キャットロードでスタンプラリーin猫の日｜リアクション

キャットロードでスタンプラリーin猫の日

☆違う、そうじゃない
　店を回ってフルコンプした円と真白は最後のメイド喫茶に寄っていた。
「ガチ勢のにおいが致しますよ。あーきみ、食後の紅茶を一つ」
「畏まりました、旦那様」
「お、円ちゃんはご主人様ロールのスタートかな？　じゃあ私はお嬢様にでもなろうかな？」
　なんとなく格好をつけた様子で円が店員に紅茶を頼む。
「いいんじゃないかな、真白嬢」
「円様、ご機嫌用」
「そう、こういうところではご主人様と呼ばれたらやはりやらないとね」
　今日はスタンプラリーでメイド喫茶を回ると聞いた時からゴシックロリータではなくわざわざ男装してきた甲斐があったというものだ。
　そうこうしていると、ガシャンと音がして失礼しましたと謝る声が後ろから聞こえる。
「ふぅ、ダメなメイドだね……ああいうメイドにはお仕置きがだね。違う、そうじゃないっ！」
「いつのも円ちゃんに戻ってきてくれてよかったよ」
　トリップ仕掛けていた意識を戻した円に真白は一安心と息をついた。
　あのままお嬢様ロールをやり続ける自信がなかったのである。
「にしても、あの猫カフェはよかったよねー」
「人懐っこくて、本当にいい子たちばかりだったね」
　思い出話には花が咲き、紅茶が届いたら円は余った肉球ガレットをメイドさんにプレゼントしていた。
　二人の楽しい猫の日はこうして幕を閉じる。

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