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甘いお菓子を貴方のために。~『somnium』
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●14:00~
オーブンの中をそわそわ、わくわくと覗き込んで
御巫 時子
は、もう何度目になるか知れない期待に満ちた吐息を漏らした。彼女の瞳に映っているのは、先程チョコテリーヌの生地を流し入れた焼き型だ。
高明さんの指導のお陰か、なかなか上手く出来たと思えるその生地は、オーブンで焼いた後は粗熱を取って、冷蔵庫で冷やさなければならない。つまり、時子に出来る事は後は殆ど待つだけなのだけれど、
(上手く出来てるでしょうか……?)
とてもとても気になってしまって、ついつい何度もオーブンの中を覗き込んでしまう時子である。そうしてじっと目を凝らしては、チョコテリーヌの出来栄えを祈るように確かめるのだ。
そんな手作りチョコ教室の様子を、
城山 水樹
は少し離れた所からじっと見つめていた。その眉根は僅かに寄っていて、考え込んでいる風なのが窺える。
バレンタインデーまであとわずかとなった今日、彼女がシーサイドアウトレットを訪れたのは、現在交際中の彼氏にあげるバレンタインチョコを求めてのことだった。
大学は既に春休みとは言え、モデルの仕事は毎日のように入っているので、それほど自由が利くわけでもない。そんな中で訪れた貴重な終日オフの今日、この機会を逃したらもう後はないと言っても過言ではない水樹は、何としてもチョコをゲットすべく、今年はどんなチョコレートを贈ろうかな……と考えながらアウトレットにやって来たのである。
その特設会場で見つけた、手作りチョコ教室の案内。ふと興味を覚えてこうして様子を見てみたら、案外初心者にも優しそうだ。
ならば。
「今年は手作りチョコにしようかな……?」
呟く。色々と珍しかったり面白かったりするチョコも良いけれど、手作りチョコと言えばバレンタインの王道だ。なら、今年はあえてその王道を踏んで、手作りチョコも悪くないかもしれない。
一度口にしてみたらそれは、とても良いアイデアのように思えた。そうと決まれば善は急げだと、特設会場内で目についた手作りチョコレートキットを購入して、さっそく教室ブースに飛び込んでみる。
すみません、と持ち前の社交性で明るく挨拶をすると、ブース内にいた何人かが水樹を振り返った。その中の、いかにもパティシエといった雰囲気の男性――高明さん――が水樹へと近付いて来て、いらっしゃいませ、と微笑む。
「参加希望の方ですか?」
「はい。えぇと……ちょっと、あまり細かい作業は苦手なんですけど……」
ひょい、とさっき買ったばかりの手作りチョコキットが入った袋を見せながら、水樹は素直にそう告げた。変に見栄を張って、水樹にはとても作れなさそうなレシピを教えられても大変だ。
そんな水樹の内心を知ってか知らずか、高明さんは特に何か思った様子もなく、そう、と微笑んだまま頷いた。それ見ても良いかな、と言われて素直にキットの入った袋を渡すと、中を見てうんうん頷いている。
そうして、高明さんが何か言いかけた所にまた、すみません、とブースの入り口から声がした。振り返った高明さんと目が合って、
八神 修
はぺこ、と頭を下げる。
図書館帰り、自転車でシーサイドアウトレットに立ち寄ったら、手作りチョコ教室をやっている事を知った修である。そこで、ちょうどバレンタインをどうしようか思案してた所だったし、折角だから参加することにしたのだ。
と言っても勿論、図書館帰りだから何も用意をしてないのだけれど――
(店主さんに教えを請いつつ頑張ろう)
よし、と胸の内で1つ頷いて、修は頑張ろうと気合を入れる。幸い、エプロンは使い捨てのものがあるそうなので、それを使わせてもらう事にした。
材料も道具もある程度は揃っているので、自由に使っていいという。ならばありがたく使わせてもらうとして、さて、じゃあ何を作るかだ。
とにかく今までの経験などから踏まえても、チョコは扱いが難しい。故にチョコが主役のバレンタインには、修は毎度手を焼かされていた。
