キャットロードでスタンプラリーin猫の日｜リアクション

キャットロードでスタンプラリーin猫の日

☆巡り終わって
「理緒ちゃん楽しんでくれたかな？」
　紗月は自室でスタンプラリーの対象でもあったお揃いの猫フィギュアを勉強机において、今日の思い出を振り返っていた。
　結局スタンプは二人で12個、合計3枚分集まったので、お詫びにと余った肉球ガレットをお土産として渡してくれたのだから、きっと大丈夫だと紗月は思う。
　そんなことを考えているとスマホが振動して着信音がなった。
「あ、紗月？　今、電話大丈夫？」
「うん、大丈夫。自室にいるところだよ」
「今日はその……ありがとうね。すごく心配かけていたみたいって、改めて反省しちゃったわ」
　電話越しに恋人の声を聴きうれしくなる。
　あの日、自分から電話を掛けたときとは全然声のトーンが違っていた。
　もちろん、人に気を遣わない場所であるというのが大きいのかもしれない。
「あのさ、今度は二人っきりで楽しめるところにいこうよ。寝子島の外とか、私を知らないようなところがいいかな？」
「うん、そうだね。海外とか言ってみたいな卒業旅行とかで……」
　今日の微妙な距離感を保っていた反動か大胆な提案が理緒からされたので、紗月もそれに乗ることにした。
　電話越しではあるものの気持ちは同じである。
「それいいね！　私グラビアの仕事頑張って紗月の分まで旅費稼ぐからね！」
「さすがにそれはちょっと申し訳ないから、私もバイトしてみるよ……」
　楽しい旅行ができそうだと紗月もうれしくなってきた。
　その日は寝るのがいつもより遅くなるほど、二人は話し合う……。

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