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廃屋の攻防(またはサバゲー狂騒曲)
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●7戦目
白 真白
vs.
マリエッタ・ラシュリエ
さて、とスタート合図を待ちながらマリエッタは装備を確かめる。彼女にとっては2回目の個人戦、今回の侵入ルートも正面入り口から。
装備には、正直まだ馴染んでいない。何しろサバゲーは初めても初めて、今身につけている帽子、ゴーグル、手袋、厚手の服、ニーパッド、ブーツといった装備一式だって、昨日アウトレットで揃えたくらい。
メインアームのH&K MP7、サイドアームのSIG SAUER P226も借り物だ。そうまでしてなぜ彼女がサバゲーにやって来たのかと言えば、修士論文の為だった。
正確には、修論執筆で煮詰まった頭をクリアにしたかったから。2月中旬に修士論文の提出が迫るこの時期、9割9分は書き終えているというのに――或いはだからこそ、そこで煮詰まってしまったのだ。
進めたくても進まない、そんなストレスが溜まる日々の気晴らしに開いたねこったーで見かけた、サバゲー参加メンバー募集。普段なら読み流すそれに、ふとストレス解消になるんじゃないかと思いつき、参加を決めたのである。
そんなマリエッタとは対照的に、『なかなか面白そうだよね』という単純にして明快な理由で参加を決めた真白が身に着けているのは、レンタル品のジャケットにブーツ、ゴーグル。無骨ながら可愛らしいコーディネートにしたが、他にも迷彩柄のキュロットパンツやおしゃれデザインのパーカーもあった。
もっとも、銃だけはそうはいかなかったのだけれど。少し前には某猫のキャラクター柄の銃も話題になったし、無地ピンクのエアガンもあるらしいが、真白の尋ねたレンタルショップでは扱ってなかった。
なので真白が借りたのは、室内だから射程はあまりいらないだろうと、お薦めを尋ねて出されたショットガン。可愛い服に無骨な銃、という取り合わせも可愛い。
閑話休題。
ゲーム開始の音が聞こえて、待機していた廃屋裏の子供部屋の窓から侵入を開始する。下見の時点でボロボロだった窓は、窓枠も壊れてただの穴になっていたから、残骸で怪我をしないよう慎重に。
出来るだけ足音を立てずに……は流石に、床に散らばったガラス片や木片で足の踏み場が難しい廃屋では難しい。歩くとキィキィ軋む箇所もあるから尚更だ。
(ま、あっちの足音も聞こえるだろうし集中していこう)
不利なのは自分だけじゃない、とまずは部屋の中を見渡し、猫の置物が無いかチェックする。そんなラッキーは何度もないよね、と胸の中で独り言ちたのは、さっきモニター観戦してたゲームでは侵入ルートの部屋に置かれていたから。
薄汚れた壁紙にかろうじて浮かぶ花柄が、かつてここが子供部屋だった名残だろう。残されている子供用ベッドの下や、小さなクローゼットの中も確認しながら、耳は常に自身と、それ以外の音を探る。
一通り確認し終えた真白は、ガラス片に気をつけながら極力足音を押さえて扉に近づき、そっと耳を当てて音がしないか確かめた。物音は――少なくとも他人の物らしい音は、しない。
よし、と頷いてドアノブに手をかけ、慎重に回した。錆び付いて軋む音をどうにかやり過ごそうと、息を止めたりしながらそっと押し開けて、廊下へと滑り出る。
予想通り、人影はない。それに詰めていた息をほっと吐き、ショットガンを構えて進み始める。
対するマリエッタは正面玄関から侵入し、エントランスを通り抜けて、建物の右側から捜索を開始した。いつでも撃てるようメインアームを構えて十分に警戒しながら、部屋を片っ端から当たっていく。
小部屋――ない。主寝室―ない。書斎――洋室――物置――ない。
そうやって各部屋を探しがマリエッタは、次に子供部屋などがある左側へ行こうと踵を返した。その動作に、ザリ、と足元で砂利の鳴る音が必要以上に大きく聞こえて、この建物が一体どれだけ放置されていたのか推し図る。
あちらも同じ条件の筈よね、と何処に居るか知れない真白を思った。それなりに大きい廃屋内では、少し耳を澄ませたくらいでは相手の位置を探るのは難しい。
そんなマリエッタと同じことを、真白も試みては「やっぱ難しいかー」と口中で独り言ちた。彼女の方針は元より、置物探しより人探しを優先だ。
音を頼りにできるならそっちの方が見つけやすそうだと思っていたけれど、現実はなかなか、どうして。ふぅ、と息を吐いてキッチンの捜索を切り上げ、扉を開けようとして――はッ、とその音に気付いた。
ミシ、と木の鳴る音。ミシ、ミシ、不規則に――まるで探り探り歩く人のように――その音を慎重に確かめ、聞き分けようと耳を澄ませる。
ミシ、ミシ。ミシ……ッ。
「……ッ」
バキィ……ッ!