本格的なものを作るか……はたまた、食べやすいものを作るか……? そもそもの製菓技術をレベルアップさせたいという気持ちもあるし、本番手前の試行だからここで練習もしっかりしておきたいし。
1つだけ、これまでの経験から修が考えている事は、
「プロじゃない俺達が美味しいチョコ菓子を作るには、逆説的ですけど、チョコから離れる方が良いんじゃないでしょうか」
「な……なるほど……!?」
修の言葉に、それもそうなのかも!? と衝撃を受ける水樹である。さっきも言った通り、彼女は細かい作業が苦手な方だから、デコレーションの多いチョコはパスしたいと思っていたけれど。
シンプルで、それでいて手作り感のあるようなチョコと言われても、そもそもの経験値というか、知識量というか――が乏し過ぎてちょっと思いつかなかった。けど、それってアリなの? と一拍おいて高明さんを振り返ってみたら、良いアプローチだね、と笑顔だ。
アリなんだ、と驚いた。そんな様子を見ていた修に、一緒にやってみませんか? と誘われたので、折角だから頷く。
(パティシエの先生にどんなのがいいか、教えてもらうつもりだったしね)
それなら修と一緒に『チョコっぽくないチョコ』を作りながら、高明さんに詳しく作り方を聞いても同じだろう。多分、きっと、恐らく。
そんな2人や、他の人達の作る様子をを見ながら休憩していた
愛猫 萌々子
は、そろそろ固まったかな、と冷蔵庫から生チョコのバットを取り出した。まずは表面の様子を見て、次に軽くバットを傾けてじっくりと観察し、固まっている事を確かめる。
そうしたらあとは正方形にカットして、ココアパウダーを全体にまぶせば出来上がり――なのだが、折角のバレンタインチョコだ、今日はパウダーではなく白いチョコペンで模様や絵を描いてみる事にした。軽く湯煎をして柔らかくしたチョコペンで描くのは、可愛いハートマーク、簡単な猫の絵、それからHappy Valentineの文字――
出来上がったら念の為にもう1度冷蔵庫に入れて、固まったら絵や文字に合わせて切り分けた。それからプレゼント用の箱にきれいに敷き詰めたら、特製生チョコの完成だ。
その出来栄えを確かめて、うん、と満足そうに萌々子は頷いた。さり気なくアドバイスやフォローをくれる高明さんのおかげもあるかも知れないが、久しぶりのお菓子作りとは思えないほど上手く出来たのではないだろうか。
それにすっかり嬉しくなって、萌々子は高明さんを振り返った。
「あの、2箱作ったので……よかったら1箱は店主さんご夫婦にプレゼントさせてもらってもいいでしょうか」
そう言いながら、萌々子は手の中の箱をそっと差し出す。それを見て、おやまあ、と驚きながらも高明さんは、にっこり微笑んで受け取ってくれた。
喜んで奥さんと食べさせてもらうよ、と告げた声色は心から嬉しそうだ。それに萌々子もほっと胸を撫で下ろして、お口に合えば良いのですが、と微笑みを浮かべてみせる。
今度、と言葉を紡いだ。
「今度は『somnium』のお店にも行かせてください!」
「もちろん。いつでも大歓迎だよ」
そんな『思い切って』の申し出にも、高明さんはにっこり笑って快く頷いてくれた。ゆえに萌々子はまたペコ、と頭を下げて、今日はありがとうございました、と教室ブースを後にする。
それを見送って、あの生チョコも美味しそうだったな、と思いながら修は、作るお菓子を考える作業へと戻った。チョコらしくない、それでいてチョコ感に溢れたお菓子――それを高明さんに相談しながら考えていた修は、よし、と決意を宿した瞳で頷く。
「ココアサブレを作ろう」
「サブレ……って難しいんじゃないの?」
「そうでもないよ。ビニール袋を使って作ることも出来るからね」
それを聞いた水樹はと言えば、馴染みはあれど作り方など想像もつかないお菓子の名前に尻込みする。そんな彼女に高明さんが、秘密を打ち明けるような口調でそう言いながらウインクした。
え、と驚いた顔になった水樹に、本当だよ、と頷く。もちろん基本的には、きちんと粉をふるって、しっかり混ぜて……とレシピ通りの手順を踏んだ方が、美味しく作れるのだけれど。
