【スキー＆スノボ合宿】雪山の宝探し＆温泉もあるよ♪｜リアクション

【スキー＆スノボ合宿】雪山の宝探し＆温泉もあるよ♪

☆１日目　夏朝と猫　
　　
「宝探し？　スキーの時間がその分減るけど頑張るよ」
　恵御納夏朝は、折角の機会だから宝探ししてみようとロッジへ向かった。
　荷物を置いたとき、ロッジに猫さんの置き物が沢山あるばかりか、本物の猫さんまでいるのを見つけてうずうずしていたのだ。
（撫で……もとい、ちょっと調べてみるね）
「ニャー」
　茶色い猫が可愛らしく鳴いた。
「猫さんの置き物も、本物の猫さんも……可愛い……！」
　ロッジに戻った夏朝はカメラを取り出した。
「合宿の思い出に、一緒に写真とか……だめかな……？」
　するとつぶやきを聞きつけたインストラクターの雪乃上達子が、快くOKしてくれた。
「いいよ、ロッジの人から許可もらってるで。シャッター押そか」
「ありがとうございます。猫さんの目に影響与えない為、フラッシュはＯＦＦで撮影します」
　無事猫さんと並んだ写真を撮ってもらい、引き続き夏朝は宝探しを始める。
「これは……ヒント、かな」
　猫の置物の下に、紙が置かれているのに気付いた。
『ねころびいちていちぶるをもふもふした』
　と書かれている。
「ねこ……をもふもふした？　余計な文字が入ってる気がする？」
　夏朝は頭をひねって考えた。ちょっと探してみよう
「寝転ぶのかな？　ていちぶる……テーブル？　あ、もしかして『いち』を『ー』に変える？　『ねころびーてーぶるをもふもふした』？ちょっと探してみよう」
　ロビーを見回すと、隅の方にこたつがあった。
「テーブル……？」
　そっとこたつ布団をめくって覗き込むと、天販の下に何かついている。
「これは……！」
　引っ張ってはずしてみると。
「ね……猫耳ヘアバンド！」
　達子が笑顔で近づいてきた。
「めっけたない、おめでとう」
　かくして、猫耳ヘアバンドをつけた思い出の写真がもう一枚増えた。
「……ありがとうございます。それじゃ、スキーに行ってきます」　　
　夏朝は猫耳ヘアバンドをリュックに大切にしまって、スキー場へ向かった。
　
　夜。
　夏朝はロビーで猫と遊んでいた。
「こうやって普通に合宿過ごせるのはいいなぁ……」
　猫を撫でたりじゃらしたりしつつ。
「猫さんはお昼も夜も可愛いなぁ……」
　楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「さあ、もうすぐ消灯時間だぞ！」
　浅井幸太先生がロビーにやってきた。
（猫さんが名残惜しいけど、２２時までに、お部屋に戻って寝ないと……！）
「またね、猫さん……本当に、ありがとう……！」
　夏朝は、茶色い猫に手を振り部屋に戻っていった。

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