つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー｜リアクション

つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー

　仙藤蒼は大きなモニターの前で目を開けた。
「ここは……」
　周りを見回すと、どこかで見たことがあるような絵柄の壁紙が張ってある。赤いキノコにブロック、コインなどの絵柄だ。
　どうやら「スーパー○○〇」の世界に迷い込んだようだ。しかも、コースデザインの仕事を任されているよう。
「自由にコースを作れるのね」
　せっかくの機会なので、オリジナルコースを作ってみることにした。
「まずはチュートリアルよね」
　第一面は走る歩くジャンプなどの基礎動作を慣らすためのステージだ。設定を終えてから次に第二面に取り掛かる。罠はばりばり張る予定だ。
「えーと、トゲと落とし穴……大砲も使おうかしら」
　しばらくしてタッチモニターから離れ、蒼は頷いた。
　すぐにコース挑戦希望者が現れた。三人グループのようだ。モニターに『OK？』の文字が出る。蒼はそれをタッチした。
「さて、クリアできる？」
　モニターに映し出されたのはコースにインしたプレイヤーキャラだ。カウントダウンが始まり、ゼロになった瞬間にプレイヤーが走り出した。第一ステージはそこまで難しくしてないはず。
「あ」
　ジャンプしたプレイヤーが丁度コインの上へ着地してしまい、まんまと落とし穴へ落ちてしまった。蒼は苦笑を浮かべる。
「思惑通りね」
そしてプレイしている人達の声も聞こえて来た。

『もー、いきなり落ちちゃったんだけど』
『次気をつけよ。コインを取らないでジャンプね！』
『分かってるって』
そんなやりとりをしつつ、コインと落とし穴ゾーンを抜けてブロックゾーンへ。
『アイテムゲットしたけどこれって効果なんだっけ』
　彼女達が取ったのは蒼が隠しておいたパワーアップマタタビだ。よく見れば、プレイヤーキャラの体が大きくなっている。
『ちょっ、立ち止まったらダメだって。敵来てるから！』
　現在操作をしている子がプレイを中断してしまったらしい。敵にやられる。そう思った瞬間、体が元の大きさに縮んだ。強化されていたため、ダメージを喰らっただけで済んだようだ。
『早く土管に飛び込んじゃいなよ！　敵増えてるよ』
　蒼は目を見開いた。運よく、ワープ用の土管に飛び込んだのだ。二面に即座に移動出来てしまう。

「強運ね」
　土管ゾーンの先もチュートリアルがあったのだが、飛ばされてしまったようだ。ゲームと言えど何があるかわからない。
　第二面に入り、蒼の仕掛けた罠が牙を向く。
「そのトゲ、どうする？」
　コース直後に仕掛けられたのは低い天井のトゲと落とし穴を組み合わせたトラップだ。落とし穴の上をジャンプしながら進むとトゲに刺さるのだが。

『うまいじゃない』
　プレイ中の子は得意げに胸を張る。
『こういう罠ってジャンプのタイミングを見すらなければ大丈夫だし……よし！』
なんと一発でトゲゾーンをクリアしたのだった。
『なーんだ。簡単じゃない。このステージは……きゃあっ』
悲鳴が上がった。

「残念でした」
　蒼が笑顔で言う。トゲゾーンを抜けると空からハンマーニャットとトゲの生えた猫が同時に降ってきたのだ。
　集中砲火である。

『ああ、もうッ』
　ゲームオーバーだ。何回か挑戦すれば、道が開けるだろう。

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