レシピというのは先人達の積み重ねてきた探求と実践の成果であって、それそのものが完成されている。が、それでお菓子作りを嫌いになってしまうのは、何とも残念でもったいない。
高明さんのようにお店で売る物ならともかく、簡単便利に使える道具はどんどん使って行けば良いと思うし、
「それにね、ちょっと面白いからお嬢さんも楽しめると思うよ。ストレス発散にもなるしね」
「「ストレス発散?」」
悪戯っぽく付け加えられた高明さんのセリフに、水樹と修は揃って変な顔になった。水樹は、お菓子作りとストレス発散の関連が不明で。修は、いつもストレスなどとは無縁そうな高明さんから出たセリフというのが不思議で。
そんな2人の顔を悪戯っぽく見比べて、高明さんは「まあ試してご覧」とビニール袋を取り出した。はい、と水樹に手渡して、ゆっくりと手順を説明し始める。
まずは、材料の計測。これはとにかく全ての基本となるものだから、作るのがビニール袋だろうとボウルだろうと、正確に計って用意するのが大切だ。
そうしたら、次は小麦粉とココアをビニール袋に入れて、口の所をしっかり握ってよく振るのだ。大体均一に混ざるまで、しっかりと。
半信半疑ながら言われるままに、ボスボス、と音をさせながらビニール袋を振る水樹の横で、修が不思議そうに高明さんに質問した。
「ふるいにはかけなくて良いんですか? 普通だと、粉をふるう所ですよね」
「うん、理想を言えばビニール袋を使う時でもふるいは使った方が良いね。ダマ――小さく固まった粉類は、取り除いたほうが口当たりも良いし、焼き上がりも均等になりやすいから。でも、家庭で作る分にはこれでも大丈夫だよ」
そうなんですね、と修は水樹の振るビニール袋の中で踊る粉を見ながら頷いた。修は今回は『製菓技術をレベルアップさせる為の練習』という意味もあるからふるいでやるけれど、何かの機会があれば試してみても面白いかもしれない。
さて、粉が混ざったら次は別のビニール袋に砂糖とバターを入れて、柔らかくなるまでしっかり揉む。そうしたら先ほど混ぜた粉をバターの袋に入れて、またしっかりと揉むのだ。
成程これはストレス発散になるのかも、と水樹は指先の感触を楽しみながら考える。しかも、計量さえしておけば後はビニール袋で混ぜたり揉んだりするだけ、というのもなかなかお手軽だ。
その横で修も手早く、こちらは甘さ控えめ気味になるようにココアサブレの生地をまとめ上げた。そうしたら次はある意味ではお楽しみ、生地を伸ばして抜型で抜いていく作業である。
2人向かい合って生地を伸ばし――水樹には高明さんが『伸し棒が家にないなら大体の厚さに手で伸ばしても良いよ』とアドバイスした――用意された抜型を手に取って、ぽんぽんぽん、と軽快に抜いて行く。水樹は色んな型を一通り、修はまるっこいひよこの抜型で。
「サクサクになるといいな」
「私は美味しく焼き上がってくれるんなら何でも良いよ!」
楽し気ながらも祈るように呟いた修に、こちらは正真正銘祈る気持ちで水樹が返す。何しろお菓子作りの経験値などゼロに等しい自分が作るのだ、まずはちゃんとサブレになるのか微妙に不安。
そう口を尖らせた水樹に、大丈夫ですよと修が笑う。
「何しろ今日のレシピは、かなりアレンジされてますけどパティシエ直伝ですからね」
「それもそっか! 高明先生、お願いします!」
修の言葉に頷いて、水樹は完全に神頼みの気持ちで、高明さんを振り返って拝んだのだった。
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10人
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6人
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シナリオガイド公開日
2020年09月02日
参加申し込みの期限
2020年09月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月09日 11時00分
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