つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー｜リアクション

つくってあそぼう！　スーパー○○○メーカー

　周りを見回すと、どこかで見たことがあるような絵柄の壁紙が張ってある。赤いキノコにブロック、コインなどの絵柄だ。古尾桐子はいち早く状況を理解し、顎に手を当てた。
「なるほど、なるほど。んーまずはテンポ大事っすね」
　攻略方法が分かればリズミカルに進めるようにする。間違っても理不尽に何度も死ぬようなコースを作るわけにはいかない。練りに練っていたらコースを作るだけで一時間近くかかってしまった。
　完成したコースを登録するとすぐに挑戦者が現れた。
「はやっ、お、男子っすね」
　小学生男子グループだった。
　彼らの姿が映し出される。

『さっきのコースヤバかったぁ』
『楽しかったけどな！　これも出来立てのコースっぽいけど』
『今度こそ初見クリアだな』
　始まりは小さな足場だ。進行方向には等間隔に並ぶ大砲があった。
『これ、わかった。貸して』
　コントローラーを持った小学生が一歩踏み出して大胆にジャンプ。大砲の上まで来ると当然発射される。
『よしっ』
　それを足場にして次の大砲。また弾丸が発射されそれを踏んでを繰り返した。キリコの想定通り、リズミカルな音が海のステージに響いている。
『これ、結構優し目だよな』
　
　桐子はその言葉に笑った。
「ふふ、油断していると」
　次の大砲へ飛び移るとした時、弾丸は発射されたのだが、大砲の設置されている足場が素早く動いたのだ。
『あーーー！？』
　少年達の絶叫も虚しく、海へと落下してしまったのだった。
『今の何！？』
『動いたよな！？』
　桐子は口元に手を当てた。
「ふふふ」
　なんとも、嬉しい反応をしてくれる。
その後、何度か挑戦し、ようやく動く足場まで戻って来た。
　桐子は静かに見守る。動く足場も正体に気づけるだろうか。
「うえ！？　ちょっ、あれ」
　少年の一人が声をあげる。よく見ると、魚型の敵キャラが頭に大砲を乗せていたのだ。
「マジかよっ」
　魚の動きは乱数ではないようなので見極めて予測しながらジャンプする位置を決めた方が良さそうだ。

「よーく観察しないとわからないっスよー」
　こういうゲームはギリギリクリアできそうでできないラインを意識して作るのだ。現に彼らは二、三回その地点へ行っただけで足場と大きい大砲の弾丸の動きを読み、五回目であっさり抜いてしまった。
『よっしゃ、いったー！』
次のステージ。
　少年達はぽかんとする。
　動く足場ゾーンを抜けた先には海しかなかったのだ。
『うお』
　あっという間に落下していく、その頭上に大砲が出現、どうやら透明で見えていなかったらしい。
「見えない足場は海に落ちた瞬間に視覚化する仕掛けなんすよね」
　この辺りは死にゲーを意識していたりする。
『おい、誰か足場の場所覚えといて』
『俺見とくよ』
　少年質は役割を分担し、通算十回目で見事クリアしたのだった。
　後はゴールするだけだ。
リズミカルに進み、ゴールが見えた。
「やったもう少し」
　しかし、ゴールへ飛び込もうとした矢先、鋭いトゲが伸びてプレイヤーを海に突き落とした。
「ゲームオーバー。あはは、完璧っすね！」
　次でクリアできそうだ。

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