つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー｜リアクション

つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー

旅鴉月詠は大きなモニターの前で目を開けた。壁には赤い水玉模様のキノコやブロック、コインにスターなどが描かれている。賑やかな謎空間だ。しかし、唐突にさとる。
　ここは『スーパー○○メーカー』の世界だ。コースを作り出す役を任せられているらしい。
「さて、どうするか」
　まず避けなければならないのは理不尽なだけのコースだろう。プレイヤーが萎えてしまっては意味がない。空や地面の選択をし、様々な障害物を置いたり移動させたり。
　数十分後。
「……よし」
　ついに完成した。スーパー月詠メーカーのコースが。

　月詠の作ったコースに挑戦したいというグループが現れた。小学生の男子グループだ。
　プレイヤーである彼らの様子とゲーム画面が月詠のモニターに写し出される。
『俺らが初プレイ？　よっしゃ、一発クリア目指そうぜ』
　そんな声が聞こえてきて、月詠は顎に手を当てる。
「それは、どうかな？」

　BGMと共にスタートした。
『げ、敵来てるじゃん』
『早く倒せよっ』
『行列になっても無駄なんだよ！』
　勢いよくジャンプし、敵を倒そうとするが、
『え！？』
ジャンプをすると、頭上の台の上に乗ってしまい、スタート地点へ戻されたのだ。
『え、これ敵倒せねーのかよ！？』
『あ、そこの窪みに一旦入ってからジャンプすればよくね？』
『それで行ってみるか』
　月詠は感心したように何度か頷いた。
「なるほど、それならジャンプの高さを押さえられる、か」

　少年達はスタートした瞬間にダッシュし、窪みへイン。そこから迫ってくる敵へジャンプして一匹目を見事倒した。
　だが、
『あ、やべ』
　二匹目にあっさりと倒されてしまったのだった。
「ふふ、一発では通れないぞ」
　少年達は窪みからのジャンプにこだわり始めてしまったようで、中々進めない。さすがの月詠もヒントを与えることにした。彼らが萎え始めているので仕方ない。
　彼らのゲーム画面に制作者からのヒントとしてテロップを流してみる。
『ジャンプをせずに敵の頭を踏んですすめ』
　それですぐわかったらしく、少年達はあっさりとクリアしたのだった。簡単な謎解きでもよくあることだが、視野が狭くなると中々解けないのだ。
「まったく。……まぁ、大人でもあることか」

　少年達がロッコンフラワーとさんま大砲と炎を吐くニャッパがいる要塞のような山のステージへ突入する。しかしこのステージは周期を読めば簡単に通り抜けられるようになっている。さらにこのステージのニャッパはかなり弱いのだ。そして、その先に待っているのは空中ステージだ。ソラトペンギンを踏みつけながら進む仕様になっている。
「悪いな、少年達。ここは簡単には行かせない」

『お、面白い』
『これ、タイミングが合えばいけそうじゃないか？』
　プレイしている少年はペンギンジャンプが得意らしい。しかし、
『うおっ』
　間隔が微妙に開いている。ペンギンとペンギンのせいでジャンプをミスって落下してしまったのだ。
『うわぁ、ここまで来たのにぃぃっ！』
　そう嘆くものの、奇跡的に見えない床へ着地、
「ふふ、運がいいな。少年」

『やった、これで戻れるだろ』
　安心したのもつかの間、見えない床は尋常じゃないほど滑った。
『ひいっ』
『ちょちょっ！　まずいって！』
　つーっと滑って行き、苦し紛れにジャンプするが、そこには隠し無敵アイテムが。無敵状態を示すBGMが流れ出す。
『すげ』
『行ける行ける！』
　しかし、その先に床はなく、彼らの絶叫と共に落ちて行ったのだった。
　月詠は顎に手を当てる。
「難し過ぎたか？」
　直接感想を聞きたいものだ。

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