？　修君」
「何でニワトリ？」

　猫好きの修が三毛猫の着ぐるみなのはいつも通りと言えるので問題はない。だが、あおいが何故ニワトリなのかは修には良くわからなかった。

「え、だってニワトリさんってとても速いでしょ？　だから、そのニワトリさんの着ぐるみを着る事でそれにあやかろうかなーって」
「確かにニワトリは結構速いらしいけど……これからやるのはマラソンだから、どっちかと言えば持久力の方が重要じゃないか？」
「……あっ」

　どうやら素で勘違いしていたようだ。こういう天然なところもあおいの長所であり短所である。

「ま、まぁ、脚力があるって事だからニワトリの加護も無意味ではないさ、きっと多分」
「そ、そうだよね！」

　何とも無理のあるお話ではあるが、当人達が良ければこの世は大抵の事は良いのである。
　そんなこんなでマラソンがスタートした。

「うんまぁ、何となくそんな気はしていたよ」
「これ、どうするの？　修君」

　スタートしてから暫くして二人の前に工事現場のような様相となったコースが現れた。
　こういう事態には慣れっこの修は、直ぐにこれが神魂の影響によるものだと察しがつくが原因が解ったところで解決するわけではない。

「ふーむ。道は細い鉄骨でコース上に振り子のように鉄球などが配置されているコースか」
「振り子はタイミングを見て行けば問題なさそうだけど、足場が足場だからタイミングを取るのが難しそうだね」
「大丈夫だ、振り子自体はそう急がなくても抜けれるようになってる。俺が合図をした同時に抜けよう」
「うん、分かった！」
「よし。協力プレイでクリアしてやろう！」

　修が冷静にギミックを観察してコースの仕組みを理解し、そして解決策を提案する。
　その後も、工事現場のコース同様に神魂の影響を受けたコースが二人の前に出てくるが、その度に二人は協力プレイでクリアしていく。
　例えば、大観覧車のコースでは、

「これは雪山とかの登山の要領で腰を綱で結ぼう。そうすればバランスを崩したとしても支えて何とかできる。特にあおいはろっこんで力を強化できるしこれに向いている筈だ」
「でも、修君が支える方だと最悪の場合は二人とも落ちない？」
「それならそれで構わないだろ。落ちても最初に戻るだけだし、寧ろ、ばらばらになる方がこの場合はまずい」
「そっか」

　道が凍っている寝子島街道では、

「しっかりと足を上げて下に落とす。それと丈夫そうな木の枝を杖代わりにすれば何とか行ける筈だ」
「オッケー……っと、危ない！」

　妨害者である熊の着ぐるみが二人の邪魔をしようと出てくるが、それを察知したあおいがろっこん【カジバオトメ】を発動して弾き飛ばす。

「ふぅ、危ない危ない」
「流石あおい。出てくるのが一回とは限らないから注意していこう」
「うん、そうだね」

　こうして協力プレイでコースをクリアして行くが、ここで最大の難所にぶつかる。主に修にとっての。

「こ、これは……！？　くっ……可愛い。あっ、寄ってくる！？　ああっ」

　猫達が大量にいる小道。これは修にとっての特異点。火に水を注ぐようなものだ。
　だけど、今日の修は一人ではない。しかも一緒にいるのは、共にいるだけで修に力を与えてくれるあおいなのだ。

「はいはい、修君、行くよー」
「あっ、あっ、あぁっ！？」

　あっさりと修の腕を引っ張って連れて行くあおい。
　何とも言えない声を出しながらもそれに逆らえない修を、ただ猫達は見送るのだった。
　そうして、二人は何とかゴールへと辿り着く。

「ふぅ。ありがとう、あおい。一人じゃ無理だったよ」
「こちらこそありがとうだよ」

　そう言って笑いあう二人。

「ところで、猫の小道に行ったら、まだあの猫達、居ると思う？」
「あはは。言うと思った。じゃあ、一緒に行ってみようか」

　そして、二人は早速と言わんばかりに猫の小道へと向かって行ったのだった。

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あとがき

担当マスター：昂祈
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昂祈です。
マラソン大会】着ぐるみで仲良く走ろう♪　～妨害旅情編～のリアクションをお届けいたします。

最近は幾つかのゲームでこういうアスレチックを改造したようなものがあったりしますね。
自分もいくつかプレイをしていたりしますが、これが中々難しかったりします。
いつかは1位をとってみたいなぁと思っていますが、果たせるときはくるのか。

因みにマラソンの後に善哉と言うのは自分の小、中学校で実際に行われていた事でした。

さて、今回はここまでという事で。
それでは、この度のシナリオにご参加頂きありがとうございました！

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