this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
廃屋の攻防(またはサバゲー狂騒曲)
<< もどる
1
2
3
つぎへ >>
●2戦目
恵御納 夏朝
vs.
響 タルト
次はいよいよ個人戦だと、夏朝は少し手に馴染んだエアガンをぐっと握り締めた。身につけた装備の感覚にも、慣れてきたような気がする。
装備を見下ろせばすでに細かい傷がついていて、高かったのにな、とため息を吐いた。今回のサバゲー用に日頃のバイト代(の一部)をつぎ込んで購入したのは、帽子、ゴーグル、フェイスガード、アフガンストール、迷彩服、タクティカルグローブ、エルボーパッド、ニーパッド、ブーツ、エアガン、肩掛け用スリング、バイオBB弾、交換マガジン、マガジンポーチ……値段を思い出すと眩暈がするが、これも猫さんを守る戦いのためだ、仕方ない。
今回は猫さんどこに居るんだろ、とスタート合図を待ちながら考える。BB弾が当たれば猫さん(の置物)も痛いし傷ついちゃうから、速く見つけてあげたいのだけど。
大事なのは勝ち負けじゃない、猫さんを守れるかどうかだ。ぐっとエアガンを握り締めた夏朝の耳に、スタート合図が遠く響く。
急げ、と正面入口から素早く入った夏朝とは離れた、子供部屋の窓から同じくタルトも侵入を開始した。鍵の壊れた軋む窓を慎重に開け、よっ、と気合を入れて窓枠を乗り越える。
身に着ける装備は、レンタルで揃えた初心者向け一式。あとは念のため、屋根が落ちてきたりした時に獣人に変身できる準備と心づもりはしておこう、と持参した大きめの水筒。
何しろボロボロの廃屋だ、いつ何が起こってもおかしくない。先刻の慣らしプレイではタルト自身、射撃のコツを掴むまでの間にけっこうBB弾を壁や床に当てた気がする。
が、そのおかげで何となくコツは掴んだ。今回は1対1だから、狙いも付け易いだろう。
そんな事を考えながら昼でも薄暗い子供部屋に降り立ったタルトは、まず部屋を捜索した。もちろん探すのは猫の置物――だけではなく、気になったものを一通り。
本とか残ってたら住人の趣味がわかるしね、とうきうき棚やクローゼットを物色し、ぼろぼろの絵本や壊れた玩具に思いを馳せる。いつ頃この家が捨てられたのか知らないが、確かにここで暮らして居た人が居た事を、想う。
一通り物色してから、タルトは移動すべく廊下の様子を伺った。子供部屋は裏口にも近いから、夏朝がそちらから侵入しているなら、不用意に出ると鉢合わせてしまうかも知れない――互いの進入路は秘密になっている。
故に何処にいるだろうとタルトが警戒する夏朝は、その頃エントランスホールと脇の小部屋の捜索を終え、書斎に足を踏み入れた所だった。書斎、と言っても空の本棚が虚しく並ぶだけの部屋だ、捜索に時間はかからない。
(ここにも居ない……猫さん……)
早く見つけてあげなきゃという焦燥感を、努めて深呼吸して飲み下す。まだ半分も探していない、捜索はまだまだこれからだ。
この隣は物置だっけ、と脳裏の間取図と照らし合わせながら扉の向こうを慎重に伺い、書斎を出る。普段は人も寄り付かない廃屋は電気もなくて全体的に薄暗く、おまけに壊れた家具や扉が倒れているところもあって、地味に気が抜けない。うっかりすると床も抜けそう、と歩くたびに軋む足元に眉を寄せ物置へと辿り着く――が、ここも空振り。
なら次は洋室だと、物置の斜め前の扉へ向けた足が、何かの物音を聞いた気がしてぴく、と止まる。さっ、とエアガンを構えて物音の場所を探った――あれは家鳴りとかじゃない、気がするが確信がない。
幻聴か、本物か。迷いながらも警戒して物音のした方、つまりエントランスの方を見やった夏朝の視線は、食堂の壁に半分程が遮られる。反対側も廊下の壁が邪魔で、エントランスまではしっかり見えない。
響さん居るのかな、と警戒する夏朝の視線の届かぬ先で、タルトは正面から入ってくる敵が居るか気をつけつつ、エントランスホールをさっと見回すだけに留めた。
それは、既に捜索済と知っていたからではない。おそらく正面入り口近くにはないだろう、と予想したのだ――だって、ゴール付近に置いたらあっさりクリア出来てしまって意味がないだろうし。
故にタルトはそのまま、食堂裏廊下を通って書斎へ行こうと踵を返した。――が、少し行った所で何だか視線を感じた気がして、足を止めてそちらを――主寝室のある方へと続く廊下をチラ、と見る。
(さて)
廊下は薄暗くて、比較的明るいエントランス側からは見え難い。誰かが居るとも、居ないとも見える。
やられる前に先制攻撃か、確信が持てるまで様子見か。下手に撃てば逆に『自分はここだ』と夏朝に教えかねないが……
ジャコ、とP228のスライドを引いた。発射準備。これで間違っていないはずだと、1度だけ脳裏で手順をおさらいし。
「先制攻撃!」
銃口を視線が来たと思った方へ向け、引き金を迷わず引いた。
タン!
