キャットロードでスタンプラリーin猫の日｜リアクション

キャットロードでスタンプラリーin猫の日

☆若さ！　若さってなんだ！
「はい、次の可愛いカップルさんのご注文は特別メニューかい？」
　ショコラ・デ・カッツェの店長にカップルといわれて、飛鳥は顔が真っ赤になった。
「か、カップルじゃないわよ！　特別メニュー２つ！」
「だってさ、坊や頑張らなきゃねー？」
　背伸びをして代金を支払うと飛鳥はぶちねこクッキーを奪うように受け取る。
「え、あ……なんか言ってた？」
　しかし、一方の龍樹は前の方でクッキーを買っていったポニーテールの巨乳なお姉さんに見とれていて話を聞いていなかった。
　飛鳥は思う、そうだ……龍樹はこういうやつなのだと……。
「はっはっはっ、面白い二人だねぇ」
「お、見覚えのあるツインドリルと思ったら飛鳥ちゃんじゃない」
「やっほー」
　恥ずかしくて他の店に行こうと思っていた矢先に知り合いに呼び止められた。
　カプギア甲子園や鬼退治で共に戦った真白と円の二人である。
　二人もぶちねこクッキーを買っていた。
「せっかくこうして会うのも何かの縁だしね、一緒に外のベンチでもいいから食べようよ！」
「うん、食べる食べる！」
　元気いっぱいに声をかけてくる真白の大きな胸が揺れると龍樹は二つ返事で返す。
　隣にいる飛鳥はいたたまれない気持ちになって自らの薄い胸板を見つめるが、龍樹は気づかずに真白についていってベンチに腰を掛けた。
「まぁ、あの子はああいう子だからね」
　よしよしと円に頭をなでられて、飛鳥も気が収まる。どちらがとは言わない優しさが円にはある。
「ボクらは先に【Zepet】行ってきたけど、新作カプギア売ってたよ。なかなか面白そうだったね」
「あれはパーツの組み合わせ甲斐があるよねー」
　円と真白はクッキーを食べつつ観てきたカプギアについて語りだした。
「そうなんだ、俺たちも後で行こうぜ！　牧雪人に勝てるカプギアが作れるかもしれないしさ」
「牧雪人ね。何回か対戦したけど、あれほどのバトラーはなかなかいないわ」
　クッキーを食べながら飛鳥の頭はデートからカプギアの話に集中し始める。
　レオポルド２を生み出した天才ともいわれているのは聞いていた。
「あいつはオレのライバルなんだぜ！　いつか、勝つぜ！」
「せいぜい、頑張りなさいよ」
　クッキーを食べながら闘志を燃やす龍樹を見て飛鳥はふふふと微笑む。
「おっと、こうしちゃいられない！　早く店にいこうぜ！　新作カプギアが売り切れちまう！」
「はいはい、でもスタンプラリーの方も大事だからね。わかってるでしょうね？」
「わかってるって！」
　飛鳥の手を引っ張り龍樹は駆け出すものの、どこか飛鳥は嬉しそうだった。
「円ちゃん」
「なーに、真白ちゃん」
「若いっていいねぇ～」
「そうだねー」
　そんな二人の世界に置き去りにされていた真白と円は二人を見送る。
　改めて、自分たちは女子中学生なのに何をやっているんだろうと思いかけたが、考えないことにした。