今だ、と真白は目の前の扉を思い切り蹴り飛ばした。元々古い建物だ、重厚そうな扉はその衝撃に、蝶番ごと吹っ飛ぶ。
舞い散った木片と埃に顔を顰めながら、ガチャッ、とショットガンを構えて素早く左右を確かめたが、それらしき姿はない――家鳴りか!
チッ、と知らず舌打ちした。奇襲をかけたつもりが、こちらの位置を教える結果になっている。
一瞬迷い、走る。ここに留まるのは危険だ。
そう、走り出した真白の足音はもちろん、マリエッタにも聞こえていた。即座に戦闘態勢を取るが、まずは真白がどこに居るか把握しなければならない。
瞬時に屋内見取り図を脳内に展開し、彼我の位置を掴もうとする。足音の聞こえてきた方向、自分の居場所を確認して距離を予測。
(あっち……ッ!)
遠くはない、そう判断してマリエッタはMP7を構え直した。最大限に神経を研ぎ澄ませ、足音や周囲の音、空気の乱れなどを読み取ろうとする。
慌ててはいけない。変に慌てて物音を立てようものなら、今度はこっちの居場所が相手に知れてしまう。
だから慎重に――そう、ゆっくり動き出したマリエッタの足元で、バキッ、と大きな音がした。――こんな時に!
チッ、と知らず舌打ちして睨みつけた足元の、床板にヒビが入っていた。もちろん、古いせいだろう。
ヒビは大きくなく、彼女にダメージはない。ならマリエッタが今考えるべきはたった1つ――恐らく今の音を聞いてやって来るだろう敵、真白への対処。
既に音を気にする意味はないと判断し、マリエッタは素早く廊下を走り出した。先刻の音が聞こえた方に向かって、だが無防備にはならないよう身を隠せる場所を目線で探しながら。
その足音に、真白も力強く走り出した。色々と算段は狂ったけれど、基本方針を変える必要はない――いっそ向かって行く方が安全だろう。
通り道の部屋の扉を開けはなって身を隠しつつ、自分の居場所を隠す努力は放棄する。その真白の足音に、マリエッタもMP7のロックを外してスライドを引く。
そもそもの目的である猫の置物も慎重に探して回りたい所だが、明らかに互いの存在が把握出来ている中ではむしろ危険だ。
故に。
(素早く相手を仕留めよう)
(置物は倒してからゆっくり探そう)
2人似たような事を考えて、相手の位置を探す。図らずも廃屋の右翼と左翼の、ほぼ同じ位置から走り出した2人が邂逅する場所は、エントランス。
食堂が廊下の半分ほどまでせり出して視界を遮っているおかげで、右翼と左翼の廊下からの銃撃戦は難しい。故に食堂の角や残されている古びた調度品に身を隠し、互いの隙を探り合う。
下手に動くと負ける。そんな緊張感を抱えながら、交互に半身を乗り出しては撃ち、素早く戻る。撃たれて、撃ち返す。それに、また撃ち返す。
ある意味では気の合った、堂々巡りの銃撃戦。だが勿論永遠に続くわけもない――真白のショットガンに比べ装填弾数の少ないマリエッタのMP7が、先に弾切れを起こした。
カチッ、カチッ、虚しく響く引き金の音に、それを悟った真白は装填の隙を与えまいと飛び出し、一気にマリエッタを狙える位置まで躍り出た。その動きに、はっ、とマリエッタがサブのP226を引き抜く。発射準備は出来ていない。
間に合うか。ジャコッ、重心下のスライドを引いて真白へと向けた。狙いをゆっくりつける暇はない。一か八か、当たればラッキー。
同時に引き金を引いた。
「これで終わりだよ!」
「当たって……!」
タン!
タタタタン!
ハンドガンとショットガンの、軽い銃声がエントランスホールに響き渡った。瞬間、互いに顔を顰めて息を吐き、手を上げて叫ぶ。
「「ヒット!」」
互いの声が重なって、え? と顔を見合わせた。それから正面入口の方を、その向こうに居るだろう主催(兼審判)を見やる――相打ちってどうなるの?
すぐにやって来た主催によると、相打ちは相打ちのままゲームセットになるらしい。俺も見た事ない、と目を丸くしていたので、珍しい事なのだろう。
つまり引き分けだ、と互いに顔を見合わせ、肩を竦めた。
「次は勝つわね」
「こっちのセリフ」
彼女たちはそう言って、パン、と互いの右手を叩いて鳴らした。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
とある廃屋でのサバイバルな物語、いかがでしたでしょうか。
皆さまのアクションを拝見し、サバゲーの雰囲気を少しでも表現出来たらと、頑張って執筆させて頂きました。
エアガンだけでも本当に色々な種類があって、参考資料を色々見ているうちにうっかりエアガンをぽちりかけたのは、全力で秘密です。
ええ、買ってませんよ、未遂ですよ、はい……(汗)
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月31日
参加申し込みの期限
2020年08月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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