エアガンの軽い銃声が、古びた空間一杯に響いた。咄嗟に夏朝は床に転がって、回避を試みる。
すぐ傍の床で弾の跳ねた音がして、外れた、と判った。そのままゴロゴロ転がって――また装備の傷が増える――距離を取ろうとする夏朝には目もくれず、ヒット&アウェイだとタルトが食堂裏へ続く廊下に駆け込む。
それに違和感を覚えて、夏朝は少し眉を寄せた。――もしかして響さんには、ボクが見えてないのかな?
だとしたらまだ勝負は判らないと、夏朝は立ち上がってエアガンを構え直した。姿が見えたのは一瞬だったけど、タルトも猫を見つけたわけじゃなさそうだし。
よし、と気合を入れて動き出す。出来るだけ物陰に隠れながら、慎重に。
その軋む足音は、食堂脇の廊下に隠れたタルトにも聞こえている。当たらなかったかー、とP228を握り直した。
ほんの少しの空白の時間が過ぎて、タン! と乾いた銃声が響く。次いで、パシパシとBB弾の跳ねる軽い音。けっこう正確に狙われている。
ふむ、と少し考え、当初の予定通り食堂裏に回ろうとそろそろ動き出した。食堂を一周して向こう側に出る造りだったはずだ、うまくすれば夏朝の背後が取れる。
跳弾の音は続いている。それが聞こえている限り、廊下の逆側から回り込まれる危険は薄い。
故にそろりと、だが出来得る限りの最速で廊下を移動し、食堂裏に回り込んだ。そうしてほっ、と小さな安堵に吐き出しかけた息を、はっと飲む。
(猫……!)
その廊下の真ん中に、忽然と猫が居た。違った、猫の置物が置いてあった。
見つけた、と全身の毛穴が沸き立つような興奮を覚え、置物を拾い上げる。後はこれを、正面玄関脇のベンチに置けばタルトの勝利だ。
よし、と猫を確保して顔を上げて、廊下の向こう側から顔を出した夏朝と目が合った。――目が、合った。
「……!」
息を呑んでバックステップで距離を取ったタルトに、夏朝はすかさず先手を打とうとエアガンの引き金に指をかけた。ロックは外れてる、スライドも引いてある、あとは撃つだけだ。
ぐっ、と引き金を引く、その刹那夏朝は慌てて銃口を天井へと向けた。ピシッ、天井板が鳴って埃が舞い落ちる。
わわ、と動揺して狙いを付け直すが、そこで迷ってしまった。――タルトが、猫さんを持っている。
その動揺に、タルトも気が付いた。同時に夏朝にしか効かないだろう作戦を思いつく。
夏朝は猫好きで、とにかく猫に目がないのだと、同じ猫好きコミュ仲間だから知っている。ならそれを利用して、かわいく鳴いて猫の像を盾にすれば。
よし、と頷いて息を整え、鳴き声を上げた。
「……にゃーん♪」
「!?」
果たしてタルトの目論見通り、夏朝は目に見えて動揺する。今だ! とP228の引き金を引いた。
30cmもある猫の置物を抱えながら撃つのには、コンパクトで片手でも狙えるP228は便利だ。タルトは木彫りの猫を何とか小脇に抱え、立て続けにP228のスライドを引いては引き金を絞る。
タン! ジャコ! タン! ジャコ!
それを避けつつ態勢を立て直しながら、夏朝はタルトの動きをじっと見つめた。――否、タルトの小脇に抱えられた猫さんが落ちないか、ハラハラ見つめた。
再びエアガンを構えるが、猫さんに当たったらという思いが引き金を引く指を止める。でも猫さんを助けないと――いやでも――!
時間にすれば数秒の逡巡が、夏朝の動きを鈍らせた。その間に狙いをつけて、タルトがまた引き金を引く。
タン!
「……う」
胸に確かな衝撃を感じ、夏朝は一瞬動きを止めた。がっくりと肩を落とし、大きく手を上げ叫ぶ。
「ヒット!」
弾が当たったという宣言、ヒットコール。この瞬間、夏朝は『死んだ』。
よし、とタルトが小さくガッツポーズをする。と同時に脇に抱えた猫がズルッと落ちて、床に当たる。
「猫さん!!」
「わわッ!」
血相を変えた夏朝の声に、慌ててタルトは置物を拾い上げた。後は外のベンチに置けば、ゲームエンドだ。
じゃあ行ってくるね、と小さく夏朝に手を振って、タルトは堂々とした足取りで正面玄関へと向かう。その後姿にまだはらはらしながら、夏朝は猫さんをじっと見守ったのだった。
<< もどる
1
2
3
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
廃屋の攻防(またはサバゲー狂騒曲)
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月31日
参加申し込みの期限
2020年08月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年08月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!