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彼または彼女の事情
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ちくちくぬいぬい。
とあるお休みの日。
滝原 レオン
は、一心にぬいぐるみ作りに没頭していた。作りかけだった子で、完成まであと少し。休日を使って一気に仕上げてしまうつもりだ。
料理やお菓子を作ったり、女装して外出したり、ゲームやカプセルギアを遊んだり……と多趣味なレオンは手先が器用で、針と糸を操る仕草も実に様になっている。中に綿やペレットを詰め、糸をするりと通して繋ぎ合わせ、ぱちりと糸を切る。流れるような所作はプロ顔負けで、眺めていると思わずうっとりしてしまう程だ。
というのは、彼を良く知るとある人物の評である。つまりは、彼女のことだ。
「ほんとにじょーずだよねえ」
「ああ、こういうのは得意だからな……ふおわっ!?」
にーっこり!
レオンは飛び上がった。いつの間にやら、肩のあたりに女の子の顔が浮いている。
「ふふふー♪ びっくりした? ね、びっくりした?」
「お、おどかさないでくれよ姉ちゃん……! 心臓に悪いからさあ……」
くすくすと笑う女の子の姿は、ちょっぴり透けていた。
滝原 ねね。誤解を恐れず有り体に彼女を表現するなら、そう。
いわゆるひとつの、幽霊。ゴーストである。
なぜに彼女の存在が未だこの世に繋ぎ止められているのか? それを説明することは、実はたやすい。この島においては大様にして、こう言っとけば大体通じるのである。
『神魂の影響だから』と。
まあ本当のところは知る由もないが、ともあれレオンが生まれる前にわずか6歳で亡くなった悲運の姉は今、幽霊となって弟たちの健やかな成長を見守っている。
「姉ちゃん、幽霊とはいえ女の子なんだからさ。もう少しおしとやかになろうな」
「んもー、またそーやって子どもあつかいするー! わたしのほうがおねーちゃんなんだからね!」
「はいはい」
もはや定番となったやりとりを経て、小さな姉はレオンの肩口から手元を覗き込む。
「ね、ね。今日はどんな子をつくってるの?」
「ああ。この子は、猫だよ」
スケッチブックに描いた完成予想図を見せる。イラストの出来ばえからして活き活きとして愛らしく、ねねの瞳はきらきらと輝いた。これもまたレオンの器用なところのひとつだ。
「すごいすごい! かわいいー! ね、ね、いつできるの? いつできるのー!?」
「今日中に仕上げちまおうかと……」
「わー、たのしみー♪」
にっぱー!
神出鬼没には驚かされることも多いが、このあけっぴろげで屈託ない笑みを見ていたら、レオンも思わずにへっと頬が緩んでしまうのだ。
ねねが亡くなったのは、20年近くも前のことだという。
姉。姉さん。お姉ちゃん。マイシスター。未だにどうも、実感が沸かない。
なにしろ目の前ではしゃぐ小さな女の子は、外見も内面もまったくもって6歳の女の子なのだ。年の離れた妹ならまだしも、頼りがいのある姉とは到底思えない。
そんなところがどうやら、彼女は気に食わないようだ。
「あー! またわたしのこと、子どもだなーとかおもってるでしょ!」
「いやいやいや。そんなこと思ってやしませんよ、お姉さま」
「んもー、バカにしてー! わたしおねーちゃんだもん!」
ぷりぷりと怒る顔まで愛らしい。頭を撫でてやりたいが、それが叶わないのが少々残念ではあった。
それでも……なんだかんだと、レオンはこの状況を気に入っている。弟の世話を焼きたがる彼女を眺めているのは楽しいし、本当なら出会うこともなかったはずの家族とこうして会話できるのは、思いのほかレオンを幸せにしてくれた。
「……あ、痛って!」
「っ、どーしたの!? だいじょうぶ!?」
ぼんやりしながらちくちくぬいぬいしていたら、誤って指を刺してしまった。赤い玉がぷくりとふくらんで、それを見たねねが心配そうにレオンを覗き込む。
「いつつ……まあ、大したことないよ。たまにやるんだ」
「えーっと、うーんと……」
おろおろ。ケガをした弟に、何かしてやれることはないか。しっかり者のおねーちゃんとして、できることは何か。
彼女なりに考えての行動だろう。
「か……かして!」
「? な、何を?」
「刺したとこ! ゆび!」
「貸してったって、姉ちゃん触れないだろ……」
「い、いいからはやく!」
仕方なく血のにじんだ人差し指を一本立ててやると、ねねはむむむっと難しい顔をして、
「いたいのいたいの、とんでけーっ!」
思わずぽかんとしてしまったが、この姉は真剣そのものだ。
「ど、どう? どう? いたいのなくなった? とんでった?」
必死な顔。ちょっぴり青ざめて、本気で弟を心配している顔。
それはそうだろう。彼女は6歳のままなのだ。針で指を刺して血が出るだなんて、この上なく恐ろしいことに違いない。
「……うん。ありがとな、姉ちゃん。もう痛くないよ」
「ほんと!? よかったー!」
年齢なんて、関係ないのかもしれない。家族を大切に想ったり心配したり、幸せを願うことに、年の差や時の隔たりなんて、些細なことかもしれない。
レオンは微笑んだ。
「よっし! それじゃ、完成させちまうかなー」
「ね、ね、なまえは? この子のなまえ! わたしきめていい? きめてもいい?」
「おう、いいよ。なんて名前?」
「えーっとねー。ふふふー♪」
姉がこうして、いつまで側にいてくれるのかは分からない。
だってこれは、奇跡だ。あるはずもなかった奇跡だ。
だからこそ、このひと時を大切にしたい。
「こいつができたら、姉ちゃん、またアニメでも見るか?」
「! ネコキュア! ネコキュアみるー! きのうのつづきね!」
「はいはい」
レオンは、そう思うのだ。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
/
山中にいな
ファンレターはマスターページから!
代筆を担当させていただきました、墨谷幽です。『彼または彼女の事情』、リアクションをお届けいたします。
山中マスターのリアクションを期待されていた方には申し訳ありませんが、私なりにせいっぱい執筆をさせていただきました。
Xイラスト、Xキャラクターは面白いですね。
それぞれに魅力的でありながら、PCさんの魅力をさらに引き立てるような関係性もあって、奥が深いなぁと思います。
今回登場した笛吹 ぴりりさんのように、Xキャラクターが公式NPCになることもあるとのことで、いろいろと可能性の広がりを感じて止みません。
皆さんも、もっともっとXイラストを活用してみてくださいね。
そしてまた、素敵なキャラクターさんを墨谷に描かせていただけましたら、幸いです。
それでは、今回はご参加いただきましてありがとうございました。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
山中にいな
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年08月21日
参加申し込みの期限
2020年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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