【スキー＆スノボ合宿】雪山の宝探し＆温泉もあるよ♪｜リアクション

【スキー＆スノボ合宿】雪山の宝探し＆温泉もあるよ♪

★２日目　温泉とキャンプファイアー

　吹雪は止んだが、ロッジの中にはコメディエアーが吹いていた。
「帰る前にお宝探しをしなくちゃねえ」　
　２年生の八十八旗信彦は、ヒントを手に温泉で策を練っていた。
　果たして彼の狙うお宝とは……

　夕方から皐月は空いている温泉につかっていた。
（身も心も癒されるぜ）　
「露天風呂は無理っぽいから内風呂でのんびりしよう」
　そんな声がして、二人の女の子が入ってきた。
「もしかして、寝子高生か？」
　なんとなく声をかけてみる。
　二人は顔を見合わせ、ポニーテールの子が返事をした。
「はい、スキー合宿に来ています」
「やっぱりな。あたしも寝子高出身でスキー合宿に行ったんだ。懐かしいな」　
「そうなんですか。先輩なんですね」
　にこやかに会釈をして、二人は洗い場へ向かっていった。
　その様子になんとなく、友人同士にしては親密すぎる印象を感じて。
（邪魔しちまったかな？）
　皐月はそう思いながらふと露天風呂と中を隔てるガラス窓を見た。
　吹雪では雪見も楽しめないかと思ったが、窓の外を見るといつの間にか吹雪は止んでいた。
（ちょっと暑くなってきたし露天風呂で涼むか）
　二人の邪魔をしてもいけないと、皐月は露天風呂へ向かった。
（そういや合宿といったら昔は男子が覗いたりしたもんだが、今はお行儀良くなったのかな？）

　ガラガラ。
　しばらくすると、大柄なポニーテール女子が一人露天風呂に入ってきた。
　体力を使い果たし戻ってきた志桜里だった。
　凝った身体に染み渡る湯を全身で感じながら、身体を伸ばして。
　男性用でも27.5cmまでしか用意が無かったがために無理やり押し込めることになった28cmの足も解放され、血流の戻りと共に疲れが癒えていく。
「寝子高生かい？　私はＯＧなんだ」
　鍛え抜かれた志桜里の身体に、いい蹴りを放ちそうだなと見とれながら、皐月が声をかける。
「先輩でしたか。いいお湯ですね」
　答えた志桜里の足をつくづく眺めて皐月は聞いた。
「ああ。しかしあんた、足、大きいね。足に合うスキー靴あったかい？」
「なかったですよ。皆の前で靴のサイズなかったのほんとぴえんでしたわー」
「ん？」
「……あら？」
　二人は、怪しい物音に、覗かれている気配を察知し、男湯と女湯を仕切る塀へ目をやった。
　塀から金髪男子が顔を出していた！
　志桜里はそちらへ手でがおーポーズ。
「これニャンスタ無理しょ、目だけで映えてけー？　顔覚えたから」
　にこーっ☆　と笑う。
　一方皐月は投げられるものを探し、桶を手に振りかぶった。
　カコーン！
「ぐあっ！！」
　ガラガラガシャーン！
　皐月の素晴らしいコントロールで、桶の崩れる音と共に金髪男子は撃沈した。
「後輩だからって容赦はしねえよ」　
「さすが先輩！　スッキリしました！」　
　志桜里はいい笑顔で皐月を称えた。

　それから男湯の方が騒がしくなったが、皐月も理緒たちも志桜里も、騒ぎ立てることなく温泉を楽しみ夕食へ向かったのだった。
　

　夕食後はキャンプファイアーだった。
　雪の冷たさを忘れさせるように、炎は暖かく、赤々と燃え盛る。
　桜は皆と歌い、踊り、キャンプファイアーを満喫した。

　理緒と紗月は炎を見つめながら、ロマンティックな雰囲気の中二人だけの時間を過ごした。
　友人同士としては親密すぎる雰囲気も、誰にも邪魔されることはなかった。

「飯も酒も美味かった！」
　皐月は目いっぱい晩御飯といい酒を楽しんでいい気分になっていた。
（ま、あんまりにもうるせえのが居たらちょっと注意しに行ったりはするかもな）
　だが結局そこまで大騒ぎする者はなく、皐月はご機嫌でまっすぐ自分の部屋へ帰っていったのだった。

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