２月の☆ハッピーバースデー｜リアクション

２月の☆ハッピーバースデー

●ケーキの味と大切な名前

　２月２２日のお昼時。
　ミーツェ・Ｍ・フェリスは寝子島へやってきた。本来の姿はふわふわもふもふな三毛猫だけれど、今は『猫座みつえ』と名乗り、人の姿になっている。

「猫座みつえ、こーこーせー！　ですな！」

　自分の格好を確かめながら自信を持って頷く。以前は中学生で通していたが、今は高校生で通している。

「今日はミー……みつえの誕生日！　『ねこじま』のケーキやお菓子を楽しみますな！　『ねこじま』のお金もありますな！」

　普段は星幽塔で過ごしているので、寝子島でケーキを食べるのを楽しみにしていた。その気持ちが足取りを軽くする。ミーツェは寝子島のケーキ屋へ向かった。
　店に着くと、ショーケースに並んだ様々なケーキが迎える。

「うにゃ……うななな……どのケーキもおいしそうですな……」

　思わず目移りしてしまう。どれも美味しそうに輝いている。

（ひと化してればチョコ食べても多分大丈夫……なのでチョコケーキも食べたいですな。けど、ショートケーキもあっちのケーキもおいしそう……）

　ミーツェはそうしてショーケースをしばらく見つめていた。

「うなななな……これとこれとこれ、１個ずつ買うのですなー！」

　悩んだ末に、ショートケーキとチーズケーキ、そしてチョコケーキを買った。その店は奥にテーブル席があり、買ったケーキを楽しむことができる。そこへ移動すると、カプセルギアの『ねこざノエル』と一緒に座ってケーキをのんびりと口に運ぶ。

（カプギアもたまに色々食べれたらいいのに……そう考えると切なくなるですな……）

　ケーキは美味しくて、幸せな気持ちになる。けれど、どこか切なさもあった。

「……『ノエル』」

　カプセルギアを見つめながら、そう呟いた。ギアの名前『ノエル』には元となる人物がいる。
　ミーツェにとって飼い主であり、大親友。星幽塔に行く前から一緒に過ごした相手。ずっと昔に天寿を全うして、今はもういない。

（……ミーツェは、元気にしてますにゃ。ほしびとのノエルも生まれ変わって元気にしてますかにゃ？）

　そう問いかける視線は、自然と空のほうを見つめていた。

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