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甘いお菓子を貴方のために。~『somnium』
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●15:00~
ようやく冷えたチョコテリーヌを冷蔵庫から取り出して、
御巫 時子
はほう、と安堵と喜びの息を吐いた。隣では理子も出来上がったチョコを前に、嬉しそうな顔を浮かべている――ちなみに彼女が作ったのは、湯煎したチョコに少し生クリームを混ぜて固めたものだ。
2人の手元のチョコを見た高明さんが、美味しそうだね、とまずはにっこり微笑んで誉めてくれた。それから時子の方のチョコテリーヌを見て、1つだけ、と注意する。
「今日は時間の都合もあるから1時間くらいで出したけど、出来れば本番ではもっと長く、一晩くらいは冷すと良いよ」
「一晩、ですね……」
桜花寮でそれが出来るか、帰ったら聞いてみようと心のメモに留めておいた。だとしたら、出来るだけ渡す直前まで冷しておいた方が良いのかも知れないから、その方策も考えておかないと。
ふむ、と考え込んだ時子から視線を理子へと移して、高明さんは「うん」とにっこりした。
「りっちゃんは、1人で作る時も温度に気をつけようね」
「う……はーい……」
そうして告げられた祖父の言葉に、理子はがっくり項垂れる。彼女の最初の失敗は、どうやらチョコを溶かす温度が高過ぎたせいらしかった――湯煎を『お湯を煮立たせながらチョコを溶かす事』だと思ってたと言った時の何とも言えない視線ったらなかった。
がっくりしている理子に、ふふ、と時子は微笑む。もちろん、当事者からすれば笑い事ではないのだけれど、2人のやり取りはいかにも優しく微笑ましくて、仲の良い祖父と孫そのものだったので。
そんな優しい微笑の気配に、理子がひょい、と時子を振り返った。そうして彼女の手元のチョコテリーヌに、凄いなぁ、と感嘆の息を吐く。
「私もこういうの、作れるようになったら良いんですけど……」
「ふふ……でも理子さんのチョコも美味しそうですよ……」
「どれどれ? ……うん、確かに美味しそうだ。素朴な分、心が籠ってるのも伝わり易いんじゃないかな」
そんな理子に微笑んだ時子が心からの言葉を告げれば、ちょうどその会話が耳に入った
八神 修
も、理子のチョコを見てにっこりそう請け負った。2人の言葉を聞いて理子は、ありがとうございます、と照れたように顔を赤くする。
後は本番当時に渡すためのチョコも、同じくらい上手く出来れば良いのだけれど。というか、そもそもこのチョコが本当に美味しく出来ているかも、食べてみなければ判らない。
故に帰ってから食べるのが楽しみなような、怖いような――と語る理子と時子に、そうだ、と修が提案した。
「時間があれば、一緒に試食していかないか? 2人のチョコも気になるし、俺が作ったのも意見を聞かせてもらえたら嬉しい」
「試食、ですか? 私はおじいちゃんのお手伝いでまだここに居るから、大丈夫です」
「私も大丈夫です……ふふ、もう少し理子さんとお話し出来ますね……」
チョコテリーヌもそれまでもう少し冷しておきましょう、と時子も頷いて冷蔵庫へと再び向かう。そんな2人によろしくと手を振って、修はチョコ作りを再開した。
と言っても、ココアサブレはすでにオーブンで焼き始めている。では何を作るのかと言えば、この焼き時間を有効活用してサブレよりも割とお手軽な、チョコを纏ったマシュマロだ。
作り方は至って簡単、マシュマロを楊枝に刺したら、湯煎して味を整えたチョコ液にとぷんと潜らせるだけ。液はビターとホワイト、苺にルビーも(これは自腹で購入して)用意した。
これだけでは寂しいので、その上からさらにトッピング出来るような砂糖菓子や刻みナッツ、チョコスプレーも用意する。どんどんとマシュマロを色とりどりのチョコに潜らせて、程よく固まりかけたらトッピングの上にくるくるっと転がしていった。
作業時間にすればそれこそ一瞬で、実に手軽に作れるのに出来上がりは如何にも美味しそうで、華やかだ。だからこうして作るのも、出来上がったものを見るのも楽しい。
その様子を見ていた
城山 水樹
も、面白そう、とチョコがけマシュマロ作りもやってみる事にした。考えてみれば、買ったきりでまだ使っていない手作りチョコキットは、ビスケットにチョコを絡めるタイプだったし。
キットを開封して作業台に一緒に並べ、マシュマロとビスケットに交互にチョコを絡めてみると、思っていた以上に面白かった。これはあれだ、チョコフォンデュに似てる気がする。
ならフルーツでやっても美味しいかも、と呟いたら、高明さんが「やるならドライフルーツが良いよ」と幾つかオススメのものを教えてくれた。特設会場に売ってなくても、そこそこ品揃えの良い製菓コーナーや、ネットでも手に入るという。
最悪ネットかな、と水樹は胸の内で独りごちた。下手に歩き回るより、その方が安全で確実だろう。
そうしているうちにオーブンが、軽やかにサブレの焼き上がりを教えてくれた。少し前から辺りには、いかにも美味しそうな香りが漂っていて、ずっと心を擽られていたのだ。
高明さんがオーブンから天板を取り出し、焼き具合を確かめる。もしオーブントースターで焼く時は焦げやすいから途中でアルミホイルをかけてね、というワンポイントアドバイスを聞きながら、水樹の視線は自分が作ったサブレに釘付けだった。
(本当にビニール袋でサブレが出来ちゃったよ)
ちょっとどころではない感動が、水樹の胸に去来した。サブレなんて、とてもじゃないけれど買わなければ食べられないお菓子の様に思うのに、こんなに簡単に出来るとは。
もういっそこのまま渡してもOKなんじゃ、とすら思う水樹の向かい側で修は、焼けたサブレにさらなるひと工夫を加えていた。少し冷め始めたサブレを手に取って、先のマシュマロと同じように、下半分をチョコ液に潜らせたのである。
こうすればチョコっぽさも大幅アップだし、見た目も単なるココアサブレよりずっと可愛く華やかだ。そうして出来た色とりどりのチョコ掛けサブレは、冷えるまでの少しだけ冷蔵庫に入れさせて貰って、その間にチョコ掛けマシュマロを試食用に準備する。
理子が冷蔵庫から入れ違いに、自分のチョコを出して試食出来るよう、1口ごとに切り分けた。時子も同じくチョコテリーヌを切り分けて、食べやすいよう爪楊枝を刺しておく。
そうして、程よく冷えたチョコサブレも再び出して並べたら、出来上がった幾つものチョコを前に、皆での試食タイムが始まった。と言っても、まず手を伸ばすのはやはり、各々出来栄えが気になる自分のチョコだ。
そわそわ、または恐る恐る手に取って口に運ぶ皆を見ながら、修もチョコ掛けココアサブレを口に運ぶ。しっとりしたチョコの食感と、サクッと軽やかな食感のコントラストに、うん、と目を細めた。
――美味しい。
サク、サク、サクと食べ進めて、まずはその味を存分に味わった。その美味しさがもたらしてくれる幸せは、あたかも天国に連れて行ってくれるかのよう。
しみじみとそう考える。あとは今日の感覚やアドバイスを忘れないように、かつ本番のその日までにより高みへと到達出来るように、自宅で練習しなければ。
とはいえ何度も、満足の行く出来になるまで作ろうとすればきっと、否、間違いなく1人では食べ切れないだろう。なら、食べ切れない分はご近所に配るか、それともまた別の消費方法を考えるか……悩ましい所だ。
もっともそれは修にとって、幸せな悩みなのだけれど。大切な人への贈り物を、どうすれば1番喜んでもらえるか試行錯誤しながら悩み迷い考え努力する時間は、修にとってはただそれだけで甘やかな気分になれるものだから。
(うまく行くと良いな……喜んで貰いたいからね)
ふわりと浮かべた微笑みは、だからとても優しく甘やかだ。チョコと一緒に渡す予定の、先日『somnium』の小物作り教室で作った猫の髪ゴムも、喜んで貰えたら良いのだけれど。
同じく自身の作ったチョコテリーヌの出来栄えに、満足に目を細めていた時子が、しみじみと呟いた。
「高明さんの教え方が分かりやすいから、安心して失敗なくできますね……」
確かに、と水樹もその言葉に頷く。高明さんのアドバイスに従って、レシピ通りに作ってみたココアサブレは、結構おいしかった。
その後に修と一緒に作ってみた、マシュマロやビスケットのチョコ掛けも、簡単なのに割と美味しく感じる。どっちも作り方は覚えたから、あとはラッピングもしないとな、と試食の手を動かしながら考えた。
後でまた特設会場を見て、チョコとラッピングの材料も購入しよう。両方作るか、それともどちらかだけにするかは――その時次第だろうか。
そんな事を考えながら、次のチョコに手を伸ばした。
「職業柄、たくさん食べたらちょっと……だから、後で帳尻合わせしないと、なんだけどね……」
ぼやきながらも試食の手が止まらない、水樹にふふ、と時子は微笑んだ。自分のチョコも皆のチョコも、どれも美味しくて止められないその気持ちは、時子にもよく判る。
彼の人も同じように美味しいと思って下されば良いのですが……そう、また甘やかなため息を吐いた。バレンタイン当日の為に、また寮でも作らないと――そうして出来れば何か、さらにアレンジを加えたい。
「理子さん、当日は頑張りましょうね……」
「はい……!」
故にそう言った時子に、言われた理子はぐっ、とガッツポーズで応えた。彼女も自分のチョコを味見して、ようやく何とかなりそうだとほっと一安心したところ。
そんな風に賑やかな、試食タイムの教室ブースに偶然足を踏み入れて、
恵御納 夏朝
はきょと、と大きく目を見開いた。
「こんにちは……って、後にした方が良い……?」
「いや、大丈夫だ。というか、ちょうど良いから恵御納も試食して、感想を聞かせてくれないか?」
そんな夏朝の前に修がすかさず試食のお皿を差し出すと、へぇ、と面白そうに夏朝はチョコ掛けココアサブレを食べる。そうして、甘い、と呟いた。
夏朝の率直な感想に、ふむ、と修が考え込む。
「なら、サブレの甘みをもう少し抑えるか……?」
「いや、僕がビターな方が好きなだけだから」
そんな修にひらひらと手を振って、夏朝は高明さんの方へと足を向けた。手作りチョコ教室に参加したいと告げ、申し込みや教室の説明を聞く。
そうしながら胸の中で独り言ちた。
(夏朝なら喜んだかも知れないけどね)
なんだか、自分の事なのに他人事のような言葉。否――実際、今の夏朝は『夏夜』という別人格になっているので、ある意味では正しく『他人事』だ。
夏朝が「夏夜にも楽しんで欲しいから」と今日の数時間を譲ってくれたから、夏夜はこうしてチョコ作りに参加しようとやって来た。折角だからめいっぱい、時間を使って試作にふける予定だ。
故に、上手くいけば良いけどね、と口の中だけで呟きながら、夏夜は使い捨てエプロンを身に着け作業台に向かったのだった。
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定員
10人
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6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月02日
参加申し込みの期限
2020年09月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月09日 11時00分
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